「ダンタリアンの書架」友人のお勧め
著◆三雲岳斗先生
この前のKindleセールの時にまとめて購入しました
「ダンタリアンの書架」をまったく知らない人に向けて説明すると、月刊雑誌「ザ・スニーカー」に掲載されていた連作短編集です。全8巻。
当時私の周りでは伝説的な人気を誇っていました(個人の所感です)
私に舞城王太郎と佐藤友哉をおすすめしてくれた友人(以下、細月)が大好きな本でした。細月は私が小説家になろうで連載をするのを応援してくれた友人で、ファウスト、メフィストも細月から教わりました。私にとって細月は伝導者です。
細月は斜線堂有紀先生のように熱狂的な佐藤友哉ファンでした。このあたりが斜線堂有紀先生に私がファンとしての親近感を抱く理由でもあります。とはいえ細月は私のことが嫌いなので、ここであんまり書くと怒られそうです。このへんで切り上げて本題に戻ります。
「ダンタリアンの書架」
主軸は悪魔の名を冠する図書館・ダンタリアンの書架に幻書を収めるため、各地を旅して蒐集する主人公ヒューイと、ヒロイン・ダリアンの冒険です。旅して、と書きましたが旅しない回もあります。
主人公たちが蒐集する幻書ですが、さまざまなファンタジー効果を持ちます。これがまたSFちっくなタネが使われたり、時に幻想的だったり、時に残酷なオチがついていたり、発売から十年も経っていますが色褪せず楽しめます。
私が好きなお話は「人化の書」と「航海日誌」です。
航海日誌はロマンを感じます。文章から想像できる景色が好きです
人化の書は人外好きにはたまらない、萌え妄想が拡がるお話です
キャラクターも最高なんです
ヒューイの「軍人」ではなく「飛行機乗り」という発言から垣間見える哀切とか、ゲストキャラクターのどうしようもない葛藤の末の結末。
ダリアンの毒舌も語彙に富んで軽妙です。ヒューイの背中を蹴りながら、ドアマットと発言したりするくせに、ヒューイが風邪をひいたときの慌てぶりとか、可愛いところが見え隠れします。ダリアンも人外なので、人外好きさんに強くおすすめしたいですね
細月いわく、私はヒューイに似ているとのことでした
その路線でいくと、細月はダリアンなんですよね
このツンデレさんめ
「ダンタリアンの書架」にはそんな思い出があります
色褪せない名作と十代のころの懐古のお話でした