逮捕された元首相の芦田均は裁判で無罪となる。次の首相は予定通りの吉田茂。
「私は負けませんよ。」
GHQ民政局の将校用個室で彼は、釈放された芦田均と会っていた。
「首相経験者の私まで逮捕するとは、GHQ参謀第2部もやりますね。ただ、裁判では無罪にしていただきましたので、一応、お礼を言っておきますよ。」プライドの高い芦田らしいお礼の言い方であった。
芦田は、もちろん金を受け取っていたのであるから、GHQ占領時の非常時でなければ、当然有罪になっていたであろう。
GHQの占領下のことである。そもそも単に反乱を起こしたので見せしめのために逮捕・起訴したまでのことである。
参謀第2部から裁判官に指示命令しただけで結果は、有罪でも無罪でもいかようにでも変えられるのであった。
「お安い御用ですよ。」彼は、多少苦笑いしながら少し愉快になっていた。
何かと挑んでくる芦田に対して、芦田は、こうでなくてはいけない。こうでなくては芦田ではない。と、彼は思っていたのかもしれない。
芦田も「まだまだこれからですよ。」と、彼との対等感を漂わせていたのであった。
*憲法第9条を読み解く3つのポイント
1.{国際紛争を解決する手段として}①戦争と②及び③が放棄されている。
2.{前項1.の目的を達するために}陸海空軍その他の戦力を保持しない。
3.The right (of) belligeren-cy (of) the state will not be recognized.
交戦状態を意味する belligeren-cy という単語を選んだ。
戦争行為を意味する belligeren-ce という単語を避けた。
戦争権ではなく交戦権にしたかった。一連の戦争(始~交戦~終)行為の中で交戦に限定した。
戦争の始の部分は、先制攻撃するので交戦権に含まれていない。
Will が含まれている構文は、未来を表している。