昭和天皇の御名御璽が入った組閣大命の勅書。
足元にぶちまけられた書類を拾うかどうかキョロキョロしながら躊躇していると、「その書類記載の憲法で決まりです。すみませんが、ご自身で拾ってもらえますか。」
彼の言葉に救われたのか、吉田首相は一心不乱に床の書類を集め始めた。
集め終わりようやく前を向いた吉田首相が小さく挙手をして発言を求めた。
ケーディスは例の如く顎をしゃくって発言を促した。
「首相就任には天皇陛下の大命が必要だと思うのですが・・・・。」
ケーディスは、右側にいる彼に視線を移し、吉田首相の発言の訳を聞いていた。
と、大きな笑い声と見下した視線で吉田首相の方を見た。
ケーディスは、軍服のズボンの後ろポケットからなにやら奉書紙に包まれた書類を取り出し、これもまた吉田首相の足元に投げた。
吉田首相が再び拾い上げ、読んだ。
吉田首相は、その奉書紙を頭上に掲げ、腰を折りケーディスに最敬礼せざるを得なかった。
昭和天皇の御名御璽が入った組閣大命の勅書であったのだ。
*憲法第9条を読み解く3つのポイント
1.{国際紛争を解決する手段として}①戦争と②及び③が放棄されている。
2.{前項1.の目的を達するために}陸海空軍その他の戦力を保持しない。
3.The right (of) belligeren-cy (of) the state will not be recognized.
交戦状態を意味する belligeren-cy という単語を選んだ。
戦争行為を意味する belligeren-ce という単語を避けた。
戦争権ではなく交戦権にしたかった。一連の戦争(始~交戦~終)行為の中で交戦に限定した。
戦争の始の部分は、先制攻撃するので交戦権に含まれていない。
Will が含まれている構文は、未来を表している。




