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イレーヌの傷

小柄な女がスマフォを見て声を上げると二人は片膝を着いて頭を下げた。

「知らぬ事とは言え申し訳ありませんでした。私は暗鬼五人衆の一人青鬼」

男が言うと女が頭を下げた。

「私は黄鬼です」

「ど、どうぞよろしく」

亮は深深と頭を下げた。

「申し訳ありませんでした。撃ってしまって」

「大丈夫です、避けられましたから」

「なぜ、避けられたのですか?」

「気配です。それを感じて」

「はっ」

30m離れた場所の気を感じられるとは青鬼は亮の能力に尊敬の念をだいた。


「ところでどうしてここに?」

「ドミンゴの隠しアジトがあると聞いてこの辺りを調べていました」

「なるほど、実はこの辺りで消息を絶った、女性を探している。知らないか?」

「そ、その女なら我々のアジトで捕らえております」

「怪我の具合は?」

亮に言われて二人は顔を見合わせた。

「すぐに手当をしておりますので大丈夫です」

「わかりました、そこに連れていってください。彼女はCIAのエージェントです。

向こうで妹さんが待っています」

「はっ」

青鬼と黄鬼は殺さなくて良かったと思った。


市街地の古びたマホテルのベッドにイレーヌは寝ていた。

「処置は?」

「弾丸は貫通しており出血止まっていて抗生物質を投与しております」

「さすが百戦錬磨の暗鬼ですね、処置が適切ですね。ありがとう」

亮が頭を下げるとベッドに駆け寄ったジュリアは姉イレーヌの手を握った。

「姉さん!」

ジュリアの声にイレーヌは目を開けた。


「ジュリア来てくれたのね」

「言われた通り、團亮さんにお願いして連れてきたわ」

「あの人たち…」

「すみません、間違えて撃ったそうです」

亮は深深と頭を下げた。

「いいえ、こんな仕事をしてるんだから覚悟はしています」

「御神仁と話をして後は任されています。

ドミンゴの隠しアジトで資金と名簿を探し出すんですよね」

「はい」

「後は我々がやりますので任せてください」

「本当ですか!」

「実は…」

亮は作戦のあらましを伝えた。


「でも、どうやってドミンゴの屋敷に入るつもりですか?」

「まぁ一応作戦がありますので」

「はい」

亮はイレーヌを救出したことを御神に連絡をした。

「生きていたのか?」

「はい、怪我はしていますが」

「あ、ありがとう亮」

「今から作戦に入ります」

「だいたいの話は聞いているが、かなり厳しいそうじゃないか」

「そうですね」

亮は自分の描いている計画ではそんなに難しく無いと思っていた。

「それでは1つお願いが……」


******

亮は部屋の外で青鬼、黄鬼と話をした。

「彼女を早急に病院へ搬送してください」

「はい、直ぐに」

「それで、わかりましたか秘密のアジト?」

「先程我々が居た辺りなのですが」

「計画通り明日の夜9時にドミンゴの屋敷を襲撃します。

その前にアジトを見つけてレンジャーに襲撃させたい」

「確かにアジトの方が金が有る分護りは堅いかと」

「はい、高い戦闘能力のレンジャーが適任かと思います」

「レンジャーが動くんですか?」

青鬼は驚いて聞いた。


「はい、僕がレンジャーを指揮します」

「では、副頭領はドミンゴ屋敷突入に参加しないんですか?」

「いや、アジトに7時に突入して制圧9時に間に合わせます。

万が一の時は指揮を関龍に任せます。指示に従ってください」

「かしこまりました」

「では、アジトを探しましょう」

黄鬼はやる気満々だった。


「はい、他の者にも協力させましょう」

亮は関龍に連絡を取った。

「良かった。五人衆の二人と会ったんですね」

「はい、それで人手がいるのですが」

「はい、直ぐに向かわせます」

「場所は…」

「既に確認しております」

まもなく男達が亮の周りに現れ膝まついた。


「この辺りにドミンゴのアジトがある、怪しい所が見つかったら直ぐに報告を」

「はっ」

