手と手を繋ぐと
「たった数センチの手を伸ばす距離が、ときには果てしなく遠く感じられることがあります。誰かの手に触れようとするときに巡る戸惑いと、小さな勇気を詩に込めました。」
温かいのかな。
手と手を繋ぐと、
心が通じ合うのかな。
手と手を繋ぐと、
恋心が芽生えるのかな。
手と手を繋ぐのは何の用だと思われるのかな。
コンプラ違反と思われるのかもしれない。
セクハラと思われるかもしれない。
手と手を繋ぐには様々な障壁がありそうだけど、一番大きな障壁は、今手を繋いだらどんな事態がおきるのだろうかと緊張するあまり身体が固まってしまうことではないか?
手を繋ぐということは非常に難しいことのようだ。
こちらから手を差し伸べるのは東大受験より難題だ。
手を繋ぐという難問の解答用紙は、
どこにも用意されていないのだから。
けれど、不器用に伸ばしたその数センチの先に、
言葉を超えた温もりが待っているのかもしれない。
硬直した指先をゆっくりと解き放ち、
僕はただ、静かに手を差し出してみる。
後書き
誰もが一度は感じる「誰かに触れたいけれど、傷つくのが怖くて固まってしまう」あの独特の距離感を描いてみました。時代が変わっても、人と人との間にあるわずかな数センチを埋めるのは、いつだって自分自身の小さな勇気なのかもしれません。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。




