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第6話

「ん……むにゃ……」


昨日、いろいろとあった私は、ベッドの中で惰眠をむさぼっていた。

もともと、今日は休養日にあてようと思っていたので、それは全く問題なしだった。


「すー……ん……むにゃ……むにゃ……」


ゴロンと寝返りを打ってベッドの中で丸くなる私。猫は暖かい場所で丸くなるものなので、何も不思議なところはない。ないったらないのである。

そんな惰眠をむさぼっている私に近づく黒い影。それは容赦なく私のかぶっている羽根布団を引きはがした。


「にゃ!にゃにするにゃ!!」

「あら、ずいぶんかわいい声も出せるんじゃない。トーカちゃんっ」


布団をはぎ取り、私の安眠を妨害した張本人に抗議の声を上げると、そこには笑顔を浮かべたミリィがいた。


「おはよ、トーカ」

「ミリィ、おはよ」


薄桃色の下着姿のままの私がベッドの上に座り直しあくびを一つすると、ミリィは手に持った箒と塵取り、バケツを見せた。


「ほら、もう朝九の鐘は鳴ったよ?部屋の掃除をするから出て……はいけないか。早く支度をしちゃって。さすがに下着姿ではまずいでしょ?」

「ん……。部屋の掃除はミリィがするんだ……」

「その日によってお母さんか私かな。女の子の部屋にお父さんが入るわけにもいかないからねー。って、ほら寝ない!」


ベッドの上で再びうつらうつらしはじめている私を見て、ミリィが両手を腰に当てて困ったように言った。


「もぉしょうがないなぁ……。私も手伝ったげるから、椅子に座って」


そう言うと、ミリィは私を強制的に椅子に座らせ、テーブルの上に置いてあった白い手鏡を私に持たせると、テーブルに置いてあった櫛を手に取って、私の髪を梳かし始めた。


「トーカってきれいな髪してるよね。うらやましいなぁ。何か特別なことをしているの?」

「何も」

「何もしないでこれ?ほんとにうらやましい」

髪を梳かしながらミリィがそういうと、私は眠そうに答えた。

「さーて、今日はどんな髪型がいいかな。いつもポニーテールじゃつまらないから、何か別の髪形にする?」

「ミリィにお任せ」

「はいはい。じゃあ、髪をまとめるね。実をいうとさ、私こういうことしてみたかったんだよね。ほら、私って兄弟がいないでしょ?一度妹にこういうことしてみたかったんだぁ」


嬉しそうなミリィに私は何も言えず、私はただされるがままになっていた。

しばらくして、ミリィが私の髪を両サイドでツインテールにしてまとめ終わると、エプロンのポケットから取り出した桃色のリボンでそれを縛った。


「できたよ?どう、こういう髪形もかわいいでしょ?」


にこにこと笑顔を浮かべて、嬉しそうにミリィが言うと、私は髪形を確認しながら答えた。


「うん、いい」

「そう?ありがと。あ、そのリボンはあげるね。じゃあ、私は先に他の部屋を掃除してくるから、その間にしたくしちゃってね。あ、そうだ。朝ご飯はもう時間が過ぎちゃったから、どこかで食べてねってお父さんが言ってたよ」


そう言いながら、ミリィは掃除用具を手に持って、私の部屋から出ていった。

彼女の後ろ姿を見ながら、私は一つ伸びをすると部屋を出る準備を始めた。


歯磨きと洗顔、着替えを済ませると私は部屋を出ていった。

今日の私の服装は、先日購入した赤のディアンドルに白のニーソックス、茶色の革のショートブーツである。これなら、この街では目立たないし観光にはもってこいである。

広場の露店で購入したサンドイッチとジュースを、広場のベンチに座りながら食べつつ、私は今日の予定を立て始めた。


(とりあえず、この街の散策と寝間着の購入、あとは水筒も用意しておいた方がいいかな。昨夜は下着姿で寝ちゃったし、今日みたいにミリィやマリィさんが部屋に入ってくることを考えると、あのベビードールは使えないし。昨日みたいに一日中森でいることを考えると、さすがにポーションを飲み物代わりにすることは避けないと。もともと数に限りはあるし、なくなったら作ればいいとしても、アイテムボックスの中に生産キットが入っているがどうか確認しなくちゃいけないし。あー、飛空艇が使えたらなー)


私は、ホラアクでの主な移動手段であった飛空艇の事を思い出した。

ホラアクでは、ある程度ゲームが進むとNPCから飛空艇の生産にかかわるクエストが受けられ、それらを全部終わらせると、報酬として飛空艇がもらえるのである。それを使って、街と街、大陸と大陸の移動を行ったり、中にある設備を自由にカスタマイズしていろいろな冒険に役立つ物を置けるようになっているのである。

