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「あ、これ、央太が初めて100点をとってきた時のよ。あんまり嬉しそうだったから写真にとったのね」
覚えてる……。
算数のテストで奈々ちゃんや母さんたちからすごく誉められて…それから、勉強が好きになったんだ…。
単純だなぁ…。
「これは、央太の11才の誕生日よね?」
ケーキを前に、二家族で並んで映ってる写真。
うわ!
なんだこれ!
いつとったんだよ、こんな写真!?
俺と奈々ちゃんが、一緒にお風呂に入ってる……。
そうだ、この頃まで、奈々ちゃんとお風呂に入ったりしてたんだっけ…。
この日は俺の誕生日で、夜うちでパーティーをして、その後大人たちが酒を飲んでしゃべってる間、子どもは先に風呂に入れって言われて一緒に入ったんだ…。
子どもながらにかなり恥ずかしかったのを覚えている。
5年生といったら、ちょうど微妙な年頃だ。
まだ奈々ちゃんは胸もなかったけど、お互い微妙に恥ずかしくて、腰にタオルをまいて入ったんだよね。
…………今考えるとすごいな。
ふと横を見ると、奈々ちゃんが真っ赤になって固まっていた…。
俺はいそいで次のページをめくる。
あれ?この頃から急に二人の写真が減ってる…。
そうか。
6年生くらいになって、一緒に帰ったり奈々ちゃんがいじめっこから俺をかばったりすると、『ラブラブ~』とか言われてよけいに冷やかされたりして。
それでちょっと距離を置くようになっちゃったんだ…。