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1歩目

とある女子高生の、とある公園での、とある一日。

◎アンケートにご協力ください◎






Q.名前をお答えください


A.ありません。






Q.年齢をお答えください


A.17です。






Q.家族構成をお答えください


A.私と私です。






Q.真面目に答えてください


A.いたって真面目です。






Q.そろそろ面倒臭いんですが


A.真面目に質問してください。






Q.あの…


A.なんでしょう。






Q.こんな風に紙に突然文字が浮かび

上がって質問されて驚かないんです


A.わぁ、びっくり。これでいいです

か。






Q.私のことなめてますよね


A.はい。






Q.


A.質問が白紙ですが。






先ほどまで次々加筆されていた質問が来ないので余白に質問をし返してみる事にした。




どうしたんですか?

何かありましたか?

そんなことよりそろそろ飽きたん

ですけど、帰ってもいいですか?

というかだいたいこの寒空の下ベ

ンチで丁寧にアンケートに答えて

る理由がわからないんですけど。


そういえばあなたの姿が見えない

んですけどもしかして暖かい家で

ぬくぬくしてるんですか?

いいですねーまるで質問している

人の態度とは思えませんけどねー。


第一、こういうアンケートって室

内で机で書くものじゃないんです

か?ベンチとか書きづらくてしょ

うがないんですけど。


話を戻しますけど、さっきからな

んで姿を見せないんですか?あっ、

ごめんなさい。もしかしてあまり

にも見た目が酷くて外に出られな

いとか?

ごめんなさい、気にしてますよね…

デリカシー無くてすいません…。


大丈夫ですよ!いくら見た目悪く

ても人は中身です!ほら、ブス専

とかもいますし!気にしすぎです

よ!

元気出してください!!

ほら頑張れ!頑張|


『てめえ…!!』


書いている途中で、頭上からポンッという音がした。


「なんですか?」

頭上から聞こえた声のほうを向かずに言った。

『俺はずっとここにいた。寒空の下。』

「お疲れ様ですー。」

『公園のベンチにその紙を用意したのは人目につかないからだ。』

「私に見つかりましたけどね。」

『いやお前にアンケートとりたかったんだよ。』

「え、なんですか?ストーカーですか?きゃーこわいー。」

『ストーカーじゃない、お前が応募した仕事の面接だ。』

「あ、そうだったんですか。じゃあなんで私がここに来ることわかったんですかね?それに日程も知らされてないし直接会ってないのに面接…面白いですね。」

『こういう方針なんだよ。』

「へぇー。」

『……あと、俺はイケメンだ。』

「自信過剰。」


『…んあぁ!!!!うるせぇぇぇえええええ!!!!!見てもいねえのに即答してんじゃねぇ!!!!!クソッ』

頭に反響するような低い声。

顔を上げると奇妙な格好をした男が喚いていた。20代後半くらいに見える。

まあ、イケメンの部類だ。顔だけなら。


ふわふわした髪の毛一本から爪の先まで全身真っ白のローブ姿。深い赤色の目。ふっさふっさの羽。アンティーク調のおしゃれな本。そして真冬だというのに、裸足である。まあ幸い地元の公園は人通りが少ない。見られてはいないとは思うけど

なんというか………

「コスプレ?」


ーブチッ


何かの切れる音がした。


『俺だってこんな服着たくないわアホ!!!あああぁぁぁああもう!!!!!俺お前超嫌いだわっ!!!!!もっと驚けよっ!!!!!』

「すいません。」

とりあえず謝ってみる。

『普通さ!?ベンチに紙とペン用意されてたら驚くでしょ!?普通さ!?文字浮かんできたら驚くでしょ!?普通さ!?人が空飛んでたら驚くでしょ!?なんで平然としてるわけ!?』