飛空艇の中に備え付けの生産拠点を置いていたことを思い返し、あとでこの世界でも使えるのかどうか確認しなくてはと思った。飛空艇は個人倉庫も兼ねており、私はその中に、今まで入手した各種素材や各種アバター装備も入れておいたのである。また、飛空艇はホームクリエイションの要素もあり、私は飛空艇の中の広い自室に、ベッドやタンス、鏡台、机といす、果てにはトイレと洗面台、お風呂まで設置していたことを思い出した。

サンドイッチを食べ終わり、ジュースを飲み干すと、私は食器を購入した露店に返して広場を後にした。まずはなるべく行きたくはないのだが、リオルイ服飾店で寝間着を購入することにした。


異世界転生二日目に訪れた魔窟、リオルイ服飾店。

私は意を決してその扉を開けて中に入った。中は前に訪れた時と同じく、多くの女性客でにぎわっていた。なるべく気配を察知されないようにこそこそと店内を見回っていると、寝間着の置いてある棚を見つけた。

私は、しばらく棚から商品をとっかえひっかえしながら自分の体に当てて、サイズを確認していく。

悩みながら私が選んだのは、やや大きめな薄手の前開きシャツ。襟と袖、裾にレースがあしらわれていて、清楚な雰囲気にあふれたデザインである。

寝る時に選ぶ服は、なるべく動きを制限しないでゆったりとしたものが好みの私は、前世では、春と秋は作務衣やジャージの上下、夏はハーフパンツに半袖シャツか甚平、冬はトレーナーとジャージのズボンを愛用していた。まだ初夏といってもいい陽気の気候の今頃にはこれが合うだろう。そう思い、私は同じデザインの物を二着手に取り、会計を済ませるためカウンターへ歩いて行った。


会計を済ませ、一度宿に戻り荷物を置いて再び広場に戻ってくると、私は少し早めの昼食をとることにした。

広場には多くの露店が立ち並び、いい匂いがあたりに漂っている。

朝食べたサンドイッチとフレッシュジュースといった軽食から、冒険者向けの肉汁滴るぶ厚い肉のステーキと炒めた野菜をパンで挟んだものや、串焼きといった手軽に食べられるものがほとんどだった。

私は、ワイルドボアの串焼きを三本と野菜ジュースを購入すると、朝と同じように広場のベンチに座って食べ始めた。ワイルドボアの串焼きは一本三十フラウ、野菜ジュースは一杯十五フラウであった。串焼きがやや高めなのは、ワイルドボアの肉は高級品でめったに仕入れることができないからだとのこと。同じ肉でもワイルドボアよりオークの肉の方が高級で、もし串焼きにして露店で出すとしたら一本八十フラウにはなりそうだと露店のおじさんは話していた。

一口食べると、口の中にやや甘みを感じられる濃厚な肉汁が口の中いっぱいに広がる。肉は柔らかく、これが昨日私が狩ってきたものと同じワイルドボアの肉とは思えないほどに非常に美味であった。肉の味が濃厚のため、塩と胡椒、数種のハーブを肉に擦り込んで焼くだけでも立派な料理として成立している。手にしていた串焼きをあっという間に食べきると、口の中の油を野菜ジュースで流し込んだ。

口の中に広がるさっぱりとした余韻に、思わず口元が緩む。そんな私の感情を表すかのように、耳がぴこぴこ動き、しっぽがゆらゆら揺れる。どうやら、獣人の耳としっぽは、感覚器としての役割だけではなく、感情を表す部位としても機能しているようであった。これではなるべく感情を表さないようにしていても無理かなと思いつつ、私は残りの串焼きに手を伸ばした。


あっという間に串焼き三本と野菜ジュースを平らげた私は、木の串とコップを露店に返して広場にベンチに座り食休みをしていた。

この体は年齢かつ性別相応のようで、そんなにあまり多く食べなくてもすぐに満腹になってしまうようだった。まあ、燃費がいいのはいいことだと思いつつ、私はうららかな日差しに目を細めた。

日向ぼっこが好きなのも猫の習性なので、私はしばらくこうしていることにした。日差しの温もりに、しっぽがゆらゆら揺れる。

欠伸をしながら三十分ほどそうしていると、食後の気だるさも消えた私は、道具屋で水筒を買うことにした。夕方前には冒険者ギルドに行き、昨日解体を依頼したものの代金を受け取ってこなければならないので、あまり時間もないなと思いつつ、私はゆっくりと立ち上がって伸びをした。


(確か、道具屋は西通りにあるってマリィさん言ってたな。覗きながら行こうかな)


私は、そう思いつつ西通りの方へと歩いて行った。

西通りにある店はマリィさんの言っていた通り、道具屋や薬や、それらの材料を扱う店が立ち並んでいた。魔導具を扱う店もあり興味をひかれたが、私は火・水・風・土の四属性の忍術を扱えるうえ、アイテムボックスもあるため、今すぐ必要となるようなものでもなかったため、中を覗くのはまたの機会にした。

