鳥人
川が見えてきたということはこの先が目指す場所であるということだった。橋を渡り、六人はこの先どうするか思案するために休憩を取った。そして悩んだ挙句、最初にホワックとアンリルの目的である戦神ウーリを尋ねることにした。エントンの屋敷に行けばその情報が手に入るはずだ。おそらくそうであろうと思われる光を目標に彼らは北西へ向かった。
「俺の目的になったニール金属もその近くの山だ。ついでにいってくれないか?」 ミトソがおずおずと提案する。
「アラニー殿の言葉を聞くに、あまり行きたくはないな。危険があれば諦めるほかあるまい」答えるホワックは慎重なものだった。
ピンクの葉を付けた木々の間を通っていく。エントンの館はもうじきだが、その前に青白い人型の魔物が彼らの前に姿を表した。
ホワックが何かを呟くと、彼はどこからか現れた弓矢を手にし、矢をつがえた。青白い何かはカルエ達をみるなりにやりとした。
笑った。カルエはそう感じた。人の顔をしているのだ。だがそれでも、目の前にいるものが人だとは思えなかった。そこに発せられる不気味な気配は見た目以上に危険な存在であることを知らせているようでもあった。
だがホワックは矢を放ち、青白い存在は矢を胸に食らう直前に消えてしまった。
「なんだ……?」
アンリルが訝しさに声を出した。
「逃げたと判断すべきだろうか」ヨマが言った。
青白い存在が不吉の前兆だったかのように、頭上から現れたのは鳥人だ。人型で翼竜のような翼を生やし、肘には鋭い突起物がある。嘴を生やし、その嘴も人間には危険な攻撃力を持つ。厄介な怪物が五体、空を飛び交っている。
ホワックが矢を放ち、一匹を地に落とした。アンリルが投げたのは投擲用の石で、本人がその意思で投げたのなら対象に触れたさいに爆破する効力があった。一匹に当たるとその鳥人は粉みじんに吹き飛んだ。アンリルはまだ袋いっぱいに石を持っていた。
地面すれすれに勢いよく飛んでくる鳥人はカルエを狙った。が、ヨマの剣が届く範囲にくると突然首をなくしてしまい、動かなくなった。
一閃。どういう技なのか、舞雪が放つ光の矢に鳥人は両の羽を失い、落ちて虚しく暴れた。アンリルが剣でとどめを刺す。
他の鳥人は攻撃をやめて逃げていった。
「こんなものだけならいいが」
そのとき発せられたヨマの声に、カルエは怖気を感じた。なぜ今あんな恐ろしいことがあったあとにそんな普通の言葉で喋ることができるのか。
「まあ、進もうではないか。鳥人はたぶんミャエステを囲む山──その奥には何もないのかもしれない、ここからでは取り囲むそびえ立つ崖に見える場所に巣を持っている。どこにいてもあいつらは襲ってくるだろう」




