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あなたの願い叶えます  作者: 音無 彌生
8/19

謝罪

「はぁ…。」


あれ以降日に日にラブレターが増えている。

休み時間、放課後を潰されてまう毎日…。


うぅ…神藤さんと一緒に帰りたい…。

言って諦めてくれる子ならいいけど、

そうじゃない子が大半だから尚更大変…。

あー…ほんと憂鬱…。









「えー、じゃあ今日は球技大会の種目

決めしていくぞ~。

やりたい種目に名前書いてけー、多かったら

じゃんけんで決めろよー、

じゃあ俺は仮眠とってるから。」


「うわぁ…。」


「反面教師ってやつ?w」


「あんな大人には絶対なりたくないな…。」


次々教師に対して非難する声を挙げつつ

黒板に名前を書いてゆく。




うーん…。俺なんでもいいんだよな…。

出来ればあんまり目立ちたくない…。

これ以上注目されたらたまったもんじゃない…!

だからこそ…!俺は…!サッカーにする!

ダメだったらソフトボールにする!





無事種目決めが終わり、周りが騒がしくなる。



はぁ…。一応じゃんけんに勝ったから

いいものの、どうすれば目立たないように

出来るかな…。


若干ボーッとしつつも手は黒板の文字を

写してゆく。




_最近、月神くんと一緒に帰れてないな~…。

寂しい…。

でも月神くんかっこいいからモテるのも

分かる!だからしょうがないよねっ!

我慢がまんっ…!_




…っ!ごめん神藤さん…。気づけなくて…。

はぁ…、俺はなにやってんだよ!

隣に好きな子が居るって言うのに…!

今俺に出来ることはこれぐらいしかない!



ノートの隅に書いた文を神藤さんに見せる。

神藤さんもまたノートの隅に返事を書いて

クスッと笑った。



俺やっぱりこの笑顔を守りたいな。




_~っ!不意打ちなんてずるいよ…。

やっぱりかっこいい…。

あーもう!恥ずかしくて顔見れないよ~。_




ほんと神藤さんって可愛い。

コロコロ表情が変わるが面白いから

見てて飽きないな~。

取り敢えず土曜日にデートの約束出来た!

やべぇめっちゃ楽しみ!



憂鬱な気持ちなんてどこかにいって

その事で頭が一杯で。

自分でもこんなに単純だったけ?と

疑ってしまうほど楽しみで。







放課後

目の前には赤面状態の女の子。


「あの…月神くん!好きです!

付き合ってください…!」


「ごめんね、俺他に好きな子がいるんだ。

告白してくれてありがとう。

出来ればでいいんだけど他の子にも

伝えといてもらえないかな?」


「……っ…はいっ!分かりましたっ!

来てくれて嬉しかったです…!」




…うん、やっぱり心が痛む。

でもいい子そうで良かった。

これで告白してくる子が少しでも

減ったらいいな。ふっ、切実な願いだな。





土曜日、神藤さんとデートの日です。




あ~、ヤバイ!めっちゃドキドキする!

なんせ女子と休日に会う!それもデートするとか!

今までの人生で無かったからねっ!

だって演劇の練習だとかで遊んで無かったもんっ!

でもどうしよう…俺がリードしなきゃなのに

経験が無いから神藤さんに失礼な事しちゃったら…。


その分楽しみと不安でごちゃ混ぜになってます。

その姿は百面相の様にコロコロ変わってます。









待ち合わせ場所に10分程前に着いて辺りを

見回すも神藤さんの姿はない。




まだ時間はある。

俺が早く着いちゃっただけだし

急がせるつもりもない。気長に待っていよう。


_かっこいい~。_


_声かけたいけど自信無い~無理~…。_




「ねぇあそこに居る人かっこよくない?」


「ねー、声かけに行く?」


「え~、でもハードル高くない?」


「まぁ…でもいけるしょっ!」




「あの~お兄さん。」




「月神くん…!」


誰かに服を掴まれて振り向く。

顔を真っ赤にして少し息が上がっている

神藤さんが居た。


「え?神藤さん大丈夫?

ほら、静かで座れる場所行こ?