ちなみに、忍術とはホラアクの二次職ニンジャとその上位職である三次職ニンジャマスターのみが使える戦闘用アクティブスキルで、自身のMPを消費して魔法攻撃力に依存した属性攻撃を行うスキルである。

それぞれ、同じゲーム内の遠距離魔法火力一次職である魔術師のスキル、ファイアボール、ウォーターボール、ウィンドカッター、ストーンボールに相当するスキルなのだが、ニンジャ系統のジョブは近接火力職ということもあり、武器や防具に魔法攻撃力が設定されていないため、MOBの部位破壊をするためだけに使うという扱いであった。

しかし、転生した今となっては、それもサバイバル生活には欠かせないものとなっていた。少なくとも、火種と飲み水の心配はないだけでも用意する道具は随分と減らせるのだから。

私は、窓から中を覗きつつ水筒を扱っている店を探していると、一軒の店が目に留まった。

ここが良さそうだ。そう思った私は店の中に入っていった。


「いらっしゃいませ!猫目屋にようこそ!今日はどんなご用事ですか?」

「遠出用の水筒を探してる。なるべく丈夫なものがいい。本数は五本」

「わかりました!それでは用意いたしますので、少々お待ちください」


年の頃十歳くらいの、三角巾をかぶって紺色のディアンドルを着た、店番をしている女の子にそう告げると、彼女は店の奥へ入っていった。

それを見届けた私は、店の棚に陳列されているものに目をやった。

そこには、ヒールポーションやマナポーション、毒や麻痺などの状態回復用のポーションが並んでいた。どうやら、品質によって一本当たりの価格が異なるようだった。最下級ヒールポーションと書いてあるもので一本が二十フラウ、上級ヒールポーションと書いてあるものに至っては三千フラウと書いてあった。マナポーションはヒールポーションの三割増し、状態回復用ポーションはヒールポーションの二割増しの値段であるようだった。


「お客さん、ポーションもご用意いたしますか?」


私が手に取ってみていると、いつの間に戻ってきていたのか先ほどの少女が声をかけてきた。


「ん。少し気になった」

「うちはおばあちゃんが薬師なので、他のお店よりも安く提供しているんですよ。他のお店だとだいたいこの価格の三割から五割増しになりますね」

「最下級ヒールポーションで二十五フラウから三十フラウになる。最下級マナポーションだと三十五フラウから四十フラウといったところ。意外と高い」

「なので、このお店は初心者の冒険者の方や町の人にしかポーションを販売していないんです。ポーションを販売するのはおばあちゃんの仕事なのですが、昨日から腰を痛めてしまっていて…」

「そうなの。じゃあ今日はあきらめる」

「申し訳ありません……。あ、これ水筒五本です。全部ワイルドボアの革製で丈夫ですよ。ワイルドボアの革はハードレザーアーマーの素材ですので、丈夫さは保証します!ただ、他の水筒より高くなってしまうのですが……」

「構わない。これでもお金は持ってる」

「そうなんですか!私よりも年下なのにすごいなぁ……」


少女がそう言うと、私はジト目になって口を開いた。


「これでも十三歳。昨日銀級になったばかりの冒険者」

「え!?そうなんですか?全然見えない…こんなに可愛い子が十三歳で、しかも銀級の冒険者だなんて……」

「人は見かけで判断しない方が無難。甘く見ると痛い目を見る」

「そうですね。うん、わかりました。私、猫目屋の娘でフェリアって言います。年は十歳になったばかりです」

「私はトーカ。十三歳。よろしく」

「そうだ……。冒険者なら私の依頼を受けていただけませんか?実は、おばあちゃんの腰の薬を作るための材料が切れてしまっていて、それを採ってきていただきたいんです」

「それなら、もっと早い手段がある。私ならできるかもしれない」

「え?ということは、クレリックかプリーストなんですか?」

「ではないけど、回復術は使える。私の里では簡単な怪我や病気はこれで治療していた」

私がそういうと、フェリアは勢いよく頭を下げた。

「お願いします!このままではポーションが販売できなくて、皆さんにご迷惑がかかってしまいます!この水筒のお代はいりませんから、お願いします!」

「水筒のお代はちゃんと払う。みんなが困っているのを助けるのも、冒険者の務め」


そう言うと、フェリアは私の両手を握って嬉しそうに言った。彼女の人懐っこそうな笑顔はまるでかわいい小動物のよう。そんなフェリアに気おされつつも、私はゆっくりと首を縦に振った。


「お願いします!トーカさん!」

「ん。案内して」

「はい。こちらです!」


私は、フェリアの後に続いて店の奥へ入って行く。店の奥は、普通の民家のようだった。きれいに掃除されて磨かれた床と、ほんのりと鼻をくすぐる薬草の匂い。それはまるで、この家と店の主人の性格を表しているようだった。


