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GHQ最高司令官マッカーサー元帥の使っていた部屋の新たな主は、彼だった。
1952年(昭和27年)4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効するとGHQが煙のように消えていなくなった。
有史以来、外国勢力に国土を占領されたことが無かった日本民族は、ようやく元の政治体制に戻ることが出来たのであった。
ただ、日産のゴーン体制の成功を見るにつけ、日本民族は絶対的な支配者がいた方が上手くまとまり、その力を発揮しやすいのではないかとふと思いに耽ってしまう。
もしかしたら、彼もそんな気持ちだったのではないだろうか。
絶対的な支配者と対峙した時に出たあの力がもはや出ない、無くなってしまったように感じていたのであった。
GHQが接収して使っていたあのビルも元の持ち主の生命保険会社に返されていたのであった。
ただ、生命保険会社からのたっての願いでGHQ最高司令官、マッカーサー元帥の使っていた部屋の新たな主が彼になっていたのであった。
*憲法第9条を読み解く3つのポイント
小説の最後に表示されているWikipedia)ウイキペディア 日本国憲法第9条でチェック。