あの…すいません通してもえますか?」


「え、すみませんどうぞ。」


「ありがとうございます。」


会釈してその場に後にした。




「ありゃりゃ~、ドンマイ。」


「そんなぁ~。」








「神藤さん、落ち着いた?」


「うん、大分落ち着いた。

ごめんね、月神くん…迷惑かけちゃって。」


「全然いいよこれくらい。

で、なにがあったの?」


「うん…それが最初知らないお祖母さんに

道を聞かれて答えてたら次々

声かけられちゃって…。

待ち合わせ時間に間に合わなくなり

そうだったから謝って逃げてきちゃった。

悪いことしちゃったかな…。」


「…そっか、大変だったね。」


頭を撫でると照れ臭そうに笑う神藤さん。




……それにしてもいくら神藤さんが

いい人だからって群がるんじゃねぇよっ!

絶対その中に下心あるやつ居ただろっ!

マジ許せん!!



「月神くんって面白いね!」


「え?なんで俺変なことした!?

え~なんだろう…?」


「だってさっきから百面相してるんだもんっ!

それが面白くて。」




~っ!はっっっず!

まぁ…神藤さんが笑ってくれるのならいい…のかな?

今度から気を付けよ。




「じゃあそろそろ行こっか。

映画館っ!」


「うんっ!」



はぐれないように手を出せば少し躊躇(ためら)われたけど

繋いだ手を離さないようにしっかり握った。







「神藤さん、どれにする?」


「うーん…どうしようかな~。」


メニュー表を見ながら悩む。



「じゃあさ、半分のやつにしよ?

そしたら2つまで選べるじゃん。」


「!じゃあ、塩とキャラメルにしよう!

いい?」


「うん、それでいいよ。」


「やったー!あと飲み物はね~、

ファンタメロンにする~!」




うん、可愛い。でもねその短めのフレアスカートで

ジャンプすると見えちゃうからね。

狙われちゃうよ?危険じゃないかな?

心配なんだけど。








長めの予告が流れる中チラッと神藤さんを

見ると静かにしているものの楽しみで

仕方無いと言わん張りにるんるんで。

クスッと笑って誘って良かったなと思った。





それにしても…神藤さんの服装。

なんだろう…ちょっと目のやり場に

困る様な…気がする。

だって…少し空いている胸元、

少し短めのフレアスカート、

太過ぎず細すぎずな綺麗な足、少し高いヒール…。

唯一の救いなのがカーディガンみたいなのを

羽織っている事ぐらい。

それも隣と言うことも相まって

胸元が目立つ。






_うーん…この服装で大丈夫だったかな?

お母さんに選んでもらっちゃったけど

スカート短すぎないかな~…。

もう少しだけ長くても

良かったんじゃないかな…。

うぅ…恥ずかしい。_




お母様ナイスっ!…なんてちょっとしか思って

無いんだからねっ!勘違いしないでよねっ!












「私お手洗い行ってくるね。」


「うん、ここで待ってるから。」









「はぁ…私はしゃぎすぎたかな…。

月神くん引いてないといいな…。」


深呼吸をして彼の待っている場所へ向かった。






「月神く…。」


月神くんは誰にでも優しい。

だから笑顔で返事をしてくれる…。


その中に私も入っているんだろうな…

そんなことを思ってしまう自分が嫌で

その気持ちに無理やり蓋をした。





「あの、すいません俺彼女居るんで。

離れてもらえませんか。」


「え~、その彼女さんどこに居るの~?

いないじゃ~ん、ねぇ遊びいこー!」


「なに言ってるんですか?ここに居ますよ。

俺の可愛い彼女が。」


優しいような、強引のような。

いつもと違う表情にドキッとした。


「へぇー…なんか普通~。むしろ私の方が

かわいくね?って感じなんですけど~。」




「あ!こんなとこに居た!ほら行くよ!

すみません!こいつ変なこと言って

ませんでした?」


「いえいえ、大丈夫ですよ。」


「えー!お兄さん優しい~!

ますます理想なんですけど~。」


「はぁ?なに言ってんのあんた

気使われてるの分かんないの?

ほんとすいませんでした!

