嵐の前の
更新ペースひっじょうに遅くてすいません。
あ、あれですよ! 書くのが遅いんじゃなくって、書かないだけなんですよッ、忙しいんですよ! っと、言い訳したいです……(((
読んでくださっている方がいればの話しですけど……w
第3部 嵐の前の です。
目を少し開けるとカーテンの隙間から漏れる光が、顏に降り注いでくる。
眩しさに、一度開けた目をもう一度閉じた。
あれから母さん達は帰って来ているだろうか。 そんなことを何気なく思いながら、上半身を起こす。
まだ完全には目が覚めていない。
ぼーっとした意識の中で時計のアラーム機能をOFFにする。 もはや習慣になっている行動だ。
「翔ー! 起きてるー?!」
俺の何気ない疑問は晴れたようだ。
寝間着から制服に着替え、1階に降りる。
いつもの俺の仕事である──習慣である、朝食の手伝いを始める。
色々と指示をしてくる母さんの言葉を生返事で答えながら、フライパンを握る。
「どうしたの? 寝不足?」
「え? あぁ、うん。 ちょっと考え事してて、寝るの少し遅くなっちゃったんだ。」
「そう……、気をつけなさいよ。」
「うん……。」と、それも生返事で返す。
なんだか今日も授業中によそ見をしそうだ。
6時半になり、炊飯器から軽快なメロディーが流れる。 ご飯が炊けた合図だ。
母さんがご飯をテーブルに運んでくるまでの間に見ていたテレビでは、また暗いニュースが流れていた。
『──のようです。 次のニュースです。昨日に続き、大学生による殺人事件です。昨夜、自宅にいた大学生の○○○○○さんは、両親である○○○さん、○○さんを殺害した後、警察に自ら出頭しました。 昨日に続いての大学生による両親殺害事件、この事件に関連性はあるのでしょうか? 専門家の○○○○さんに聞いてみましょう。○○さん、この事件では──』
専門家であるという中年のおじさんは、少し慌てた様子でキャスターの言葉を聞いている。 この後自分が喋ることでも考えているのだろうか。
「チャンネルを変えてくれる? 朝からこんな暗いニュースばかりじゃ気が滅入るわ。」
いつの間にか俺の横に立っていた母さんは、複雑な顏でテレビを見つめていた。
怪訝に思いつつも、母さんの言うことももっととだ。 ただでさえ最近調子が悪いのだ。 そんな時に朝から暗いニュースは気分が沈む。
朝食を食べているとき、ふと昨日ことを思い出した。
「ねぇ母さん、昨日の電話なんだけど結局誰と話して──」
「あ、そうだお父さん、廊下の電球が切れてたのよ。後で直しておいてくれない?」
食べ終わりの挨拶を終え、二階に上がる。
さっきの母さん、明らかに俺の言葉を遮った。
そんなに誰と話していたのか言いたくないのか……?
とりあえず、このことは後で考えるとして学校の準備を始めた。
力が迎えに来るまではしばらく自室で暇をつぶす。 それも、習慣。
そんなことを考えていると、つい苦笑してしまう。
自分は習慣だらけの人間なのだろうか。 決まり事に塗り固められた、つまらない人間なのか。
そんな詩人めいたことは言わないし、思わないけど。
それでもやっぱり、自分を褒めることは出来ない訳で、つまりその結果が『苦笑』なんだ。
習慣ばかりで、新しいことを始めようとしない自分はやっぱりつまらないんだと思う。 周りから見ても、自分で自分を見てみても。
一人になるとこんな自問自答の繰り返し。 好きでやってるわけじゃない。 勝手に考えちゃうんだ。 それが幸か不幸か、どちらにしろ時間が潰せるのは嬉しいことだ。
家のチャイムが鳴るのとほぼ同時に俺の名前を呼ぶ人がいた。
俺を心配してか、力が今日は家まで迎えに来てくれたようだ。
「よっ、元気になったか?」
玄関の扉を開けると、笑顔の力が早々に心配をしてくれる。
「うん、少し身体が重いけどなんとか。 ありがと。」
それを俺も笑顔で返す。
通学中、二日立て続けに起きた事件のことを思い出した。
「そういえばまた起きたな、大学生が親を殺す。って事件。」
「あぁー、あったな、そんな事件。 あれの所為で朝からテンションダダ下がりだったぜ……。」
あからさまに顏をしかめて言う力に、これ以上この話しをする気はおきなかった。
学校に着き、教科書を机に入れる。 鞄を机の横に掛け、手を伸ばして机に突っ伏した。
やっぱり疲れが取れていないようだ、身体すごくダルい。
夕ご飯前に少し仮眠を取った所為もあったし、なによりなぜか母さんの言動が気になってなかなか寝付くことができなかった。
電話で俺についての何を話していたのか、そしてそれを聞かれたときに必要以上に慌てたあの態度……。 やっぱり何か隠しているのか……?
そう思ってから、今日二度目の苦笑をした。
ありえない。
昔からこうだ。 少しでも日常と違うことがあると見境なく疑ってしまう。
いわゆる疑心暗鬼状態。
母さんにだって色々付き合いはあるし、その中でたまたま俺の、つまり息子の話しが出たとしてもなんら不思議ではない。
それを寝不足になる程疑って、考えて、悩んで、そんなことに一喜一憂してしまう自分が恥ずかしい。
もうこんなことを考えるのはよそう。
そう思い、重くなった身体を起こし隣の席の友達と談笑を始めた──
書くときと書くときで間隔が空くと、どうしても登場人物の性格とかを忘れちゃいますね。
違和感があれば指摘していただきたいです。(図々しいですねw
第3部 嵐の前の 終わりですー