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7人の神の愛し子たち

創国の昔話

作者: 萌城 友梨

昔々あるところに

大きな国が、ありました


ある凶作の年、王様にお子が誕生しました

国中は歓喜の声に包まれたあと

怨みの念で満ちました


なぜなら

金髪、青瞳の王夫妻から生まれたのは

金髪と銀髪の双子でした


国は多いに荒れました


金髪の王子を後継者とする派閥と

先祖返りたる銀髪の王女を救世主とする派閥は

やがて国権を争い始めました

当時、彼らは3歳でした


内乱は大きくなる一方

国はどんどん荒れました

彼らは12歳になっていました


彼らは16歳となり、大人になるための儀式を執り行うときがやってきました

内乱は大きくなりすぎました


森を焼き払い


田畑を潰し


大地はひび割れ


川は枯れました



人々は精霊の恩恵を忘れていきました




国の外には巨大な森が広がっていました

そこには沢山の精霊と

森の神様がいました


国の精霊は主たる神に助けを求めました


神は願いを聞き届け

人間を殺しにきました


人間はどんどん殺されていきます

国で最強とうたわれた王子が挑んでも

まったく歯が立ちません


そのとき


銀髪の王女が神に言いました


『神よ、偉大なる神よ。どうか今しがた猶予を与えたまえ。千年前の創国の奇跡を恵みたまえ。』


創国主と同じ髪色の王女の言葉は神に届きました。


『全ての非は我にあり。我が産まれたこと、それすなわち罪。我が魂を喰らいたまえ。我を汝が力にて無に帰すべし。』


王女は泣いていました。

国中が怒りに満ち、鬼気としたなか彼女だけが

失われた全ての命を想い泣きました。


神は言葉を聞き届けました。

しかしそのときです


隙をついた王子の射った矢が

神の首をはねました。


鮮血が2人に降りかかります。


神は言いました。



我ガ恨ミ消エズ

全テヲ飲ミ込ミ無ニ帰スマデ



2人から煙が上がり始めました

王子は苦しみ出します

王女は神の元へと走ります


王子は力を振り絞り神に止めをさそうとしました

しかし王女はそれを庇い、倒れてしまいます


神は王子に言いました



汝、人ニ非ズ

其ノ心、マサシク鬼ノ如シ


とたんに王子や殺戮をやめない者たちは

異形へと形を変えていきます


また神は王女に言いました



其ノ心、汚レザル事、天ノ如シ



すると王女を傷が癒えていきました。

国中が光に満ち、緑に溢れ、過去を取り戻していきます。

目を覚ました王女は、神の骸を見て泣きました。

王女は感謝の意を込めて、国の7ヶ所に祠を祀りました。



神の癒しで髪が紫に染まった王女は

神の怒りで髪が黒く染まった王子に言いました。


私達はどこかで間違えてしまったの

誰も悪くなんてないんだよ


神の血で異形となった王子は

神の血で癒された王女に言いました。


許されないことは分かってる

だから僕はこの国を出ていくよ



そして2人は同時に言いました


別々に暮らそう

共に生きよう


2人は久々に声を上げて笑いました。


そうして

紫の髪を持った王女は

名をラフィーカス【祀る者】と改め

ラフィール国の初代女王となりました。

彼女は人が精霊と協力して生きていけるよう、国を豊かにしていきました。


黒髪となった王子は

名をクレスエント【許しを請う者】とし

森の地下にクレスト帝国を築き上げました。

彼は帝として人が人の力だけで生きていけるよう、国を豊かにしていきました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ここから何か素晴らしい物語が展開されそうなのですが続編はありませんか?
2014/08/26 18:20 退会済み
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