「ワァービックリシターワタシ、オドロイター」

『……なめてるよね?』

「はい。」

『………』

「………」


あ、言われてみればこの男、空中に浮いている。

まあ私の真上にいるのだから当然のことなのだが。

現代の科学も進歩したものだな。


『っと、こんなことしてる場合じゃなかった!』

「コスプレのイベントですか?」

『ちげーよ!!!!面接っつってんだろ!?』

と、言われてもどう見てもコスプレ…まあ、いいか。


『おほんっ!気を取り直して…』

男はアンティーク調の本をスッと開いた。



刹那、風が吹く。



『どうも、神様です。よろしく”河村夏愛(かわむらなつめ)”さん。』


「あ、病院はあちらです。」

あぁ、こいつ絶対頭おかしい。自称神様は早く病院へ運ばなくては。



『待て待て待て待てぇぇえええ!!!!』

「待ってますよ、ちゃーんと病院まで案内しますから安心してください。」

『いや、違うよ!?ねえ違うから!ちゃんと人の話聞こう!?』

「聞いてますよ、神様。」

そう言うと、男は<神様>という言葉に反応したようで少しにやけている。キモい。

「で、神様は私に何の用ですか、帰ってください。」

『帰れって言われてもなぁ…。言った通り俺はお前の面接をしに来たんだよ、い、ち、お、う!!』

「結構ですお引き取りください。」

『返しが早い!!』

しつこいなこの男…。

「知らない人にはついていきません。」

『どこのガキだよ…』

「それでは失礼します。」

『いや待て待て…………待てっつってんだろ!?』

本当にしつこい、その上うるさ………ん?


パチンという音がしたその瞬間。


体が、動かない。


ピクリとも、しない。


なんだろうこの感覚は。



『へっへーん!どうだ驚いたかクソガキ!!これが神の力だ!!!』

…厨二乙。

『まあまあ!大丈夫、言わなくてもわかりまちゅよー!!この神の力に恐れおののいてるんだろう!?あっはっはっはー!!!』

面倒臭い。正直本気で面倒臭い。

『んでだ!話を戻すが…なっつんは一人暮らしなんだなー、家族構成私と私って言うからびっくりしたけどさー!』

突然馴れ馴れしくなったな。誰がなっつんじゃ。

『まあその方が都合いいんだけど。』

そういうと神様(自称)はアンティーク調の本をまた静かに開いた。


そういえば私こんな怪しいバイトの面接なんて応募したっけ?

あれ?そういえばこいつなんで私の名前を知っているんだ?

まあ、いい。考えても無駄だ。


『一つだけ質問に答えてくれ。』

「なんですか。」

『お前、友達いないだろ。』

「余計なお世話です。」

『以上で面接を終了する。』

「…」

え、面接って何?友達いるかいないかだけですか?そんなんで合否決まるの?

まぁいませんけど。悪かったですね。


『神様を前にしても緊張しない…何が起きても動じないその心…そして一匹狼…完璧だ。いや、ただ性格に難あり…うーん…』

神様と名乗る男は何やら深く考えているようだ。


どれぐらい時間が経っただろう。

男が考え続け、私が動けないまま(なのになぜか辛くない、不思議である。)長い時が流れた気がする。


『よしっ…決めた!』


パチン。


あ、動ける。


私は男を見た。


ゆっくりとした時間が流れた。

まるでこれから起こる事を告げるかのように。



河村夏愛(かわむらなつめ)、お前を俺の部下として採用する。』



刹那、風が吹いた。

ここまで閲覧いただき、誠にありがとうございます!!

RPG、バトル要素はもう少し先になると思います。すいませんヒェア。


この作品が初投稿となります!!ゆえに緊張しております_(:3」∠)_


次回からは早速異世界編になります。おそらく説明中心になるかと…

(しょうがないじゃない!夏愛ちゃんだってまだ何も知らないんだから!)


閲覧、ありがとうございました!

それでは次回に続く!


※質問、苦情、作者への愛の告白があればお気軽にコメントください。

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