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mission3 療養

結構時間空いてしまいましたが、第8部です。


章分けは…、いらないかな…。

 まさかこの短期間で病院に2度もおせわになるとは……。

 とは言っても、この前の病院とは違う所だ。 前の病院程大きい所ではない。

 足の骨折はそこまで酷いものではなかったらしい。 というか、厳密には骨折ではなく単にヒビが入っただけみたいだ。

 あの後、(りき)が救急車を呼んでくれ、今はこの病院で入院している。

 やはり警察に話しを聞かれた。 

 でも、軽く事故当時の状況とかを聞かれただけで済んだ。 ただ問題なのが、運転手の方が重体で大変な状況らしい。

 車の誤作動かなんなのか、エアバックが開かず、頭を諸にハンドルに打ちつけたらしい。

 なんというか……、被害者の方が加害者を心配するというのも、矛盾というか……変な感じだ。

 「やっほー、お見舞い来たよー。」

 でもやっぱり一番の問題は、こいつだよ……。

 「あれ? 無視? あんまり話したこと無かったとは言え、私女の子だよ? 女の子がお見舞いだよ? 嬉しくない?」

 坂本綾。

 あの時俺が言った言葉の中の、『尾行』という言葉に異様に食いついてきたのだ。

 俺が入院して以来、お見舞いと称して毎日ここに来る。

 うん、たしかにな。 可愛い女の子が毎日来てくれるというのは嬉しい。 正直超ラッキーだと思っている。

 でも、来てから言う言葉の8割が『尾行』だと、さすがに辛いものがあるな……。

 「ねぇ、尾行って何なの? だれを尾行していたのかくらいいいじゃない。 尾行とかすっごい良い響きだよね……、尾行……。はぁ……。」

 そしてなぜかその言葉に頬を赤らめている。

 なんかエロい。

 「だから、ただの言葉の……その……、言葉のあやだよ。」

 「あや? 綾? 私?」

 疲れる……。

 とにかく、入院は2週間程らしいから、そこまで我慢すればこの地獄からも抜け出せる。

 そして今度は本番だ。 絶対に正体を見破る。 ただの保険会社なのか、それとも何か別の組織なのか……。

 次の日の夕方。 放課後を向かえた力が来てくれた。

 「よ、具合はどうだ? 少しは良くなったか。」

 「あぁ、うん。 もう軽く歩けるくらいにはなった。 もしかしたら予定よりも早く退院できるかも」

 「そいつは良かった。」

  言いながら力はベッドの横のパイプ椅子に腰かける。

 「はぁ……。」 

 と、思うと肘を太ももに着いてうなだれた。

 「どうした? 体調でも悪いか?」

 「いや、坂本がな……。」

 なるほど……。

 俺だけではなく、力もか……。

 まぁ、予想はしていた。 だけどどんな理由であれ、坂本と話す機会が増えたのだから力は喜んでいるものだとばかり思っていたけど、違ったのか?

 いや、さすがに毎日ずっと聞かれ続ければ嫌にもなるか。 好きな人相手でも。

 「でもさ、坂本と話す機会増えたんだからうれしいだろ?」

 でもそんなの関係ない。 自分が意地悪だということを忘れる所だった。

 案の定、それを聞いた瞬間力は慌て始めて、揚句には俺を殴ってきた。

 うん、今日も楽しいぞ。

 殴られることが、ではなく力と話すのが、な?

 しばらく我慢すれば坂本も諦めるだろう。 だからもう少し学校を休めるこの期間を楽しもうと思う。 その後にはいよいよ本番が待っているのだから。

 そのことを考えると緊張してくる。 でも本来の目的を忘れちゃあいけない。 元々これは『ライフ 株式会社』の正体を知ることが目的だ。 それ以上のことはしないし、してはいけないとも思う。 俺達高校生がそれ以上踏み込んではいけない気がした。 だって、相手は大人の世界なんだ。 どれだけ俺達が背伸びしようと結局は子供。 だからこそ今だって、『尾行』なんていうバカげた方法でしか自分の中の疑問を解決できないじゃないか。

 今はこれで良い。 良いんだ。 高校生活をどう使おうが俺の勝手なんだ。 俺の時間なんだ。

 「この時俺達はこの後に待ち受ける現実を知る由も無かった。」なんていう展開はお話しの中のことだ。 多分俺達は、拍子抜けするような事実を知って「なんだこんなことか」って言って笑うんだ。 将来はこのことをもっと笑って話すんだ。 そんなものだ。

 そう、思いたい。

あ、坂本綾と翔が付き合う、なんて展開は無いです。

もちろん力とも。

恋の方面ではこれ以上進展はないのであしからず(笑)

翔と力もないですよ……?w

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