第六話 ニイタカヤマノボレ
サブタイトルの通り、いよいよ開戦です。こういうのを書くのは初めて(小説をまともに書くこと自体稀ですが)なので、寛容な気持ちで読んでいただけるとありがたいです
──ハワイ諸島真珠湾──
パールハーバーの朝はなんとも穏やかなものだった。本国では日本大使館がホワイトハウスに宣戦布告書を叩き付けて大騒ぎのようだが、そんなことも忘れてしまいそうになるほど穏やかだった。
戦艦アリゾナのウィングに立ちパイプをふかしていたスコット中将は徐々に明るくなっていく空を眺めながら、故郷に残してきた家族のことを考えていた。
「今日は子供の誕生日だってのになぁ…」
米国政府はハワイ諸島に戦力を集中し、太平洋という広大な戦域の拠点にしようと考えていたのである。
元々中将はサンフランシスコに配備されていた第五艦隊の司令官だったが、その第五艦隊がパールハーバー軍港に移動することになり彼も移ってきたのである。
深いため息をつき、艦橋に戻ろうと歩き出したその時であった。
ヴゥゥゥン…
「…?」
航空機の音がどこからともなく響いてきたのである。
「空軍はこんな時間から演習をしているのか…?」
そしてその音が徐々に近づいてきたと思った次の瞬間。
ドゴオオオンッ
無数に並ぶ倉庫の一つが大きな火柱を上げた。
「な、なんだ!?」
爆発音は連続して続き、次々と黒煙が上がっていく。ふと空を見上げると、そこには見慣れない機体が上空を疾駆していた。
深い緑色の塗装に、赤一色の大きな丸。それを見るやいなや、誰かが叫んだ。
「ミートボール…!ジャップだ!!」
「ジャップだと!?」
そこに飛んでいた機体は、日本の機動部隊から発艦した攻撃隊だったのである。
「くそっ、何故接近に気付かなかった!監視所は何をしている!?」
「閣下、いかがいたしましょう…!?」
「馬鹿か!?さっさと機銃で応戦せんか!!」
兵士達が慌てて銃座に着き、遅まきながら対空射撃を開始する。
「ホイラー空軍基地は何をしている!?迎撃機はまだか!!」
「か、閣下!空軍基地が敵爆撃機隊に猛攻を受けておるようです!」
「なんだと!?」
時を遡ること数分前。
『第一波攻撃隊、全機突撃ッ』
『諒解!!』
レーダーに捕捉されないよう超低空にてオアフ島に接近した第一次攻撃隊は目標地点に到達すると同時に上昇。目標への攻撃を開始したのである。
艦爆、艦攻隊は飛行場の格納庫や滑走路及び重要施設を攻撃。瞬く間に基地としての機能を奪っていった。
戦闘機隊は慌てて離陸しようと動き出していた米迎撃機を攻撃。米迎撃機は飛び立つ前に7.7mm光学機銃の攻撃を浴びせられその場で大破。滑走路の至る所に残骸を転がした。
『爆弾倉開けッ』
『投下開始!!』
更に、その直後滑走路に投下されたのは新開発の散式多弾頭爆弾。通称“五月雨弾”である。
仕組みは親爆弾の中に無数の子爆弾が仕組まれているという簡単なものだが、その子爆弾一つ一つが脅威的な威力を持っており、滑走路の表面を抉るには十分過ぎる程であった。
こうしてハワイ諸島の各米軍基地は同時に大規模な攻撃を受け、制空権は完全に奪われたのである。
米守備隊は制空権を取られながらも果敢に反撃したが、結果はすでに見えていた。
この時パールハーバー及び各空軍基地を襲ったのは、艦上戦闘機『零』、艦上爆撃機『恒星』、艦上攻撃機『天星』、の編隊であった。
零は小柄な機体でありながらも抜群の運動性能とその速度を誇り、また機首部分に配置された7.7mm機銃は小さいながらも十分な攻撃力を持っていた。
恒星と天星はレシプロ機であったが、新開発の二重反転式プロペラと大出力の松型発動機は未だ開発段階である噴式並の速度を実現し、加えてその馬力によって五月雨弾等の総重量1tを越える大型爆弾や、航空魚雷数本の搭載を可能にした。
この時、既に日本軍の艦載機は米軍のそれを凌駕する性能を持っていたのである。
ここからジャンジャンとんでも兵器出していきます。ネーミングはあまり期待しないでください…(笑)