「おばあちゃん!腰を直してくれる人が来たよ!」


部屋の扉を開けたフェリアの後について部屋の中に入ると、部屋の中にあるベッドには白髪の年配の女性がつらそうに横になっていた。


「フェリア…その人はどなただい?」

「銀級冒険者のトーカさんだよ!腰を治してくれるって!」

「そうかい……。でもねぇ……、回復魔法の使える人にお支払いできる物は……」

すまなそうに老婆が言うと、私は首を横に振って言った。

「別にお代はいらない。私の里ではおじじ様やおばば様は、敬うものだと教えられた。だから当然のことをしているだけ」

「え?でもそれじゃあ……」

「別に気にしなくていい。それに、あなたがいないとみんなが困る」


私が言うと、老婆はすまなそうな表情でため息をついた。


「では、お願いするとしようかねぇ」

「ん。じゃあ仰向けに寝て」


私が言うと、つらそうな表情で老婆がベッドの上で仰向けに寝る。

私はブーツを脱いで、老婆の腰にまたがると両手を老婆の腰に当てた。そして、呼吸をゆっくりと整えると、意識を集中した。

周囲の魔力を取り込んで、それを私の体の中で生命エネルギーへと変換する。しっかりと練った純粋な生命エネルギーを、今度は老婆の腰に当てた私の両手から老婆へと移し替えていく。ゲームの中では、自己回復手段として使っていたが、この世界に来て、それも他者にするのは初めてだったが、体はそのやり方を完全に知っていた。私がなるべくゆっくりと、自然に流れるままに流し込んでいくと、老婆が気持ちよさそうな声で言った。


「こりゃあ気持ちいいねぇ……。腰がポカポカしてきたよ」

「ん。もう少しで終わる」


しばらく老婆に生命エネルギーを流し込んでいくと、私はゆっくりとベッドから降りてブーツを履いた。


「これで終わった。腰の痛みはどう?」


私がそう言うと、老婆はゆっくりとベッドから起き上がって、そばに置いてあった靴を履いてすっくと立った。


「おばあちゃん!?腰の痛みはもういいの?」

「ああ……もうすっかり良くなったよ。すごく気持ちよかったねぇ。まるでお日様の暖かさを直接腰に当ててた様だったよ。ところでお嬢ちゃん、これはどこで覚えたんだい?私の知っている回復魔法とは全く違っていたようだけど……」

「これは回復魔法じゃなくて回復術。集気法という。周囲の魔力を取り込んで、自分の体の中で純粋な生命エネルギーに変えて、それを使って様々な怪我や病気を治す。軽い怪我ならこれで十分。私もよくおばば様にやってた」

「そうなのかい。お嬢ちゃんは見たところこのあたりの人じゃないね?もしかしたら海を越えた向こうの大陸からやってきたのかい?あの辺りには魔法に似た、魔法とは違うスキルを使う人たちがいるというのを昔聞いたことがあるよ」

「ん。里の掟で成人になった子供は、家を継がなければ一度里を出て、しばらく外の世界で一人で生活しなくてはいけない。私もそれでここまでやって来た」

「そうなのかい……。フェリアと同じような年頃なのに、ずいぶんと苦労したようだねぇ。えらいねぇ。お嬢ちゃん」


私がそう言うと、目元を緩ませて老婆はくしゃくしゃと私の頭を撫でた。


「トーカさん、ありがとうございます!これでまたポーションの販売ができます!」

「そうだねぇ。今まで街のみんなに苦労をかけた分頑張らなくちゃねぇ」

「無理しすぎは良くない。腰の痛みは繰り返す」

「その時は、またお嬢ちゃんに頼もうかねぇ。あれは気持ちよかったよ。フェリア、お嬢ちゃんの名前は聞いたんだね?」

「うん!おばあちゃん、この人は銀級冒険者のトーカさん。ワイルドボアの水筒を買いに来たんだけど、事情を話したら治してくれるって言ってたから頼んだの」

「そうかい。トーカちゃん、孫が無理を言ってすまなかったねぇ。私はアイナっていうんだよ。今後ともよろしくねぇ」

「うん。アイナさん、よろしく」

「それでだねぇ。全くお礼をしないっていうのもなんだし、この水筒はトーカちゃんにあげるよ。その代わりといっては何だがねぇ、また腰を痛めたらあれを頼めるかい?もちろん、お礼はするよ」

