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「今思えば、私の頭でよくK高なんて受かったよね~。あの時はほんとよくがんばったなぁ、私」
写真を見ながら、奈々ちゃんが頷いている。
「うん。本当、よく諦めないでがんばったよ。えらいえらい」
俺は隣に座ってる奈々ちゃんの頭をよしよしと撫でた。
俺と同じ高校に行くために、勉強嫌いな奈々ちゃんがあんなに毎日がんばったんだもん。感動ものだ。
「ほんとあの時は、毎日勉強づけで地獄のような日々だったもんね」
「そっか。俺はすごく楽しい一年間だったけど」
別の意味では色々大変だったけどね。
誘惑が多すぎて。
でも、色々含めても幸せだった……。
「うん。央太と一番長く一緒にいれた一年だったしね。高校入ったら、央太、そっけなくなっちゃったし」
「あれはっ、奈々ちゃんが悪いんだからね」
「エへヘヘ。ごめんね」
奈々ちゃんがいたずらっ子みたいな顔で謝る。
奈々ちゃんが言ってるのは、俺たちが高校に入ってしばらくたった頃の話だ。
高校でやっと同じクラスになれて喜んだのもつかの間。
予想していた通り、K高は朝早く課外授業があったり、授業もペースが速くて難しかったりと、奈々ちゃんはけっこう大変そうだった。
朝が弱い奈々ちゃんを、俺はこれまでと同じように毎朝迎えに行って、帰りもだいたい一緒に下校していた。
俺たちは、よく一緒にいるせいで、付き合ってるとか勝手な噂をされることも多かった。
さすがに冷やかされていじめられるようなことはなかったけれど、しょっちゅう奈々ちゃんとの関係を訊かれていた。
そんなある日、ある事件が起こって、俺は奈々ちゃんと距離を置くようになる。
それは、奈々ちゃんと一緒に下校していた時のこと。