二十人の暗鬼が散っていった。

「副頭領、暗鬼をしっかり統率なさっている」

青鬼は驚いていた。

「何がですか?」

「なんか信頼感ある感じがします」

「そうですか?組織ですからね」

いつも単独行動の五人衆の二人は理解し難い事だった。

亮はパットを開き地図を見て、仁から送って来たメキシコシティの

土台となったテノチティトランの地図を重ね合わせていた。

「なるほど、ドミンゴ屋敷は

昔のスペイン貴族屋敷跡だつたのか」

1時間ほど経つと次々に暗鬼達の情報が集まってアジトの入口の目星が付いた。


「明日9時に頼みます!」

亮は一人一人握手をしていくと暗鬼達は膝まついて頭を下げた。

青鬼と黄鬼は優しさに満ち溢れた亮とそれに従う暗鬼見てまるで家族の様に感じていた。


「青鬼、黄鬼大体見当が着きました。この辺りを監視出来る場所に暗鬼を

配置して様子を観て明日レンジャーと突入方法を検討します」

「我々は?」

「レンジャーとは会わない方が良い、ドミンゴ屋敷の突入に全力を尽くして下さい」

「承知いたしました」

「ところで後の三人は?」

「まだ連絡が取れていません」

「赤鬼、緑鬼、桃鬼ですか?」

「いいえ赤鬼、緑鬼、黒鬼です」


「女性が一人のパターンか…いずれにしてもスーパー戦隊ですね」

「は?スーパー戦隊?」

黄鬼が首を傾げた

「いや何でも」

亮は元気系のイエローが気に入っていて、あの頃の女優さん特に

木下あゆ美さんどうしているのか気になった。

「これから副頭領ではなくて亮と呼んでください」

「はい、亮様」

二人は頭を下げた。

「今からレンジャーと打ち合わせをしてきます。内容は関龍から連絡します」


亮はそう言い残すとホテルに置いてあった時速300kmが出る

スーパースポーツバイクで北に向かって走らせ30分程で自動車工場に到

るとレンジャー二十人が待機していた。

「クリス、攻撃場所が変更になった」

亮はアジトのあらましを伝えた。

「なるほど、アジトに大量の金と麻薬がある訳だな」

「ああ、ここを掌握すればドミンゴは活動不能だ」

「わかった、上の許可を取る」


「突入したら例の爆弾を爆発させ、ドミンゴと連絡できないようにして、

次にドミンゴ屋敷に突入する」

「そうなるとこちらのレンジャーを屋敷へ向かわせられない」

「大丈夫だ、こちらで処理する」

「わかった」

クリスは理由も聞かず承諾した。

「大量の金があるから激しい抵抗に会うぞ」

「大丈夫だ、天下のレンジャーだぞ、それに亮が指揮するんだろう」

クリスが答えた。

「ええ、まぁな」


亮はタブレットを開いてのリーダーのカルダンとクリスに見せた。

「このメキシコシティは古代都市テノチティトランの上に作られた

都市で地下にたくさんの建造物が埋まっている可能性が高い」

「アジトが見つけにくかったのは、地下の建造物を利用しているからだ。

つまり地下に行く入口だけ小さなビルのドア1枚という訳だ」

「集めた金はどうやって?」

「可能性があるのは地下道を通って別な場所に移動してそこから車で運び出すんだろ」

亮はタブレットに映し出した。現在の地図と古地図を合わせると

何ヶ所か通路のような物が映り出されていた。


「なるほど、ただ突入は厳しそうだ、入口がドア1枚で狭い上に2つしかない」

「そこでEMP爆弾を使う。そうすれば火器が使えなくなり抵抗出来なくなる」

「しかし地上では爆発したら大変な事になるぞ」

「うん、もちろんアジトの中に入ってからだ」

EMPが爆発すれば金属は全て帯電して火器は使えない、

電子機器はパソコン、スマフォ、ハードデスク、SSD,メモリーは破壊される。

クリスは仁の言っていた、賄賂を受け取っているアメリカの政治家の事は知らない。

亮は政治家のリストを危険を犯して入手する事を悩んでいた。

データを持つ事によって入手した部署が力を持つ事が分かっていた。

CIAかFBIかアメリカ国防総省ペンタゴンか入手した組織によって

アメリカの情勢が変わってくる。