「水筒のお金は払うってフェリアに言った。アイナさんがいないと街の人達が困る。困った人を助けるのも冒険者の務め。気にしなくていい」

「じゃあ、その冒険者さんに依頼してたってことでいいかねぇ。トーカちゃん、それでいい?」

「ん……。じゃあお言葉に甘える」


穏やかな笑みを浮かべてそう提案するアイナさん。

さすがにアイナさんの親切心をむげに断ることもできずに、私はそう答えた。


「そうかいそうかい。じゃあ、この水筒は受け取ってちょうだい」

「ん。ありがと、アイナさん」

「そういってくれると私もうれしいねぇ。そうそう、私の店でも採集依頼を出すことがあるからその時はお願いするよ」

「わかった。見かけたら依頼は受ける」

「その時はよろしく頼むよ。トーカちゃんみたいな冒険者さんだったら、私も安心して依頼を出せるからねぇ」

「じゃあ、私はもう失礼する。この後冒険者ギルドに用事がある」

「そうかい。フェリア、トーカちゃんを送っていってあげな」

「うん!トーカさん、今日はありがとうございました」

「ん。何かあったら私もこのお店に来ると思う。その時はよろしく」

「もちろんです!トーカさんなら大歓迎です。ねえ、おばあちゃん」

「そうだねぇ。私にももう一人孫ができたようだよ。よかったら、このばばにも会いに来てくれると嬉しいねぇ」

「わかった」

「ではトーカさん、私が冒険者ギルドまで一緒に行きます!おばあちゃん、いいでしょ?」

「そうだねぇ。店番は私がやっているから行ってくるといいよ。ついでに、ルピ草とマナ草の引き取りもしてきてくれるとありがたいねぇ」

「わかった~。いってくるね、おばあちゃん。トーカさん、いこ!」

「ん。アイナさん、お大事にして」

「トーカちゃんもありがとうね」


フェリアに手を引っ張られながら部屋を出ると、そのまま猫目屋の外までやって来た。

両手で水筒の入った布袋を抱えた私は、嬉しそうな表情のフェリアと一緒に歩く。

アイナさんの話や、フェリアの将来の夢などを聞きながら歩いていると、いつのまにか冒険者ギルドの前まで来ていた。


「トーカさん、私は、おばあちゃんに頼まれたことをしなくちゃいけないから、ここで!」

「ん。フェリアも頑張れ」

「トーカさんもね!じゃあねっ!」


そう言うと、元気いっぱいに冒険者ギルドの中にフェリアは入っていった。私はそれを見送ると、両手に抱えた布袋を抱えなおして、中に入っていった。

冒険者ギルドの中に入ると、私はその足で買い取りカウンターへ向かう。時間帯によっては冒険者で賑わう買取カウンターではあるが、まだ夕方前のためか、そこは閑散としており、並ぶことなくカウンターまでたどり着いた。


「昨日買い取りを依頼したんだけど、終わってる?」


私が冒険者カードをカウンターの上に置きながら言うと、それを確認した受付のお姉さんはうなずきながら答えた。


「はい。終わっておりますよ。昨日トーカさんが持ち込まれた素材の査定額が出ております。こちらをご確認願えますか?」


そう言いながら、お姉さんは1枚の書類をカウンターの上に置いた。私がそれをじっと見ていると、お姉さんは後を続けた。


「ゴブリンの革が三百枚、品質は良好でしたので一枚当たり六十フラウ、合わせて一万八千フラウとなります。魔石の品質は良好で、一個当たり三百フラウ、合わせて九万フラウとなります。ホーンラビッツの毛皮と角、肉の品質は良好でしたので、毛皮が三十枚で一枚当たり二百五十フラウですので合計七千五百フラウ、角が一本当たり十フラウですので合計三百フラウ、肉が一匹当たり二百フラウですので合計六千フラウになります。ココの肉は全部で二十羽で品質は良好でした。一羽当たり八十フラウになりますので、全部で千六百フラウとなります。ワイルドボアは毛皮と肉が取引の対象となります。非常に大物で状態もよろしかったので、最高級の査定が出ております。毛皮が三枚で、一枚あたり三万フラウですので、合わせて九万フラウになります。肉は1頭あたり一万フラウですので合計三万フラウになります。ここから解体手数料三万フラウを抜いたものが査定額として提示されております。解体手数料が高いのは、トーカ様が持ち込まれた数が多かったためですので、ご理解いただければと…」

「それは仕方ない。私も調子に乗りすぎたから、反省してる」

「ですが、解体担当の者からは、これまでこのように品質の高い物を見たことはないという話が上がってきております。特にワイルドボアに関しましては、ぜひ買い取りたいという声も上がっておりますよ」

「そう言ってくれると嬉しい」

「それでは、何か引き取りたいというお品物はございませんか?」

「ん。じゃあワイルドボアの毛皮と肉を一頭分ほしい」

「わかりました。では、ワイルドボアの毛皮と肉を一頭分差し引きまして、全部で十六万八千四百フラウになりますがよろしいですか?」

「問題ない」

「では、こちらの書類にサインをいただけますか?ただいまお品物とお金をご用意いたします」

「ん」


私がカウンターの上の書類に、備え付けられていたペンでサインをしていると、奥から解体されたワイルドボアの毛皮丸一頭分と、五十個の大きな塊に切り分けられた肉の塊を台車に乗せてお姉さんが戻ってきた。それをカウンターの上に乗せると、お姉さんは残念そうな表情で口を開いた。


