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いつまでそうしていただろうか。視界が徐々に開けていく中で、自分が今まで光の中で眠ってしまっていたことに気がついた。
あれ…俺、眠ってたのか…
ぼーっとする頭で考えるが、何も思考できない。体を動かそうとするも、自分の手足の感覚さえつかめなかった。
どこかおぼろげで、夢のはざまを揺蕩っているようだった。
俺はどうしてこんなところに…
うつろな目をさまよわせると、あたりには鬱蒼と木が生い茂り、その下には陽光に照らされた雑草が地面一帯を覆っていた。ごつりとした木の切り株のようなものに俺は背を預けており、その縁が背中に当たっているのが分かった。
枝葉の合間から太陽の温かい光が降り注ぎ、身体に熱が伝わってくるのを徐々に感じた。まるで腹の中にいる赤ちゃんにでも戻ってしまったかのような、穏やかで、何のストレスもない、心安らぐ空間でその心地よさをずっと味わっていたい、そう思えるほどに俺は、その頬肉が上に持ってかれる瞬間を、何度も、何度も、味わって……ん?
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…何かが俺の顔を舐めている。…そう気づくのに、時間はかからなかった。
俺はずっとこうしていたいという思いとでもどこか気になるという思いのはざまでひと悶着起こしていたが、やはり気になるを切り捨てることはできず、もう一つの感情に別れを告げると、意を決して体に力を入れ、現実に舞い戻った。
目を開けると、そこには俺の顔をすする西洋人形のような幼い顔をした獣耳? をつけた金髪が俺の体に覆いかぶさり、巫女のような恰好をした狐? のような尻尾を従えた少しぶかぶかなのか胸元の開いた部分が下への重力でとある双ぼうが俺の目の前に飛び込んできて、
ゴンッッッッッ!!!!!!
「あびゃ」
と、驚きのあまり俺が盛大に頭を起こしたものだから、額が相手の顔にもろにぶつかり、そいつは、あびゃ、という悲鳴ともつかない声を上げながら後ろに倒れた。
もちろん俺も無傷では済まない。
脳を鐘をつく棒で思い切り叩かれた感覚を味わいながら、頭を両手で強く握った。
「いってーー」
そう俺は言って、俺も元の切り株の方へ倒れた。縁が背中に刺さる。
「ぐはっ」
二重苦である。
「なにをするのじゃあぁああぁ!」
狐のような人間のそいつは頭を痛そうに抑えながら涙目で訴えかけるように大声を張り上げた。
「知らねーよ!」
俺も勢いのあまり他人事のように言い返した。
「そもそも、なんで俺顔なめられてるんだ!」
自分に問いかけつつ、相手の声量に対抗して、木々に叫んだ。
なにか答えが返ってくるかと木々を見つめるが、答えは返ってこなかった。
狐が代わりに喋ってくれるかとそれに目を向けるも、そいつはいててと言いながらまだ頭をさすっていた。
俺は顔をさすってみるが、特につばでべちょべちょということはなく、つまるところ何事もなかった。
というかこいつは何者なんだ? 狐? 獣耳? まさかのじゃ〇じ? いや、声は女だしそんなわけないよな…だが似てる…
顔は幼いが、背は高校生の俺と大して変わらない。耳と尻尾も時折ぴょこぴょこ動くため、偽物ではなさそうだ。
と、俺がケモミミ娘を見ながら考えていると、それに気づいたケモミミ娘は急に立ち上がり、人差し指を俺に突き立てると、こう言ってきた。
「おにょれぇええぇ、わしがせっかく気持ちよくペロペロしていたのに、なんというらんぼうものなのじゃ!」
「そ、そんなこと言われても…」
突然で混乱してたし、あれは事故っていうか、ふいうちっていうか…
よし、見なかったことにしよう…
「ご、ごめん、つい驚いちゃって」
驚いたのは本当だしな。
「むむううぅうぅうぅぅぅぅ…」
俺のことを恨むように睨みつけられる。そして次の瞬間には、足をずんずん踏みならしながら勢いよく近づいてきた。
俺の目の前で止まる。ケモミミが俺の目の前に迫った。金糸のような毛の一本一本が陽光に照らされて光り輝いている。
すげーリアル…
俺は驚きつつも背をそらし近すぎる距離にドグドグしていると、
「だったらお詫びとして、もっとペロペロさせるのじゃ!」
と、わけのわからないトンデモ発表をしてくさりやがった!
「なに!? なんだって!?」
「だから、悪いと思うなら、ペロペロさせるのじゃ! それで今のはノーカンにしてやるのじゃ!」
「な、なんだってー!」
ペロペロでノーカン!? わけがわからん…
さて、そろそろ帰るか…
って、俺、帰る場所どこー?
「それですべてなかったことにしてやるのじゃ…」
だんだんと体に負荷がかかり、ケモミミ娘の顔が間近に迫る。
そんな…そんな…
そんな天国、ありますか?
「観念するのじゃー!」
「ありがとうございまああぁあぁああぁあぁあ」←変態
俺は日が暮れるまで名前もよくわからないケモミミ娘にあんなところやこんなところをprprされるのだった…