22
そうこうしているうちに、一週間がすぎた。
最近ずっと、なんとなくいつもの元気がない奈々ちゃん。
学校でもあまり笑わない。
どうしたんだろう。
告白した奴に振られたんだろうか?
避け続けながらも、奈々ちゃんのことが心配で、俺は彼女に気づかれないようにこっそりと、様子を見ていた。
奈々ちゃんの好きな奴ってどいつだろう?
『お』がつく奴はクラスに二人いるけれど。
奈々ちゃんと席が隣で、よくしゃべっている岡田。
やっぱり奴がそうなんだろうか?
奈々ちゃん。あいつのことで元気がないのか?
そんなことを考えていたら、つい岡田を睨むように見てしまって慌てて目をそらしたりした。
そんなことを続けていたある日、自分の筆箱に紙切れが入っているのを見つけた。
これは……?
開いてみると、それは奈々ちゃんからの手紙で、この間はごめんと、話があるから放課後待ってるというようなことが書かれていた。
奈々ちゃん……。
このまま避け続けていても、奈々ちゃんを忘れられそうにない。
それならいっそ、俺の気持ちを告白してしまおうか……。
それで潔く振られたら、あきらめがつく……かもしれない。
その時は、もう今までのような幼なじみではいられなくなるだろうけれど、このままじゃあ、どっちみち俺たちの関係は最悪だ。
俺は覚悟を決めて、放課後、手紙の通りに奈々ちゃんの待つ公園へ行った。
誰もいない公園のベンチに、奈々ちゃんは一人ぽつんと座っていた。
俺に気づくと、立ち上がってこっちを向く。
奈々ちゃんと目があうの、久しぶりだな……。
久しぶりに見る奈々ちゃんの笑顔に、胸の鼓動が急ぎ出す。
「話ってなに?」
なんだか緊張して、ちょっと低い声になってしまった。
「えっと、この前はごめんね!!私頭悪いから、なんで怒らしちゃったかわからないんだけど」
「別に、もう怒ってないよ」
「そっか。良かった。
それで、えっと、聞きたいんだけど。央太の好きな子って……青木さん?」
は?なんでいきなり青木さんがでてくるんだ?
「なんで?」
「この前、仲良くしゃべってたから……」
なるほど。
でも、また応援するとか言い出すんじゃないかと思ったら、知らず冷たい口調になっていた。
「……奈々ちゃんには関係ないだろ」
「……………。関係なくないもん」
「え?」
「私、央太のことが好きだから」
「……奈々ちゃん?」
今、なんて言った?
俺の聞き間違い?
「ずっと、央太が好きだったんだもん!」
「……………」
信じられない……。
俺は、いきなりの奈々ちゃんからの告白にびっくりして固まってしまった。
嘘……じゃないよね?
奈々ちゃんの顔が真っ赤になっているってことは、そういうことだ。
えっ……マジ!?
告白しようと思ってきたのに、この展開はなんだろう。
それに、奈々ちゃんには好きな奴がいるんじゃなかったっけ?
「ごめんね。
じゃ!バイバイ!」
言うだけ言うと、まだ固まったままの俺を残して、奈々ちゃんは走って逃げていってしまった。
「うそ………ちょっと待ってよ……」
頭が混乱してる。
奈々ちゃん……?
本気?
でも、好きな奴はどうなったの?
頭の中はぐちゃぐちゃで、わけがわからない。
でも、今はあれこれ考えてる場合じゃない。
とにかく、俺の気持ちを伝えなくちゃ!!
奈々ちゃんが公園を出て行ってからしばらく呆けていた俺は、そこでやっと我に返った。
すでに奈々ちゃんは家に帰ってるだろうと思い、走って奈々ちゃんの家に向かう。
走って走って、息が切れるまで走ってようやく俺は奈々ちゃんの家についた。




