戦争行為の中でも”交戦状態”だけに限定したかった。
{国際紛争を解決する手段として}という限定した目的のために①戦争と②及び③を放棄し、{前項の目的を達するため}だけに陸海空軍その他の戦力も不保持と多くの条件を付けることに成功した草案者は、最後の目的を果たそうとする。
目的とは、日本国が<日本国の国益を守るため>に戦争できるようにである。
The right (of) belligerency (of) the state will not be recognized.
訳はもちろん、国の交戦権は、これを認めない。である。
The right (of) belligerency =交戦状態の権利=交戦権、と訳されている。
そして問題の belligerency =交戦状態 と訳される単語なのである。
何故、belligeren-cy じゃなければダメだと草案者は考えたのか?
類義語の同じ名詞をみてみよう。GENIUS English-Japanese Dictionary,Third Edition,p166
belligeren-cy 名詞: 交戦状態、敵意
belligeren-ce 名詞: 好戦性、戦争行為
belligeren-t 形容詞、名詞:1 好戦的な、敵意のこもった、けんか腰の、強硬な
2 喧嘩をしている(人)
まず belligeren-t を候補からはずした。形容詞も表し意味がぶれるからだ。
最終候補は、belligeren-cy と belligeren-ceの2つである。語尾が Y と E の違いだけであるがその単語が意味することは天と地ほどの差がある。




