GHQ参謀第2部と”彼”の合意事項。①社会党政権は終わらせる。②次は吉田茂でいいかな。③岸信介をA級戦犯から外す。
民政局の彼の部屋にGHQ参謀第2部部長、ウイロビーが入ってきた。
さすがに将軍でもあるウイロビーには、上座が用意されていた。
ただ、ウイロビーは特に気にする風も無く自然に入り口付近の空いている席に座った。
これには彼のほうが驚かされた。
あの金に汚い差別主義者であるホイットニーやケーディスとは、違う。直感が確信へと近づいていった。
ウイロビーからは、社会党政権は苦肉の策であると、この社会党政権擁立までの説明まで彼は受けてしまったのであった。
米陸軍の現役将軍が、GHQ民政局内に設置されている委員会、しかも本来の役目は終わっている憲法草案制定の統合運営委員会の一委員長でしかない自分に政権擁立の説明に訪れてきているのだ。
しかも、今後は”日本国の運営”に関して彼の協力がほしいとウイロビーから提案まで受けてしまっていたのであった。
彼は、その時、一生の内で一番奇妙な感覚を味わっていた。と、言っている。
説明しがたい感覚だとも言葉を残している。
GHQ民政局を代表している訳でも無く、日本国の運営に対して何の職権もないが、彼は、驚く事に単独でGHQ参謀第2部と次の事項に合意した。
①日本国を本来の道へ進ませるべく、社会党政権は終わらせる。参謀第2部も彼の協力が得られるのであれば、民政局に対抗する必要も社会党政権も要らなくなるため。
②次の首相は、消去法で吉田茂。本当にとりあえず使いやすい為だけで選んだ。
③満州国建国から運営まで多くの実績を挙げた岸信介は、新たな日本国に必要なためA級戦犯から外す。早晩、首相にする。
*憲法第9条を読み解く3つのポイント
1.{国際紛争を解決する手段として}①戦争と②及び③が放棄されている。
2.{前項1.の目的を達するために}陸海空軍その他の戦力を保持しない。
3.The right (of) belligeren-cy (of) the state will not be recognized.
交戦状態を意味する belligeren-cy という単語を選んだ。
戦争行為を意味する belligeren-ce という単語を避けた。
戦争権ではなく交戦権にしたかった。一連の戦争(始~交戦~終)行為の中で交戦に限定した。
戦争の始の部分は、先制攻撃するので交戦権に含まれていない。
Will が含まれている構文は、未来を表している。