19
~~~~~~~~~~~~~
「ねえ、央太」
「ん~?」
「央太は、好きな女の子、いる?」
「う……」
また、いきなりこんな質問か……。
なんて答えたらいいんだろう。
「……奈々ちゃんは?」
「私は……いるよ」
「へぇ。それって、俺の知ってる奴?」
「うん」
まさか……まさか………
「その人の名前って……?あ、待って!えっと……そうだ!ラストネームの一文字目だけ教えて?」
「え?えっと……『お』だよ」
「……お?」
『お』かぁ………。
ちょっぴり期待した俺は自分でも本当に懲りないと思う。
俺が知ってるなら、うちと隣のクラスと、後は同じ中学出身の奴か。
お、お、お………
岡田、小崎、越智……おがつくやつって意外に多いな。
うちのクラスだけでも3人もいるぞ。
「じゃあ、ファーストネームは?」
「ええっ?それいったらわかっちゃうよ」
「一文字だけ!たぶん、わからないと思うし」
「本当かなぁ?じ、じゃあ………『や』」
「や?」
岡田やすし?越智やすゆき?
まだ二人か。
う~ん……。
わからん。
「わかったよね?」
「全然」
「ええ~~~っ?うそ~?」
「いや、本当にわからないよ」
でも、そうか……。
奈々ちゃん好きな人できたのか…。
「で、そいつに告白するの?」
「いや、今してる最中?みたいな」
「そう……なんだ……」
じゃあ、もう告白して今は返事待ちってこと?
うそだろ。
これは、かなりショックだ……。
頭をでっかい石で殴られたみたい……。
俺がぼーっとしてる間に、奈々ちゃんは好きな奴を見つけてさっさと告白してたなんて……。
「あの、央太?」
「……ごめん。また明日……」
「えっ?ちょっと……」
奈々ちゃんがまだなにか言おうとしてたけれど、俺は意気消沈しきって、そのまま家に帰った。
なんでさっさと告白しなかったんだろう。
今までいくらだってチャンスはあったのに。
いや、告白したからって、無理かもしれないけどさ。
はぁ。
これからどうしよう。
奈々ちゃん……そいつとつき合うのかな?
振られればいいのに……。
ついそんなことを思ってしまって、さらに落ち込む。
俺って、最低だ……。
応援なんてとてもできないけど、しばらく奈々ちゃんから離れるべきだよな。
俺と付き合ってると思われたら、やっぱり困るだろうし。
俺が奈々ちゃんにしてやれることなんて、それくらいだもんな……。
あ~あ。
俺は深い深いため息をついた。
目の前は真っ暗で気分はどん底だった。




