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クラシックメモリーズ  作者: たろたろソース
12/12

日常9

渋々風紀に渡すプリントの束を持って生徒会室を出た。




気が乗らない。重い。

プリントも重いが。。


廊下を歩いていると野球部が部活をやっていた。


俺も部活やりたいな空手部の皆元気かな

早く再開したいのに仕事が溜まる一方で


とてもツラい

でも皆とこうやって一生懸命やるのってなかなか楽しい。小学校と中学の時は無視されてたもんな……




しばらく歩くと風紀室が見えてきた。

生徒会に劣らず豪華な扉だ



「……ハァ」


小さく溜め息を吐いた




風紀室のドアを開けたら





「あ、」







海藤様が居た。






「……………失礼しました。」






何てこった海藤様が。あの海藤様が風紀委員に捕まっているだなんて


出直そう。今は会いたくない

今まで海藤様に軽くスルーしてたから尚更




「待って」



誰かの声が後ろから聞こえた


聞き覚えがある声。ええ、と




「はい」




「美紀様待って下さい。風紀にようがあったのでしょ?」



あー……この声海藤様か



「海、藤様。…………ええあ、はい。ですが出直します」



「どうして出直す理由が?」


「いえ、あのその…」

上手く海藤様と目を合わせられない



「どうしてこっち向いてくれないのですか?」

心配そうな声で言ってきた


「いやっそういう訳では!というか兎に角風紀委員に用があって居ないようなので出直して来ますっ」


軽く会釈をして去ろうとしたが


腕を捕まれた



「…美紀様」

「俺副風紀委員長だけどそれならいい?」



耳を疑った



「はいっ!?」


副風紀委員長、と言ったのか…?


え、


ええっ




「こっち来て下さい」


腕を引かれ風紀室に入った




どうぞと出された紅茶から良い匂いがする


だが。俺は紅茶を飲みに来たのではない




「海藤様このプリントを渡しに来ました。風紀委員長が来ましたらそのまま渡してくだされば良いです」


プリントの束を海藤様に渡す



「分かりました。わざわざ御足労すみません」


手渡されたプリントを眺めながら

了承してくれた。




良かったー風紀一人しか居ないとか幸運だな

まさか副委員長が海藤様だなんて……

俺人間関係良くしないとな…




用が済んだので帰ろうとした時

また腕を掴まれた



「…何か」


俺は早く戻りたいのだ少しイラっとした




「紅茶は…苦手ですか…?」

無表情で言われた



しまった。飲むの忘れてた

折角淹れてくれたのに無礼だ


すみませんと答えた



俺は勢い良く紅茶を飲み干した


我ながら良い飲みっぷりだったと思う



「…」


海藤様がポカンとしてた


「ご馳走さまです。とても美味しかったですでは」



失礼しました。


とドアを開けた




「お待ち下さい!美紀様」



またまた腕を掴まれた


何なんだよ…もう…



「あの、今度は何でしょうか」



「…もう少しここに居ませんか?風紀の者は皆仕事中なので誰も居ません」


言葉だけなら敬意も合っていいのだが

問題はそこじゃない

無表情過ぎる顔


顔はとても揃っていて綺麗だ


白髪に睫毛が長くて

髪が窓から風が入ってきてサラサラと揺れている


身長は俺より高い


スタイルもスラッとしていて綺麗


綺麗しか言えないこの海藤様は

無表情以外は良いと思う。


俺は平凡な顔何だよね嫉妬しちゃうくらいに





「何故此処に居なくては行けないのですか?海藤様は御仕事はもう済んだのですか?」


少しキツイ言い方だが許して欲しい

俺は会長の事もあって二人きりで居たくないのだ



「仕事はもう済みましたなので大丈夫です。それと…俺と居たら嫌ですか?」


最後の言葉には願望という物が込められていた気がした




二人きりはもう嫌だ


ここはハッキリ言った方が良いだろう。

そしたら直ぐ戻れる



「そうですか御仕事ご苦労様です。」



「ありがとうございます」


俺の返事を待っているかのように瞳でまだかまだかと目で訴えてくる



「海藤様、残念ながら俺は貴方と話すことは特に有りません。早く戻らなければ皆が心配しますので」



海藤様は目を見開いた





「それは…つまり俺と居たら、嫌、という事…ですか…?」



そうだ。何されるか分からないんだ

だから嫌何だよ



海藤様は大規模な親衛隊が居てしかも過激派も少なからず居ると聞いた

チワワくん情報だ。



「だったら、何か?」




「ッ…分かり、ました、。」


「なら」



腕を離して



それを悟った海藤様はすかさず

「駄目です」

と答えた



「俺は美紀様に名前で呼んでもらいたいのです」



「はい?」

呼んでるけど?



「美紀様…名前呼んで」

俺を求めるような目で見てきた



「海藤様」



「違う」

―敬語じゃ、ない…?


「陸様?」


「様要らない」

ぎゅっと放すまいと力強く腕に込められた


「っ…いたい」


予想もしなかった力強さに一歩退く


「名前…呼んで……美紀」



「!なまえ…」


急に呼び捨てされて驚いた



「…りく」


早く離して欲しかったし人に見られたら凄く面倒だ


仕方なく呼んだ


「…ありがと美紀」


満足そうに微笑んだ笑みはとても綺麗だった





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