「是非ともワイルドボアの毛皮と肉はすべて買い取りたかったのですが、こちら、お受取りください」

「ん。お姉さん残念そう。どうして?」

「私どもの方で買い取りました素材は、すべて市場に出荷しまして、その収益が冒険者ギルドの収入となっております。そのほかの事業の収入もございますが、やはりこちらでの収入額が大きいのでございます。このような最高品質のワイルドボアの毛皮ですと、一流の職人の手によって高品質なハードレザーアーマーや道具、冬物の衣服や敷物に加工されますし、肉も最高級品として引く手数多でございますので……」

「なるほど。でも、今回は許してほしい。毛皮と肉は先約がいるから」


アイテムボックスの中にそれらを収納しながら言うと、お姉さんは納得したようにうなずいた。そして、カウンターの上に、買い取り金額の入っているのであろう革袋を置いた。


「こちら、買い取り金額となっております。ご確認をお願いいたします」

「ん」


私は袋の中で、じゃらじゃらと中に入っているお金を確認した。中には、十六万八千四百フラウがきちんと入っていた。私はそれをしっかりとアイテムボックスの中に入れると、お姉さんの方に向き直った。


「これで、買い取りは終了となります。またのご利用をお待ちしております」

「ん」


私はカウンターに置いたままだった冒険者ギルドカードを首に下げて、それを懐に入れると冒険者ギルドを後にしようとしたが、一人の剣士と思われる男にそれを遮られた。

私は昨日に引き続いてまたかと思い、殺気を込めて冷ややかな視線で男をにらみつけた。


「おいガキ、ずいぶん儲かったようじゃねえか。その年でコンテナを無詠唱とはな。いいか、俺様達のパーティーに入れてやる。だからありがたく思えよ」


私に向かって尊大な口調で言い放った男を、周りにいた冒険者たちが慌てて取り押さえた。


「おいバカやめろ!この娘を見た目で判断するな!」

「お前、アルトンたちと同じような目にあいたいのか!」

「”氷の戦姫”に手を出すんじゃねぇ!アルトンみたいに潰されるぞ!」

それを見た私は茫然となった。あれだけ昨日まで私に向けられていた視線が、全く別のものになっていた。畏怖を含んだ視線。こいつには手を出してはいけないという本能的な恐怖を含んだ視線が私を見ていた。中には、別の視線も含まれていたが……。

「昨日の件は、もうプラナス支部に所属しているすべての冒険者に伝わっておりますので……」


すまなさそうにお姉さんが言うと、私は冷ややかな視線で男をにらみつけるとそのまま冒険者ギルドを出ていった。


「お前、今度あの娘にこういうことをしたら間違いなく殺されるぞ!あの目は、俺達みたいにここを拠点にしているような冒険者の目じゃねえ……」

「ああ……。あの目は間違いなく数々の修羅場をくぐってきた奴の目だ……。あの年でどんな経験をしてきたっていうんだ?考えただけでもぞっとする」

「実力だけでも銀級なんてもんじゃねぇ。アルトン達が一瞬でやられたって話だからな。しかも命まではとらずに、冒険者生命にかかわるところだけ、切り裂かれてたって話だぜ」

「その腕だったら、最低でも白金級、もしかしたら聖銀級の実力はあるだろうな。お前、俺たちが取り押さえなかったら、間違いなくこの場所からいなくなっているぞ」


そう言いながら、取り押さえた男に注意する冒険者たち。彼らは、勝ち目のない魔物に出会ってしまったかのような、目の前の相手に恐れをなしたような表情をしていた。


「ああ……。お嬢さま……」

「あの目で見られながら、この卑しいメスブタって、私を罵ってほしい……」

「むしろ俺は踏んでほしい……」


冒険者ギルドの片隅で、何かの期待を込めた視線でトーカが去っていた方を見つめる冒険者たち。

それに気が付かないふりをして、周りの冒険者達は再び思い思いの時間を過ごすことにしたようであった。


小鳥の宿木に戻った私は、カウンターで店番をしているミリィに声をかけた。


「ただいま、ミリィ」

「あ、お帰りトーカ。用事はすんだの?」

「ん。それで、これお土産。今日のご飯に使って」


そう言うと、私はアイテムボックスから布に包まれたワイルドボアの肉の大きな塊を十ブロック出して、カウンターの上に置いた。

その包みを取って中を見たミリィは、驚いたような表情で私を見た。


「トーカ!これって……」

「昨日私が狩ってきたワイルドボアの肉。最高級品だって冒険者ギルドで言われた」

「ワイルドボア……最高級品……。ちょっとお父さんっ!お母さんっ!」

そういうと、肉を一ブロック抱えて奥へ走っていくミリィ。それを見た私は茫然としてそれを見送った。ミリィが息を切らせてマリィさんとベッカーさんを連れてくる。

「トーカちゃん、あんたがこれを狩ったっていうのは本当かい?ワイルドボアは鉄級の冒険者が一人で狩れるような強さじゃないよ。近接攻撃しかできないのなら、銅級でもパーティーを組んで狩るような獲物さ。鉄級でもアーチャーなら狩ることができるかもしれないけど、それでも十分準備をして狩るようなものなんだよ?」