こいつにきつく言っておくので。」


「いえいえ、気にして無いので

大丈夫ですよ。」




何度もお辞儀をして去っていった。




「はぁ…ごめんね神藤さん巻き込んじゃて。

帽子か眼鏡してくれば良かったかな。」


「全然大丈夫だよ。」


_むしろ嬉しかった…か、可愛い彼女…。

いやでも!その場の嘘なんだから

なに舞い上がってるの私!月神くんとは

そんな関係じゃなくて友達なんだから!

勘違いしちゃダメ!_




うぅ…友達…。切ねぇ…切ねぇよぉぉぉぉ!!

ほんとはすぐにでも言いたい!

でも軽い男って思われるようで俺的に嫌だから

言わないだけだから!

もっと上手く…気持ちを行動にしなきゃ神藤さん

には伝わらないのかな…?




昼食を済ませゲームセンターへ向かった…

までは良かったのだか…。


「おぉ!翔じゃん!こんなところで

会えるとは思ってなかったわ~。」


「なに黙ってるんだよー!これから

どっちが多くとれるか勝負すんだけど

翔もどう?!」


「悪いな…翔それに君も…

悪気があるわけじゃないから。」


「はぁ…それよりもお前ら神藤さんに

言うことあるだろ?話はそれからだ。」


「それもそうだな…。」


「おう。」


「「神藤さん、ごめんなさい!」」


「その…怖い思いさせてしまって。」


「君が可愛いくてつい…ね?」


「ほんとごめんねっ?根は悪い奴ら

じゃないから許してやってくれないかな?」


「いえいえ私全然気にしてないので

大丈夫ですよ。」


「まぁ神藤さんがそう言うなら

感謝しろよ!」


「はいはい。

この際だから自己紹介しよ?

縁谷 桃里(えんや とうり)、よろしくな?」


「俺は高坂 丈助(こうさか じょうすけ)!この中でだったら

一番頼りになると思うぜ!よろしく~!。」


「で、俺が坂下 純(さかした じゅん)

翔じゃなくて俺にしない?困った時は相談乗るよ?

なんてね。よろしく。」


「…私は月神くんと同じクラスの神藤 あかりです!

こちらこそよろしくですっ!

ところで何で皆さん、月神くんのこと翔って

呼んでるんですか?」


「それは~…。ちょっと翔のこと借りるね。」







「ねぇ!翔どうゆうこと?

神藤さんにあの話してないの?」


「うん…完全に言うタイミング逃しちゃってさ。

だから合わしてくれないか?」


「しょうがねぇな、合わしてやるよ。な?」


「おう!翔じゃなくてちかいって

呼べばいいんだろ?まかせとけ!」


「まぁ翔もいずれ神藤さんにあの話

ちゃんとしろよ!

今回は合わすけどさ。」


「悪いな、それでよろしく。」





なんだかんだあったけど彼奴らと神藤さんは

仲良くなって


「神藤ちゃん時間大丈夫そう?」


「まぁ遅くなると神藤ちゃんの親御さんとか

心配すると思うし良いんじゃね?」


「じゃあ解散ってことで!

ちかい、神藤ちゃんの事ちゃんと

送ってけよ!」


いつの間にかちゃん呼びになっていた。




俺なんかまだ神藤さんって呼んでるのに…!

なんか彼奴らに先越されたみたいで

ムカつくんですけど!



「お前に言われなくてもちゃんと送るに

決まってんだろ?」


「ならまかしたわ。

じゃあね神藤ちゃん。」


「さすがちかいだわヒューかっこいい~!

じゃあね~神藤ちゃんっ!」


「はいこれ。俺の連絡先、何かあったら

連絡して俺すぐむかうから。

じゃあね神藤ちゃん。」


「お前…なに渡してくれちゃってんの?

神藤さんもこいつじゃなくて俺の事

頼ってほしい。

じゃあなお前ら、ほら行こ神藤さん。」


「え…!あ…あの!今日は楽しかったです!

ありがとうございましたっ!それでは!」





本当はもっと余裕な感じを出したいのに

上手くいかない…。

神藤さんが可愛いから…自信無くなる…。

彼奴らに笑顔で対応してて妬けた。

俺なんて…まだ連絡先交換だってしてないし…。

はぁ…もしかして俺ヘタレ?

