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アルバム ~私の隣3~  作者: さや


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そして受験当日。


「うー緊張するよー。手がガタガタ震えてる……」


「大丈夫。大丈夫。もっと肩の力抜いてリラックス」


「無~理~~~」


奈々ちゃんが情けない顔で言う。

御守りを握りしめた手がガタガタと震えていた。

俺は苦笑いして、彼女の震える手をそっと包みこむ。


「!!」


「大丈夫だよ。やれるだけやったんだから。あとは、今までやってきたことを全部出し切るだけ」


「……うん」


「御守りもちゃんと持ってるし」


「うん」


「絶対、一緒の高校行くんでしょ?」


「うん!絶対!!」


「……じゃあさ、試験終わったら、どっか遊び行こうか?」


「え?どこに?」


「う~ん。そうだなぁ。遊園地なんてどう?奈々ちゃん好きでしょ?」


「うん!!」


「じゃあ、まずは試験を終わらせてこよう?」


「うん!!!」


ギューッ

俺は奈々ちゃんの手を両手で力いっぱい握った。


「はい。充電完了。じゃあ行こうか」


「ふふ。なんか、ちょっと落ち着いたかも。央太ありがとう」


「どういたしまして」


奈々ちゃんの顔には笑顔が戻り、手を離しても、もう震えていなかった。


さあ、俺も頑張るぞ!

奈々ちゃんと一緒の高校行くって約束したんだから。

俺はポケットの中の彼女とお揃いの御守りを握り締め、気合いを入れて教室に向かった。




「くぅ~~終わったぁ~~~!やっとゆっくり眠れる~!!」


試験が終わったら、いつもの奈々ちゃんに戻っていた。

とても晴れやかな顔をしている。

これは、手応えあったのかな?


「終わったねー。どうだった?」


「う~ん……どうだろう?」


「とりあえず、空欄は埋めた?」


「うん。それはもう。でも、ちゃんと合ってるかなぁ?」


「帰ったら答え合わせしてみる?」


「う~ん。とりあえず、帰ったら寝る。昨日は緊張してあんまり寝れなかったから、ほっとしたら眠くって」


「あはは。そっか。じゃあ、遊園地はゆっくり決めようね」


「うん」


俺たちは足取りも軽くお互いの家に帰った。


母さんに試験の結果を報告してから、自分の部屋に入る。

この一年、毎日奈々ちゃんと一緒に勉強してきた部屋。

こうしてみると、急に部屋が広くなった気がする。

広すぎて、なんだか寂しい。


この一年間、ずっと二人で一緒にいて、すごく近くで奈々ちゃんを見れた。

楽しかったな。

今日からはまた、前の俺たちに逆戻りか。


ふいに、胸がしめつけられたように苦しくなる。

奈々ちゃんお気に入りのクッションを拾い上げて、俺は深いため息をはいた。

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