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覚醒、絶望、破壊

 増える死体、溢れ出る鮮血、魔力による破壊は止まない。

 抱き抱えるヤイバの亡骸。


 何で……どうしてこうなった。


 エネアは一人、泣いていた。

 昨日まで共に飯を囲んでいた仲間はもういない。

 辛い思いをして平和を手に入れたのに、最後まで付きまとってくる研究所の影。


 エネアは辟易していた。

 ああ、そうだ。

 これも全部研究所が悪いのか。


 「待ってて皆。仇は取る」


 エネアは一人で、9人のナンバーズを相手に戦う。


 「No.9……」


 エネアの姿を視認するとエナは小さくボソリと呟く。

 そして、


 「おわりだ」


 強大な魔力の塊による一撃。ツーブレル王国を消した時と同じか、それ以上の威力だろう。

 だが、エネアには効かない。

 体から惑星を創り出し、エナの魔力による一撃を防御する。


 「無駄だよ」

 「――っ!?」


 エネアの瞳には月と太陽が刻まれていた。


 「全てを思い出したんだ。僕の記憶と目的と……」


 「きさま……。隠してたのか?その魔力……」


 「魔力?いや、違うね。これは神の力だよ」


 「神だと?戯言が。死ねぇ!」


 エナの口から放たれる魔力の礫。

 青紫色の禍々しい力だ。


 「無駄だと言っただろう」


 だが、神の力を取り戻した今のエネアの前ではその魔力でさえも無意味だ。


 「じゃあね。ナンバーズ。そしてNo.1さん」

 「くそがぁぁぁぁぁ!!!!」


 エネアの創る巨大な惑星が、エナを飲み込んでゆく。

 その惑星に酸素は無く、一分も持たぬうちに死に至るだろう。

 だがエネアはの怒りは収まらない。

 窒息死なんて生温い。

 エナを包み込んだ巨大な惑星を破壊し、その終末を見届ける。


 そこからのことは川を流れるが如く、エネアによる復讐の破壊は止まらない。


 ナンバーズを全員始末し、残すところはラパンアルゴの王国のみとなっていた。


 「国王様。ただいま戻りました」


 満面の笑み、だがその裏は復習に燃え盛っている。


 「貴様!!No.9か!?まさか生きていたとは……」


 あれだけの仕打ちを受けて尚、生存していたエネアに国王サンドマークは恐怖する。

 だが、サンドマークはナンバーズの事を頼りにしているせいか、その表情からは余裕が見て取れた。


 ――全く忌々しい顔だ。

 その表情を見るだけでエネアの決意は固くなる。


 「貴様がどれだけ生き延びようと、ワシにはナンバーズが――っ!」

 「ナンバーズは全員殺しました。国王様」

 「なんだと!?」


 余裕の笑みはみるみるうちに曇って行く。


 「もう、言い残すことはありませんよね?

 では、さようなら」


 エネアは怪星の半分を巨大惑星で埋め尽くす。


 「ま、ま、待ってくれ……!ワシが悪かっ――」


 サンドマークの言葉ももう聞こえてはいない。


 惑星を創っている最中、グシャという粉砕音と共に国王サンドマークは既に死んでいた。

 だが、エネアは止まらない。


 全てを失い、生きる意味が無くなったこの惑星はエネアにとって、絶望の象徴となっていた。


 「こんな惑星は……いらないよね」


 手の平から創り出された巨大惑星が怪星を飲み込む。

 そして、


 ドゴォォォォォォン!!


 耳を劈く程の崩壊音がこの怪星の終焉を告げた。

 一度は綺麗で、創造神が執着した惑星は創造神を絶望に陥れていたのであった。

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