「一人で狩った。その証拠に、ほら」


私が冒険者ギルドカードを見せると、それを覗き込んだ三人が驚いたような声を上げた。


「銀級だって?一人で、しかも一日で二級も上がったっていうのかい?」

「こりゃあすごいな。俺たちが冒険者をしていたころ、こんなやつに会ったことはないぞ。期待の新人なんじゃないのか?」

「トーカちゃんすごい!これはお祝いしなくちゃねっ!」

「もっと褒めてもいい。で、これがお土産」


私がドヤ顔で、カウンターの上の肉を指さす。それを見たベッカーさんは包みを解いて肉の状態を確認し始めた。


「うん、これは確かに肉質も、脂も最高級のワイルドボアの肉だ。この量なら毎日出しても何日かもちそうだぞ。それに何より、客にいい食事を出すことができる」

「ねえお母さん、これを使ってみんなでトーカちゃんの銀級昇進のお祝いをしようよ!」

「そうだねぇ。うちからこんな新人があらわれたんだ。他の子たちにも見習ってほしいしねぇ」

「じゃあ決まり!お父さんとお母さんは料理の準備をお願い。私も手伝うわ。トーカちゃんは、早くお風呂に入ってきて。きれいにして、身だしなみをきちんと整えておいてね。今日の主役なんだから」

「ん。じゃあお風呂行ってくる。ミリィ、鍵ちょうだい」

「はいはい。トーカ、行ってらっしゃい。ちゃんときれいにしてきてね!」

「ん。善処する」


私は鍵を受け取ると、タマノさんの銭湯に行くべく部屋へと戻った。


「それでは、トーカの銀級冒険者昇格をお祝いして…かんぱーいっ!」


ミリィがそう言ってエールの入ったジョッキを高く掲げると、食堂のテーブルに着いた小鳥の宿木に宿泊しているすべての客が配られたジョッキやグラスを高く掲げた。

そして、それぞれのテーブルに運ばれるワイルドボアを使った料理。ワイルドボアの串焼きに、ワイルドボアのステーキ、ワイルドボアのシチューに、ワイルドボアをゆでたものを載せたサラダ。


「今日のワイルドボアはこのトーカちゃんが初めて狩った獲物だからね!よく味わって食べるんだよ!料理はたくさんあるからおかわりしな!」


マリィさんが言うと、食堂全体から歓声が上がる。どうやら、ワイルドボアの肉をこれだけ食べられる機会というのはそうそうないようであった。

周囲のテーブルでは歓声が上がり、上に並べられた料理が次々に空になる。

私もそれを見ながら、自分の前に並べられた料理に手を伸ばした。

串焼きとステーキは中までしっかり火は通っているものの、全く肉質は固くなることなく、濃厚な脂の甘みとコクが口の中に広がる。肉は柔らかくほろりと口の中でほどけ、油とは違った肉のうまみがダイレクトに口の中を刺激する。丹念に擦り込まれた塩と各種香辛料の味が、油と肉の強いコクを程よく中和し、濃厚でありながらもさっぱりとした後味に仕上がっている。上にかけられた野菜をすりおろしたものが入っている、あっさり目のソースも一役かっているようだ。

シチューは、スープにワイルドボアの脂と出汁が溶け出し、それが中の野菜に絡んで見事な調和を醸し出している。中に加えられたホワイトソースも主張しすぎない程度に肉と野菜をまとめている。肉は全く固くなることなく、口の中に入れた途端にほどけてあっという間に溶けてなくなってしまう。

そして、ゆでたワイルドボアの肉を載せたサラダ。ゆでると肉は固くなる傾向があるが、これは全く柔らかさを損なうことなく、パリパリの野菜の触感と柔らかな肉の触感が同時に楽しめる逸品である。ゆでることによって程よく脂が抜け、コクがあるのにあっさりしている。また、上にかけられた酸味のあるドレッシングが、またそれにちょうどあっていておいしい。

そして、何より臭みが全くないのだ。イノシシの肉には臭みがあり、料理するときには臭み消しに味噌やショウガ、ネギなどの香味野菜が欠かせないのだが、ワイルドボアの肉には臭みと呼べるものが一切なかった。


