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そしてついに運命の日がやってきた。
俺と奈々ちゃんは合格発表を見に、一緒に高校へ行った。
掲示板の前にはすでに人だかりができていて、喜んでいる人、泣いている人、様々だ。
俺たちは、どっちなんだろう。
緊張しながら、俺も張り出されている合格者の番号を確認する。
「あった」
すぐに自分の番号を見つけて、ひとまず胸をなで下ろす。
「央太~私の番号、一緒に見てくれる?こわくて探せない……」
さっきから耳を塞ぐようにしてうずくまっている奈々ちゃんに頼まれて、俺は番号を探してやった。
「えっと……………………………………………………」
ありますように……!
なんだか、自分の時よりも緊張する。
見落とさないように注意して、番号を上から順に見ていくと、
「……………………………………あった」
ぽつりとつぶやく。
見間違いじゃないよね?
うん。間違いない。
うわ……
マジ?
きっと受かるって信じてたけど、本当にこの目で確かめるまでは正直ちょっと心配だった。
だけど、あった。
すごい、うそみたいだ。
「奈々ちゃん、あったよ!ほら。見て見て!!」
「うそ、本当に?本当に私の番号?どこ、どこ?」
「ほら。あの上から6番目」
「……本当だ!間違いないよね?1、3、2…………」
奈々ちゃんは何度も受験票と掲示板の番号を見比べている。
「やった。やったぁ~~~~!央太、あったっ!!受かったよ~~~~!良かった~~~~!!!あっ!央太は?」
「俺も受かったよ」
俺はピースしながら笑ってみせた。
「やったぁ!!!二人とも受かったの?すごい、すごい!良かったぁ~!!ほんとに……良かったっ……っ……」
「良かったね。これで一緒の高校行けるね、奈々ちゃん……えっ!」
奈々ちゃん……
奈々ちゃんが、泣いてる……。
涙が頬を伝ってポタポタ落ちては、セーラー服にしみをつくっていく。
久しぶりに見た彼女の涙に、俺は驚いて一瞬固まり、すぐにポケットからハンカチをとり出して彼女に差し出した。
奈々ちゃんはしゃくりあげながらハンカチで涙をふき、次の瞬間、いきなり俺に抱きついてきた。
「うわっ!!」
「央太ぁ~……ふぇ~ん……良かったぁ~……ありがとう~!」
泣きながらお礼を言われて、俺は赤くなりながら優しく彼女の背中をさすった。
「よく頑張ったね。えらい、えらい」
「ふぇ~~……嬉しいよぉ~……」
「よしよし」
腕の中で泣いている奈々ちゃん。なんだか小さくて、子どもみたいだ。
やっぱりすごく不安だったんだね。
それでも諦めないで毎日必死に勉強して。
そうまでして、俺と一緒の高校に行きたかった理由って……?
俺は奈々ちゃんの背中をさすってやりながら、奈々ちゃんが泣き止むまで、ずっとそれを考えていた。
いつのまにか、奈々ちゃんの身長が自分より小さくなっていたことに、俺はこの時初めて気がついたんだ。




