中国全土の金銀を吸い上げる地獄のトライアングル。
King(支配者)の阿片事業は、中国大陸で順調に拡大していたのであった。
関東軍の武力を背景に中国人馬賊等への睨みも充分に効き、売り上げを誤魔化す者も無く収益の回収も順調に行われていたのである。
阿片収益は、本拠地Manchuria(中国東北部)では日本円を中心に関東軍軍票で回収されており、中国沿岸部では香港を拠点に英ポンド及び米ドルで回収されていた。
但し、中国国民は、紙に印刷された関東軍軍票や他国通貨紙幣を金銀等の貴金属で買わされていたのであった。
英国が始めたこの阿片事業は、中国国民にとって逃げようの無い地獄のトライアングルであった。
本来、最も貴重であるはずの金銀等の貴金属が、まずは発行コストが著しく低い紙に印刷された軍票や紙幣に交換させられ第一段階の収奪が行われる。
買わされた軍票や紙幣で価値のある物が購入できれば、それはフェアトレードと呼べるかもしれないが中国国民の手に入る物と言ったら植物から精製される阿片でしかないのである。
更には、この第二段階の収奪には常習性という第三段階の収奪が漏れなく付属されていたのであった。
この三段階の収奪によって中国全土の金銀は、紙の軍票⇒精製された阿片⇒常習性へと変化し、中国国民は死ぬことでしか抜け出すことが出来ない地獄のトライアングルへと堕ちて行かざるを得ない状況に追い込まれていたのであった。
なお、この教訓から現在の中国共産党政府において阿片の使用者は可哀想な被害者として取り扱われ、刑法上罪には問われない。但し、事業として阿片を販売する者は、許されざる者として死刑が適用される。