「う……う……、うーまーいーぞー!」


私はそのおいしさに耐えられず、思わず立ち上がって叫んだ。

それを聞いた周りの人からどっと笑い声が上がる。


「トーカちゃんの持ってきたワイルドボアの肉のおかげだよ」

「そうそう。私たちも頑張ってワイルドボアを簡単に狩れるようにならなくちゃね」

「明日から頑張るぞ!女将さん、こっちワイルドボアの串焼きとステーキ追加!」

「私たちのところにもサラダとシチューお願い!」

「みんな、どんどん食べて力をつけな!明日からまた頑張って依頼をこなせるようにね!」


周りで次々におかわりの声が上がる。

それを聞いた私も、サラダとシチューのおかわりを頼んだ。しばらくして、ミリィがお盆に私がお替りしたシチューとサラダ、そして自分の分の料理とエールを載せてやって来た。


「はい、トーカ。おかわりだよー」

「ありがと、ミリィ。お店の方は大丈夫?」

「お母さんとお父さんが今日はいいってさ。だから、一緒に食べよ?」

「ん。どうぞ」

「ありがと。さて、私も食べるぞぉ」


そう言いながら、ミリィは私の前にシチューとサラダ、自分の席の前に持ってきた料理とエールを置くと、その料理を食べ始めた。


「んー、おいしいっ!やっぱりワイルドボアのお肉はおいしいなー」

「高級品だというのは聞いたけど、あまり食べられないの?」

「そりゃそうだよー。普通のボアの肉はうちでもよく使うけど、ワイルドボアとなるとねー。ボアよりも大きいし、何せ体力もあって凶暴すぎるからね。よくちょっかいを出して、怪我をして逃げかえってくるパーティーも多いんだよ?」

「そうなの?」

「そうそう。お父さんが言うには、一人で狩るには銀級にならないとだめだってさ。アーチャーなら罠とかを駆使して狩ることもできるけど、大変なんだって。まあ、うちのお父さんやお母さんなら一人でも大丈夫だと思うけど。昔、この宿屋を始めたころは、食材も森で自分たちで狩ってきていたんだって言ってた」

「ん。私は子供のころから里の大人たちと一緒に山狩りをして、そこでボアやワイルドボアを狩ってたから慣れているのもある」

「そういえばトーカの故郷って山奥だったっけ。それじゃあ一人で狩るのも簡単か……って、大人と一緒に狩りをしてたの?」

「そう。山からボアやワイルドボアが下りてくると、畑の作物が荒らされるから。それを防ぐのに定期的に山に入って狩りをしていた。里では七歳になると、狩りのやり方を大人から教えてもらう。そのころには、みんなニンジャかサムライ、攻撃術師、治療術師のどれか適正のある職業に就くから。そこから修行をして、十三歳になると家を継ぐ子供以外はみんな里から出て、外の世界で暮らす。外の世界で伴侶を見つけて里に戻るのも、ずっと外の世界で暮らすのも自由。私には兄様がいるから、家は兄様が継ぐ。だから、私はこうして里から出てきた」

「そうなんだ。ねえ、寂しいとか家に帰りたいとか思わないの?」

「私には兄様がいたから。里から出るのは最初から決まっていた。だから、おじじ様に厳しく修行をさせられた。外の世界の事もいっぱいおばば様から教えてもらった。父上と母上は優しかったけど、それに甘えていては、外の世界で生きていけないことは、何となくわかっていた」

「そっか。いっぱい私の知らないことを見てきたんだね、トーカは」

「だから、しばらくはここにいてもいいかなと思う。ここは暖かい場所だから」


私がそう言うと、ミリィは私の事をぎゅっと抱きしめた。それに、私は顔をしかめる。私の鼻に、ミリィの口からアルコールの臭いがぷんと臭ってきた。


「むぎゅ……。ミリィ苦しい……。それにお酒臭い」

「あーん、なんてもうこの子は!私の事をお姉ちゃんと思っていいのよ!むしろ私の妹になって!」

「ミリィ酔ってる。それに私はミリィと同じ年」

「それは同じ年の義理の妹ということで……」

「無理だと思う」

「そうかなー」

「そう。妹がほしかったら、ミリィがマリィさんとベッカーさんに頼めばいい」

「それもそっか。試しに言ってみようかなー。まだ二人とも若いから大丈夫だと思うし」


ミリィはそう言うと、エールを飲みほした。私はそれを見ながら、おかわりしたシチューに手をつける。少し冷めてはいるものの、シチューは暖かい味がした。

周りでは、おいしい食事と酒があるせいか次々とテーブルの上の料理と酒がなくなっていく。それに笑顔になる食堂に集まった冒険者たち。みんながみんな、このひと時を楽しんでいるようだった。私はそれを見ると、再びシチューとサラダに手を伸ばした。


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