あー考えたくない~!




_月神くん…機嫌悪い?

私何かしちゃったかな…?どうしよう…。

私になにか出来ること無いかな…。

あ、でもさっきの頼ってほしいって

言われたのは嬉しかったな~。_


「~っ!神藤ちゃん、好き…。」


「……え…?月神くん?」


「…え?俺なんか言った?」


「え…あ…あの…なんでもない!」





ん?今…俺なにか口走った…?

えっ?………無意識すぎてなんて言った…?

じゃなきゃ先まで普通だった神藤さんが

顔赤くしてそっぽなんて向かないもんっ!

ほんと…俺って奴は…。




_うわぁ~!!!つ、月神くんが!

す、すすすすす…っ~!好きって!

え!!聞き間違いかな?!え!でも!

ちゃん呼びだったし!う~ん…。

でも…本当なら嬉しいな…なんて。_


その日はお互い何も喋らず、いつの間にか

神藤さんの家の前に着いていた。







あー…勢いで好きって言ったのか…俺。

神藤さんに明日どんな顔で会えばいいの?

まるであの発言が無かったように振る舞うの?

でも神藤さんとはギクシャクしたくないし…

めっちゃ意識してます!なんて感じの態度は

取りたくないし…。


スマホの画面を見ながら一人考えていると

縁さんからの着信。


ビックリしてスマホを顔面に落とした。

あまりの痛さに悶絶していると


「もしもし…?ちかいくん?」


「うぅ~…っ!!はぁい…なんですか?」


「ちょっとどうしたの?」


「それがスマホ持って考え事してたら縁さんから

電話かかってきて驚いた拍子にスマホ

顔面に落として悶絶してました。」


「あはは…ごめんね?ちかいくん。」


「いえ、大丈夫です。

ところで縁さんから電話かけてくるなんて

珍しいですね。」


「あー、そうだね。

ちかいくん、生まれ変わりの事誰かに

言った?」


「え…?なんでそんなこと聞くんですか?」


縁さんの一言を聞いた瞬間悪寒がした。


「えっと…それはね…あまり現世の人に

ここの存在事態がバレるとちょっとまずくて…

ちかいくんは大丈夫かなっと思って

聞いてみたの。

大丈夫ならそれでいいんだけどね。」


「…っ!あのっ!俺…ちょっと

話しちゃいました!ごめんなさいっ!

代償があるのなら何でも受けますので

許してください…!お願いしますっ!」


「…そっか。因みにその事を知ってる人は

信用できる人なの?」


「はい!超いい奴らです。」


「……ん?一人じゃなくて複数いるの?

待ってそれは聞いてない!どゆうこと?

詳しく!」


「え?縁さん怒ってない…?俺はむしろ

そっち方が気になる!」


「ん~…じゃあさ!先にちかいくんの方話して!

その話が終わったら私も話すから。

ね?お願いっ!」


「まぁ話してくれるなら…いいですよ。

教えたのは三人にしか言ってないです。

彼奴らには何も言えなかったので…

つい言っちゃったんです…。」


「…そうなんだ。ちかいくんにとって

それだけ彼らは大切な存在なんだね!

ちかいくんが信頼してる人達なら大丈夫かな。」


「俺はもう話したので縁さんの番ですよ。

教えてください。」


「まぁ…そうだよね。そうなるよね…。

さっき自分で言ったわけだし…。

実はね…私が居るこの場所を現世の人に

言っちゃ駄目なのは、本当にこの場所が

あるのか確かめようとする人が増えちゃう

と思ったから。

そうゆう人が増えると天使と悪魔に仕事が

いって大変な思いをさせてしまう…。

それは神様という立ち位置いる私とっても

よくない話で…。

だからこそ知られたくなくて…。

でもその心配は要らなかったみたいだね。」


「…まぁ…そうですね。

縁さんって天使と悪魔よりも上の立ち位置

なんですね。」


「まぁね。言わば閻魔大王みたいな

立ち位置…かな?」



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