あとがき
『ゼムナ戦記 翼の使命』、最後までお付き合いくださりありがとうございました。
お読みになられて理解くださったとは思いますが、本作はシリーズ中のタンタル編の最終章となります。星間銀河圏の話に入ってから続いてきたタンタルとの抗争もこれで終わりました。ひと通りの秘密は明らかになり、伏線も回収されたと思います。
そして、最終的にゼムナの遺志は解放されることとなりました。これは本シリーズのメインテーマである人工知性と人間の関係、そして人工知性の行き着くところという命題に一つの持論を提示した形です。
とはいえ全て描ききったとはいわず、これからも人と新たな知性との関わりとして描いていくつもりです。あくまで大きなメインテーマとしてですが。
ストーリー展開としても珍しい試みをしてみました。普通なら格好悪い主人公が成長して格好良くなっていくのがセオリーでしょう。ですがジュネは格好良く登場させて格好良く活躍させて、最後に格好悪くさせるという展開です。リリエルにはいい迷惑だったでしょうが。
年代記としてもようやく結晶的な話になったと思っています。ここまで費やした文字数たるや、頭おかしいですよね(笑)。
さて、一応のひと括りが終わりましたが、シリーズを終了させる気はありません。次章からはネクストジェネレーションズとなります。大きな流れは作らず、これまでの流れは汲みつつ新しい話を綴っていきます。
文字数も三千を目処にしていましたが、どうやら重すぎるようなので二千〜二千五百文字くらいに戻します。更新も朝7時に改めて再出発といきたいと思います。
次章は『ゼムナ戦記 クリムゾンストーム』です。舞台は星間管理局本拠地、惑星メルケーシン。サブタイトルの流れも一新していく所存です。よろしければお付き合いくださいませ。
八波草三郎




