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西へ向かうアレフ

 爪長グマを倒したアレフたちが荒れ果てた村に戻ると、老神官は今にも息を引き取ろうとしていた。

「これからは薬草も取れるのです。病気はすぐに良くなります。神官様、しっかりしてください」

 励ます神官見習いの言葉も虚しく、老神官はアレフに感謝しながら息を引き取った。

『西へ向かうつもりなら、ダルガンの息子だということは誰にも話してはならない』

 と謎めいた言葉を残して。


 四人はひっそりと老神官を村の墓地に埋葬した。

 山奥にも春は訪れつつある。美しく咲いた野の花をハンナが花束にして墓前に供えた。


「アレフ様。私も共に連れて行ってはいただけませんか」

 落ち着いた頃に神官見習いが言った。

「神官様も亡くなり、誰もいないこの村で私はひとりで暮らしていくことは出来ません。使える神言も少ない見習い神官ですが、皆さまの旅に同道したいのです」


 誰にも異論はなかった。

 新しい仲間を加え、彼らはまた西へ向かって歩き出す。

「そう言えば、お前の名前は?」

 ロナルドが神官見習いに尋ねた。


 おとなしい若者は、

「平凡な名前ですが」

 と微笑んだ。

「アベルと申します。どうぞ、よろしくお願いします」


 彼を加えた新しい旅路が今、始まるが。

 それはまた、別の話。


 今回の更新はここまでになります。お読みいただき、ありがとうございました。また書きため出来ましたら戻ってまいりますので、その時もまたお付き合いいただけましたらよろしくお願いいたします。

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