「共有はできないよな…やはり爆弾を爆発させてデータをぶっ飛ばそう。それが一番だな」

亮は呟いた。

「クリス中では金属が帯電しているので銃が暴発する可能性がある」

「ではどうする?」

「木刀がある、幸いみんな訓練を受けているんだろ」

亮がカルダンを見るとカルダンは頷いた。

「木刀が無いぞ」

「こちらから届いた荷物の中にある」

亮が木箱を開けると刀が入っていた。

「強化プラスチック製重さが木刀とほぼ同じ500g敵を生かして捕えられる」

亮はカルダンに刀を持たせた。


「これは切っても切れない刀だから相手の急所を狙う、

簡単なのは手の甲と手首ここを叩けば痛みで戦闘不能、

後は首、耳の側、脛、肘、肩、鎖骨等骨の周りを狙う、

逆に頭や腹部や背中等は効果が薄い」

亮はカルダンに狙う場所を教えた。

「亮、1度みんなの前で教えてくれないか?」

カルダンは亮と戦って一泡吹かせたいと思っていた。

「了解です。みんなを集めてください」


修理工事の1部分で亮とカルダンが強化プラスチックの刀を構えて向き合った。

「いいですか、これが中段の構え」

亮は右足を前左足を後ろに刀を両手に持ち剣先をカルダンに向けた。

「カルダン遠慮なく切りかかって下さい」

亮はカルダンの剣先から目を逸らさずに紙一重で避けカルダンの手首に寸止めした。

「おお」

誰かが声を上げた。

「逆にこちらから攻撃する時は右足を踏み込み、左足で強く蹴ります」

亮は3m離れたカルダンの胸元に飛び込んだ。

頭部、ボディは効果が無いので頭部の横耳元を狙います。

そして最も効果があるのが膝から下を思い切り叩く、痛みで戦意喪失します」

「二人が来たらどうしますか?」

質問に亮は二人を相手に見事に剣さばきしてを隊員は声を上げた。

「さあ、皆さんやりましょう」

隊員たは刀を持って向かい合い、お互いに寸止めで打ち合った。


そこにジュリアから亮に連絡が有った。

「今、入院して姉が落ち着いたので話があるそうなんだけど」

「わかりました。1時間ほどで戻ります」

「お願いします」


亮はバイクに跨り猛スピードで走り出した。

「マギー今どこにいる?」

亮はヘルメットの中にある通話装置で電話をした。

「ドミンゴ屋敷から約1000mのルーセントホテルの最上階

スイートルームにいる。全てセッテングしてあるわ。ドローンも飛ばして監視している」

「ありがとう、今から向かう」

「あらら、新しい彼女は?」

マギーは皮肉を込めて言った。

「なぜ知っている?」

「私達はいつも亮を監視しているのよ。色々と危ないから」

「はい、はい。すみませんね心配かけて。彼女の所へ行ってからそちらに向かいます」

「了解、お待ちしています」

電話を切ると亮はすぐに御神仁に電話をした


「兄さん、ドミンゴのアジト突入をレンジャーがする事になった。MPS爆弾を使うのでデータを入手出来ないかもしれない」

「そうか……可能な限り頼むせめてドミンゴの隠し金のありかが知りたい」

「了解、努力します」

「亮、無理するじゃないぞ、お前はビジネマンなんだから」

「わかっています、今回は僕の都合ですから。終わったらハワイでタレント五十人との合宿です日常に戻ります」

「羨ましいな、ちっとも日常は思えないが昨今日本ブームのせいで本物の日本人モデルや女優、アーティストの需要が増えている」

「誰か気に入ったら、広告に使ってください」

「もちろんだ、広告の仕事も大切だ」

「じぁまた」


亮は姉妹のいる病室に入った。

「イレーヌ体調はいかがですか?」

「大丈夫です、ありがとうございます。先程診察が終わって傷は残るけど神経障害は無いようです」

「イレーヌあなたを撃った彼らもこの世界て働く人間です。命があっただけでも幸運としか言いようがありません」

「私もそう思います。彼らを恨んではいません」「医療費は心配しなくて大丈夫です」

「ありがとうございます。今からドミンゴのコンピュータパスワード24桁言います、覚えてください。メモはダメです」

