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あなたの願い叶えます  作者: 音無 彌生
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あかりの願い

_うぅ…入学式…憂鬱だなー…はぁ………。

この曲がり角の向こうにかっこよくて

ツンデレな男の子いたらいいのに…。_


「危なっ…お前ちゃんと前向いて歩けよな

じゃないと変な奴に絡まれるぞ」


「あ…す、すみませんでした!」


_え…ヤバい超かっこよかった…!

緊張してちょっとしか見てないけど!

また会えたりするかな?_








_凄いかっこいい…。_


_モデル?それともアイドルとかかな?

スタイルめっちゃいい…!_


_めっちゃっ好みなんだけど…ヤバい!!_


なんか知らない人の声が聞こえる…?

なんで?神様なんか言ってたっけ?


「多分さっきの子…だろうな。」


神様が言ってた女の子って。

取り敢えず、様子を伺いながら

近づいてみようかな~。











「じゃあ次」


「え、はい!

えっと…神藤 あかりです。

よろしくお願いします…!」


まばらな拍手。


_はぁ~…緊張した~…!

やっぱり注目されるの苦手だな~…。_




「すいません、遅れました。」


_え!!朝会ったかっこいい人だ…!

同い年だったんだ…。なんだろう運命…

感じちゃうな~…!_


「じゃあ自己紹介して。」


「はい。俺は月神 ちかいです。

まぁ…よろしくお願いします。」


「席はあの子の隣な。」


「はい。」


_うわぁ、かっこいい…!_


_神藤さん、いいなぁ~。_


_クールな所も素敵!_


_なんだよ女の子だったら良かったのに。_


_男かよ。_


_ど、どうしよう!めっちゃかっこいい…!

話しかけたほうがいいよね…?_


「あ…あの…月神くん!!」


「ん?神藤さん、さっきぶりだね

今日からよろしく。」


「う、うん!よろしくね!」


人の心の声が聞こえるの役に立つけど

考え物だな。

まぁこの子の好みの男を演じれば

結果は目に見えてるも同然!






カツカツと黒板に文字を書きながら喋る先生。

それを聞きながらノートに文字を写してゆく俺達

そこまで日は経ってないはずなのに懐かしく感じる

この光景に笑みが溢れる。


今まで当たり前みたいに思っていたんだな…。

改めて不思議な感じたな。










休み時間


妙な視線を感じる。


なにこれ…この子は生前の俺なのか?

そっくり過ぎないか?俺も休み時間中話しかけて

くれる様な子が居なかったんだが…。

親近感沸くんだけど…(笑)

でも、この際だから自分から話しかけてみるか。






「あのさ………俺と友達になってください!」














「ちかい君って意外にやんちゃしてたんだね!」


「え?なんですか、いきなり。」


「私ね、神様だからいろんな人の生活が

見れるんだよね~。」


「……え!!それって…俺がヤンキーとつるんでたのも

見えてる…って事ですか…?」


「うん!だから直接会ったときに聞いてみたかった

事があるんだけど…いいかな?」


神様からそう言われ落胆していた。

まさか…バレてるなんて思わなかった…。


「………はぁ…上手く隠せてると思ったのに…。

それで聞いてみたかった事ってなんで俺が

ヤンキーとつるんでたのかって事ですよね?」


神様はどこか申し訳なさそうに

でも気になる!

複雑な表情をしていたのがおかしくて

つい笑みが溢れる。


「それは…ですね。」


高校入学当初


その時にはもう劇団入りしていて

役をもらって浮かれていた。

その時はクールで知的な役をどう上手く演じられるか

日々試行錯誤していた。

そして、気づけば俺は孤立していた…。



「劇は上手くいったけど…もうちょっと工夫が…。」


「おい!お前ぶつかっておいてなにもねぇのか?」


「それは気づかなかった。

すみませんでした。」


「おいおい、それだけってわけないよなぁ?

ちゃんとけじめつけてもらうぜ。」


「あの…俺今このくらいしか持ってないんですけど…。」


財布から取り出したのは20万。

それを見たヤンキー達は驚愕していた。


「ちょっ…そんなに…

普段から持ち歩いてるんですか…?」


「いや…さすがに持ちすぎじゃないですか?」


「そんなに持ち歩いてると危ないですよ…?

俺が言うのもなんですが…。」


「え?普通だと思ってたんだけど…なんかごめん。

もう少し減らすよ、忠告ありがとう。」


「いえいえ…そんなのはいいんですけど。」


なんだか言いたそうな、気まずそうなそんな雰囲気で

目配せをする三人。


「その…もしよかったら仲間にならねぇか?」


その問いかけは初めてでその時の俺の顔は

すごく気持ち悪かったと思う。













「あはっはっはは…ちかい君って

本当に高校生なの?」


笑いながら俺を見る神様。


いやいや、俺だって高校生でしたよ?

ただちょっと他とは金銭感覚がずれてるだけで…

それ以外は何も変わらない高校生でしたよ~。


「ちょっと神様笑わないで下さいよ、

あの時はたまたまお金下ろしたからであって

普段はもうちょっと少ないんですからね。」


「え?そうなの?じゃあ普段はいくら持ってたの?」


「……10万…ですけど…?」


「え?うふっ…ふふ…あんまり変わらないじゃない?」


神様が楽しそうに笑っているだけで、他の事なんて

どうでもよく感じた。















「……くん!」


「………神くん!」


「…月神くん!起きてー!」


「え!なに!?」


勢いよく机から立ったもんだから

神藤さんは目を丸くしていた。


「………うふっふふ!月神くんって面白いね!」


笑っている神藤さんが神様と似ている気がした。


「あれ?他のみんなは?」


「…ごめんね月神くん!もう放課後なの…。

月神くんが気持ち良さそうに

寝てたから起こせなくて…。」


「…そっかじゃあ俺達も帰ろ?」


「うん!」






__うん!なんて言ってしまったけど…

緊張して顔が見れない…。__


うーん…俺も女子と一緒に帰ることなんて

あったかな~…。

あったとしてもただ相づちしてただけだった…

かもしれないなぁ。


「神藤さんの好きなものってなにかな?」


「わ、私の好きなもの…はね~。」


__どうしよう…正直に言って引かれたり…

しないかな…?

だって…少女漫画が大好きなんて言えないよ~!__


「じゃあ、もし願いが叶うならなに願う?」


「え?……それってどう言うこと?」


「んー、興味本意だよ?」


さぁなんて言うのかな~?まぁ予想はできてるけど。


ちらっと神藤さんの方を見ると顔を真っ赤にして

言おうか迷っている様子。


どうしようかな~、意地悪しちゃおうかな~?


「俺の願いはね~、可愛い彼女をつくる事なんだ

神藤さんは?」


「わ、私は…しょっ…少女漫画みたいな

恋がしたいの…!」


「うん!俺が叶えてあげる!」


だってそれが神様の願いだもんね。

必ず叶えるよ。

















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