首相の吉田は、一人、机の前に立たされていた。
ケーディスに呼びつけられた吉田首相は、一人、机の前に立たされていた。
宿題を忘れて教師に怒られている小学生のように見えた。
ケーディスの周りには、コの字型に並べられた机に約10名ほどの憲法草案制定会議のメンバーが座っていた。
日本人も一人だけメンバーとして座っていた。
吉田首相は、生涯この男には頭が上がらなかった。主従関係と呼べるものが二人の間に築かれてゆくのであった。
憲法草案制定会議内におかれている実務的な作業をする8分野の委員会の主なメンバーは日本人が中心であったが、憲法草案制定会議の正式メンバーに日本人は一人だけであった。
*憲法第9条を読み解く3つのポイント
1.{国際紛争を解決する手段として}①戦争と②及び③が放棄されている。
2.{前項1.の目的を達するために}陸海空軍その他の戦力を保持しない。
3.The right (of) belligeren-cy (of) the state will not be recognized.
交戦状態を意味する belligeren-cy という単語を選んだ。
戦争行為を意味する belligeren-ce という単語を避けた。
戦争権ではなく交戦権にしたかった。一連の戦争(始~交戦~終)行為の中で交戦に限定した。
戦争の始の部分は、先制攻撃するので交戦権に含まれていない。
Will が含まれている構文は、未来を表している。




