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論説 日本国憲法 戦争なんか放棄していない日本国憲法第9条  作者: 田中 康之
第2章 戦後日本を創った権力機構が現代日本に受け継がれている。
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憲法第9条策定までの謎のひとつ芦田均の芦田修正。この修正で{前項の目的を達するため}が加えられた。

「日本社会党の連立政権に参加して、首相を続けたほうが良いでしょうか?」吉田首相が切り札を出すように意気揚々と発言する。土下座はしたままだが。


「よしなさい。社会党政権は長くは、続かない。参加しないでおきなさい。」彼は言下に否定する。


一度、日本社会党を試してみよう。憲法つながりで芦田均を呼び出そう。彼の中では既に決まっていた。


去る憲法改正草案の衆議院における審議の過程では、芦田修正と呼ばれる修正が行われたことがあったのである。芦田修正とは、第90回帝国議会の衆議院に設置された、衆議院帝国憲法改正小委員会による修正を指す。特に憲法9条に関する修正は委員長である芦田均の名を冠して芦田修正と呼ばれ、9条をめぐる議論ではひとつの謎となっている。


通説では、この芦田修正について、GHQからは何ら異議もなく、成立に至った。と、されている。


なお、芦田修正では、{前項の目的を達するため}という一文が加えられたことが、後に9条解釈をめぐる重要な争点の一つとなり、芦田の意図などについても論議の的となった。とされている。


後に首相になる芦田均も憲法草案制定会議の影響下にあり、統合運営委員会の指示命令を受けその支配下にあったのであった。



芦田均の仕事を見ていくと、衆議院に提出された憲法改正草案第9条の内容は、次のようなものであった。


第9条 国の主権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、他国との間の紛争の解決の手段としては永久にこれを抛棄する。陸海空軍その他の戦力の保持は許されない。国の交戦権は認められない。


この後、芦田均は委員長権限で{前項の目的を達するため}を入れたことが目立たないように1項と2項を意味無く入れ替えて、次のような試案を提示した。加えて<他国との間の紛争>も{国際紛争}と限定した。


第9条 日本国民は、正義と秩序とを基調とする国際平和を誠実に希求し、陸海空軍その他の戦力を保持せず、国の交戦権を否認することを声明する。{前項の目的を達するため} 国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、{国際紛争を解決する手段として}は、永久にこれを放棄する。



結果、{前項の目的を達するため} の文言を残し、原案通りにすることなどがまとまった。芦田委員長は、提案の中で{前項の目的を達するため}という文言を入れることに成功し、最終的に見慣れた現在の憲法第9条の文言へと決定されるのであった。


第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


2{前項の目的を達するため}、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。



*憲法第9条を読み解く3つのポイント

1.{国際紛争を解決する手段として}①戦争と②及び③が放棄されている。


2.{前項1.の目的を達するために}陸海空軍その他の戦力を保持しない。


3.The right (of) belligeren-cy (of) the state will not be recognized.

交戦状態を意味する belligeren-cy という単語を選んだ。

戦争行為を意味する belligeren-ce という単語を避けた。


戦争権ではなく交戦権にしたかった。一連の戦争(始~交戦~終)行為の中で交戦に限定した。

戦争の始の部分は、先制攻撃するので交戦権に含まれていない。


Will が含まれている構文は、未来を表している。





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