初めての街と嫉妬
『まだ着かないの?』
「どこぞのハイエルフが家の前にバカでかい森を作ったからな」
『・・・ガブ』
「いってぇ!!!フリティ噛むな!急ぐから!」
フリティを抱えて走ること数分で街の入り口が見えてきた。
200年ぶりに見た街はアコニが知っていたものとは全然違うものになっていた。
「あれから何年たったんだ?あの森時空が歪んでるからこっちの時間がわかんねーんだよな」
『魔の森って名前つけてもらったから時空歪んでた方がいいかなって。』
「どんな理由だよ・・」
[おい!そこの二人とまれ!見ない顔だな、身分証出せ]
門番らしき男が声をかけてきた。
街に入るには身分証がいるってところは昔から変わらないようだ。
「身分証、つーかこれしか持ってねーんだけど」
『私これしかない』
アコニが出したのは5台英雄の剣聖の証。
フリティが出したのは王家の紋章。紋章は王家にとっての重要人物を示すものだ。
[なんだこれ?これは身分証にはなんねーよ。ないなら水晶に触れて銀貨2枚払ってくれ。てかすんげー美人だな!お前俺と遊ぼう・・てあれ?どこ行った?]
剣聖の証は今や知る人ぞ知る伝説のおとぎ話となっており、フリティが出した王家の紋章は今はなき古い王国のものだった。
「くそ野郎、次俺の女誘ったら殺すぞ」
[ヒィ!は、、はいー!ど、どうぞお通りください!]
アコニの威圧におびえた門番によって問題なく二人は街に入ることができた。
門番の対応がめんどくさくなったフリティは認識阻害の魔法を強くかけて嫉妬で威圧しながらもフリティを姫抱っこし続けるアコニをみて嬉しそうに見ていた。
『ちゅ・・アコニ可愛い。着いたから降りる。』
「うっせぇ// なぁ別人に姿変えといてくれよ。誰にも見せたくねぇ」
『アコニ以外に興味なんかないのに。ほんと可愛い。』
「と、、とりあえず旨いもんでも探すか!」
フリティは目立たない程度の姿に変えて照れてるアコニと一緒に街の中を歩いていく。