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アルバム ~私の隣3~  作者: さや


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~おまけのおまけ~


「ねぇ。央太ってば」


奈々ちゃんの声に俺はやっと我に返った。

ずっと回想に耽っていて、彼女をほったらかしにしていたらしい。


「あ、ごめんごめん。ちょっと色々思い出してたから。なに?」


「もう。だから、このアルバムって、6年生くらいからあんまり増えてないよねって」


「ああ。それは俺も思った」


「だからさ、今から写真とらない?」


「えっ?今から?」


「うん!私、家のカメラすぐとってくるから。ちょっと待っててね!」


そう言うなり、奈々ちゃんは窓から出ていき、ものの数分もしないでまた窓から戻ってきた。


「…………………。」


いったいどこから突っ込んだらいいのかわからない。

『いつもいつも、一人で勝手に突っ走るんだから』なのか、『また窓から出入りして、危ないでしょ』なのか。


……まあいいか。


俺は奈々ちゃんからデジカメを受け取ると、二人で撮れるように机の上に置いて、タイマーをかけた。


「いくよー?」


「うん!央太、早く早く!」


チカチカチカチカ………ライトが点滅して、パシャッとシャッター音が鳴る。


「ちゃんと撮れたかな?」


「うん。撮れてる撮れてる♪」


さらに何枚か写真をとった。


「じゃあカメラ貸して。父さんの部屋でプリントアウトしよう」


「うん」


俺はカメラからデータを取り出し、パソコンにとりこんだ。

今までけっこう撮りためてたらしく、中には古い写真がたくさん残っていた。


「あ、なんだ。中学の写真まだあるじゃん。………あれ?」


「わわっ!ダメ!それは見ちゃダメー!!」


奈々ちゃんが急に画面と俺の間に割り込んできて、写真を見るのを邪魔する。

俺は片手で奈々ちゃんをどかしながらマウスを操作した。


後半はほとんど俺の写真ばっかりだな。

………………。

???

おいおいおいおい……


「ねえ。なにこれ?」


奈々ちゃんが今度は俺の両目を覆ってきた。


「だからっ、見ちゃダメだってば……!」


俺はその手を一つにまとめて画面を凝視した。


「奈々ちゃん?これはなに?」


「うううぅ……」


奈々ちゃんが頭を抱えてその場にうずくまる。


これってもしかして……?


「えっと、隠し撮り……だね?」


やっぱりか。

それにしても、すごい量だ。

これに比べたら俺の隠し撮りなんかかわいいもんだ。


「これ、どうやって撮ったの?」


「だから、見つからないように、こっそり撮ったんだよぅ……」


「そうじゃなくて、どうやってこんな写真を撮れたのかって聞いてるんだよ」


こめかみあたりを抑えながら訊く。


勉強してるところ、なにか食べてるところ、誰かとしゃべってるところ……。

学校はもちろん、俺が部屋で一人の時の写真にいたっては、よくこんな写真を撮れたもんだと驚きを隠せない。


俺がベッドで爆睡してるところとか、起きたばかりで頭爆発のぼーっとしたのとか。

うわ、これはひどいな。

着替えてる最中の半裸。

下じゃないだけまだましか……?

やっぱベランダから来るのは禁止しよう。うん。


「奈々ちゃん。これ、犯罪だから」


「えええ~!でも、だって、央太も、私の隠し撮りしてたじゃない」


「いや、これとあれを同じと言われても。レベルが違いすぎるよ。

第一、俺はこんなに色々撮ってないし。これとか、いくらなんでもやりすぎ」


「ぇえ?そうかなあ。もしかして、ひく?」


「もしかしなくても、普通ひくよね」


「エエエー……!?」


「ストーカーなのかな?」


「だって、央太の写真、欲しかったんだもん……」


「だって、だもん、じゃない」


「うううぅ……」


しょげてうずくまってる奈々ちゃんを見てたら、だんだんかわいそうになってくる。

……はあ。

仕方ないか。

俺だって、隠し撮りしたことにはかわりないし。

俺の写真が欲しいっていう気持ちは、まあ、嬉しくもあるわけで。


「あー、もういいよ」


「でもひいてるんでしょ?」


「まぁ、そりゃあ……ね」


「うう~~ひかれたぁ……」


「あーだから、ひいてるけど……あーもう、わかった!ひかないから。だけど、このデータは消去します!」


「ぇええ?やだよ!どれもすっごく気に入ってるんだから!」


「え?この頭が爆発してる寝起きの写真とか、どう見てもゴミでしょ?」


「ううん!この寝起きのやつはすごくかわいいし。この着替えてるのはかっこいいもん」


「…………………。」


そうか?

どうみてもゴミだ。

できれば全部消去して、ちゃんとした写真だけもってて欲しいんだけど。


「央太、お願い!消さないで!」


……はあ。

奈々ちゃんのお願いには弱いんだよな。


「はいはい。わかったよ」


「本当?よかったぁ。あ、これも印刷してね?」


「ぇえ!?こんな写真印刷してどうするの?」


「え?もちろん大事にしまっといて、時々見て楽しむんだよ♪あ、央太のアルバム作ってもいいな~」


「……やっぱ変態」


「エエエ~~?」



END?


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


次の日の朝。

奈々ちゃんのおばさんに挨拶して、俺はいつものように奈々ちゃんの部屋に行った。


コンコン


カチャ


キー


「…………………。」


奈々ちゃん、幸せそうな顔して、まだぐっすり眠ってるな。


俺はポケットからそっとカメラをとり出した。


寝顔いただきっ♪


パシャ!

   

その音に起きた彼女が、ゆでだこのように真っ赤になって、文句を言いながらポコポコと俺の胸を叩いてくる。

どうだ。これでやられる側の気持ちが少しはわかっただろう。

俺は声をあげて笑いながら、彼女のパンチを受けとめたのだった。



END!



~あとがき~

ここまでおつきあいくださり、どうもありがとうございました。

『私の隣』『俺の隣』に続く三作目。いかがでしたでしょうか。


これだけ読んでもわかるように書いたつもりですが、よくわからなかった方、興味をもたれた方は、ぜひ本編も読んでみてくださいね。


かなり私の自己満なお話しになってしまったような…申し訳ないです(T_T)

予定よりだいぶ長い話になっちゃったし、一作目とかぶってるシーン多いし…。

でも一応、央太くん側の裏話ということで、お許しくださいm(_ _)m

それでは、また次のお話も、どうぞよろしくお願いいたします。


H23.2.20  さやぽこ

R24.8.22  修正&転載

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