「わかりました。言ってください」

イレーヌは数字、アルファベット大文字、小文字をとりまぜて言った。

「覚えられますか?」

「大丈夫です。覚えました」

亮は復唱して確認した。


「間違いありません、凄いですね」

「あはは、昔から記憶力いいんですよ」

「凄い!私は覚えるまで二日かかったわ」

「でもどうして紙に残さないんですか?」

「もし、誰かに紙で持っている事を知られたら妹だって危なくなる」

「なるほど、ちなみにIDは?」

「それが分からないの、パスワードが変更になった事ドミンゴと

リカルドの会話を盗み聞きしただけだから」

「了解です、頑張ります」

イレーヌはアジトが2ヶ所のドアで潜入がどんなに難しかったか、

知らなかった。そしてパスワードだけではどうしようないと分かっていた。

ただIDは自分に関連した物だと期待していた。


亮はイレーヌに自分と接触させようとしたのは、仁の策略と疑ったが、

暗鬼に撃たれたのは予想外だったに違いない。

そう思った。


「では、行きます。近いうちにいい報告ができると思います」

「ありがとう、お願いします」

そういうとイレーヌが亮の手を握った。

「ジュリアの事お願いします、あの子背中の傷が原因で

男性と付き合いできなくて…普通の男性なら背中の傷を見たら

警戒するか理由を聞くわ、それで…」

「それでは男性は一人も?」

「少しはいたけどみんな長くは続かなかったわ」

「そうですね、男性は黙ってはいませんね」

「ジュリアあなたの事好きになった見たいよ」

イレーヌはまるで亮とジュリアが関係あったみたいな言い方だった。

「で、でも……」

「リカルドと私は関係があるから、ジュリアを身代わりにして情報を引き出せるかもしれないわ」

「関係がある?」

「情報を取るために何度か寝たわ」

「そうなんですか」

「しょうがないわ女スパイの定めよ」

「わかりました頑張ります」


部屋を出るジュリアが亮に抱きつきいきなりキスをした。

「私、朝になったらリカルドと接触するわ」

「そんな事をしなくても」

「私姉と亮の役に立ちたいのだから…」

「わかりました。連絡します」

「分かった」


亮はすぐにルーセントホテルの最上階へ向かった。

「マギーご苦労さま」

「お帰り」

マギーは亮の首に手を回しキスをした。

「ん?女臭い」

「あわわ」

亮はドタバタと慌てていた。

「私が匂いを消してあげる」

マギーは亮に激しくキスをし股間に手を当てた。

「まてマギーとにかく仕事だ」

「なんだつまんない」

亮は部屋の外に出ると広いバルコニーがありそこには大型のドローンがあった。

「これを飛ばしているのか?」

「うん、あそこのドミンゴ屋敷までの距離が1000m」

マギーは双眼鏡を亮に手渡した。

「1000mだと……」

「狙えるよ、ここは高地だからこれなら完璧」

マギーは30-06スプリングフィールドの実包を亮見せた。

「突入時の援護に使える」

「了解、頼むぞマギー」


亮はドミンゴ屋敷の左方向のアジト近辺を双眼鏡で見た。


「そこから左方向3000mに奴らのアジトがある、同時に監視できるか?」

「出来るよ」

マギーはコントローラーを持って止まっていた。ドローンをスタートさせてアジトの方へ飛ばした。

「どれくらい飛べる?」

「新開発の電池使っているから1時間」

「凄いね、普通30分くらいなのに」

「うふふ、亮に特許料が入ると思うわ」

「ん?」

「亮が考えた二原子炭素電池よ。炭素原子の結合の時に電荷の移動で起こる電気の利用」

「ああ、もうできたのか」

ハイジャック事件で得た資金で研究所が作られ様々な研究が行われ緑藻、

緑藻発電、炭素ウェア、炭素ボート、窒化ガリウム半導体、ダイヤモンド半導体

糖尿病関連機器、防犯装置、ペイン弾、インスリン弾

そしてハイブリットバイクまでも作られていた。


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