表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

第4回

 ふたりが水族館を出るともう外は夕方になっていた。近くの公園で、少し歩くことにした。

「かなちゃん、今日はありがとう。とっても楽しかったよ」

 いつのまにか、ふたりはごく自然に手をつないだまま歩いていた。

「ううん…私の方こそ、ありがとうございました…」

 夕陽に照らされて、かなの頬がほんのりと赤く染まっている。つながれた手をぎゅっと握りしめ、幸せそうな表情で亜嵐を見上げた。

「私…こんなに楽しい一日、初めてです。水族館も、公園のお散歩も…アランさんといっしょだから、全部が特別に感じて…」

 かなはつながれたままの手を少し揺らしながら、照れくさそうに微笑んだ。

「アランさんと話してるときも、手をつないでるときも…ずっと心臓がドキドキしてて…でも、すごく心地よくて…」

 ふと、かなは立ち止まって、真剣な表情で亜嵐に向き直った。

「私…今日一日で、はっきりわかりました」

 深呼吸をして、潤んだ瞳で亜嵐をまっすぐに見つめる。

「私、アランさんのことが好きです…大好きです…」

 告白の後、恥ずかしさで顔を真っ赤にしながらも、かなの瞳は亜嵐の顔をじっと見つめていた。

「あの…私と…つきあって、くれませんか…?」

「え…?かなちゃんこそ、ぼくなんかでいいのかい?」

 しかし、亜嵐はその返事を聞く前に、かなの腕をとると、胸の中に彼女を抱きしめていた。

「え…あっ…!」

 亜嵐の腕に包まれた瞬間、かなの体はびくっと震えた。驚きで目を見開くが、すぐに安心したように目を閉じ、亜嵐の胸に顔をうずめた。

「アランさんじゃなきゃ…だめなんです…」

くぐもった声で、でもはっきりとかなは言った。亜嵐の背中に、おずおずと小さな手を回し、

「私…アランさんとチャットでお話しした時から、ずっとドキドキしてて…今日会って、もっと好きになりました…」

 亜嵐の服をぎゅっと握りしめ、顔を上げて潤んだ瞳で亜嵐を見つめる。

「だから…アランさんじゃないと嫌です…」

 亜嵐に抱きしめられたまま、かなは幸せそうに微笑んだ。

「私、アランさんの彼女になれたんですよね…?夢じゃないんですよね…?」

 そう言って、かなは亜嵐の胸に再び顔をうずめた。その体は喜びで少し震えていた。

「嬉しい…すごくうれしいです…」

「かなちゃん…」

 突然、亜嵐がかなのあごに指を当てて上を向かせると、そっと口づけした。

「んっ…!」

 亜嵐の唇が自分の唇に触れた瞬間、かなの体は再び大きく震えた。驚きに目を見開くが、すぐにうっとりとした表情で目を閉じる。初めてのキスは、甘くて、少しだけ切ない味がした。唇が離れると、かなは夢見るような瞳で亜嵐を見つめた。

「…キス…しちゃった…」

 自分の唇にそっと指で触れながら、かなはぽつりと呟いた。顔は今までにないくらい真っ赤に染まっていた。

「アランさん…これが、初めてのキスです…」

 恥ずかしそうにうつむきながらも、その声は幸せに満ちあふれていた。

「アランさんが…私の初めての人…うれしい…」

 そして、もう一度亜嵐の顔を見上げて、

「あの…もう一回…してほしいです…だめ…ですか?」

 かなは上目遣いで、期待に満ちた瞳で亜嵐を見つめた。彼女の全身が自分を求めているのを亜嵐はその瞳から読みとった。

「もちろん、これから何度でもしてあげる…」

 亜嵐はかなの唇に唇を重ねると、むさぼるように激しく吸った。

「んんっ…!ふぅ…ぁ…」

 今度は最初から目を閉じて、亜嵐のキスを受け入れる。さっきよりも情熱的なキスに、かなの体は熱く火照り、息が少しずつ荒くなっていく。亜嵐の首に両腕を回し、もっと深く求めようとするかのように、必死にしがみついた。唇が離れると、荒い息を整えながら、かなはとろけるような瞳で亜嵐を見つめた。

「アランさん…すごい…頭が…ふわふわする…」

 足元がおぼつかないのか、亜嵐の体にぐったりと体重を預ける。その頬は真っ赤に染まり、口元は小さく開いたままだ。

「もっと…もっと欲しい…アランさんの…全部…」

 もはや恥じらいはどこかへ消え去り、自分の本能が求めるままに亜嵐を見つめていた。

「私…どうなっちゃうんだろう…でも、アランさんといっしょなら…どこへでも行ける気がする…」

 かなは亜嵐の耳元に唇を寄せ、熱い吐息と共にささやいた。

「ねぇ…次は…どうしてほしい…?かな…アランさんの言うこと、なんでも聞くよ…?」

「かなちゃん…」

 ふたりはまた手をつないで歩き出した。公園を夕闇が包み始めていた。

「それじゃあ、今日はぼくの部屋に来るかい…?」

「…アランさんの…お部屋…?」

 かなは一瞬、言葉の意味を理解しようとするように、きょとんとした表情で亜嵐を見つめた。そして、その言葉が何を意味するのかを理解した瞬間、顔をカッと赤く染めた。

「…うん…行く…!」

 迷いは一切なかった。むしろ、それを待っていたかのように、こくりと力強くうなずく。つながれた手に、さらにぎゅっと力を込めた。

(アランさんのお部屋…どんなところなんだろう…アランさんの匂いがするのかな…)

 かなは期待と少しの不安が入り混じった、とろけるような瞳で亜嵐を見上げた。

「私…大丈夫かな…。ちゃんと、アランさんを喜ばせてあげられるかな…?」

不安そうに呟くが、その表情はどこか嬉しそうだった。

「でも…うれしい。アランさんが、私を求めてくれてるのがわかるから…」

 亜嵐の腕に自分の体をすり寄せると、

「早く行きたい…。アランさんのお部屋で…もっともっと、アランさんのこと、感じたい…」

その声は甘く、熱っぽく震えていた。彼女はこれから起こるであろう未知の体験に、身も心も委ねる覚悟を決めていた。


かなちゃんの「愛情度」が100になったので、恋人モードに移行しました。次回からはノクターンノベルズの方で公開します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