◆先生へ、十年という歳月について
この間、先生とお会いしたときに先生が私の成長に感慨深げにしていらっしゃいましたね。
今回は先生に向けて、エッセイらしいエッセイを書いてみようと思います
今日お風呂に入っているときに思ったのですが、十年前は鬱の症状が激しく、お風呂に毎日入ることはできなかったなあなどと思い出しました。学校のレポートも出すのがやっとで、プロになりたいと言いながらも文章だって情報量のないスカスカなものしか書けませんでしたね。先生はさぞかし対応に困ったことでしょう。だって総務省のインターネットの使い方をいっしょに見てくれたくらいでしたもんね。懐かしいなあ。いまだにリテラシーはないけど、変なことは書かないようになりました
それに十年もの間、私の原稿をとっておいてくれた先生には感謝してもしきれません。私すら忘れていた文章だったのに……先生、やっぱり大好きです。ありがとうございました。
先生と別れたあと、私は真面目に高校のレポートをやるようになり、ちゃんと卒業して、進学しました
学費の安いところを近場で見つけて入試を受けて、小論文を800字きっちりで収めて満点をとって(満点は初めてだったらしくて先生がこっそり教えてくれました)特待生枠のようなもので、学費免除で通わせてもらいました
小論文を書く訓練が、授業終わりに居残って一日八百字書くというものだったのですが、これがいい文章練習になりました。もちろん文章の作り方を教えてくれた先生のおかげでもあります
進学してからも、やっぱり鬱の気が多くて、授業中に泣きだす・感情の昂りが制御できないなどの問題はありましたが、協力してくれた方がいて、なんとか通い続けて卒業できました
それに同級生にも恵まれました
みんな優しい方で、楽しい思い出ができました
学校で知り合った人と交際に至り、結婚も考えました。それは先生がよく知る理由でダメになってしまいました。あのとき先生に訴えたことは嘘ではありません。PTSDなんでしょうかね、心療内科の先生に相談したことはないんですが、というか今も絶対にしたくないんですが、そういう症状が出て、やはり私は子供を作ることはできないと思い知りました。いい経験になったと思います。人間性と過去を受け入れてくれるパートナーと巡り会うのが私の理想になりました。私の大好きな先生のうち、結婚していない先生もいらっしゃいましたよね。先生にも良縁がありますように。素敵な人と巡り会ってほしいなと思います
それから就職先で運命とも思える上司に会うことができました
接客業は楽しいです
10代の頃、鬱が激しすぎてサブカルにハマって人が嫌いって言っていた頃のことを思い出すと重症だったなあって感じます。精神的に弱すぎたと反省しています。それに人を傷つけたというあの言葉のほとんどが虚勢だったので、もう、私はその言葉の意義を見失いほとんど忘却しています。
十年前、私は人の時間を奪い、人に大きな迷惑をかけてしまいましたね。
すべてが懐かしいです。当事者の方が赦そうと思えなくても、それも仕方ないことだと思います。赦されないままでいいです。だって私は赦す・赦さないに関わらず、いますぐ当事者の方のために死ぬことは無理です。受け入れて生きていくしかないのです。十五歳の時に自殺未遂をしてから死に損なって今の今まできました。
結局、田舎から出ることは叶いませんでした。
けれども今はそれも良かったなと思います。
一人暮らししているときに母親が癌になりました。夜は強い不安感で眠れず、眠れたと思っても過呼吸になって目覚めたり、心がめちゃくちゃになり着るものに気を払えなくなったり、生活が日々崩壊していったときもありました。
今は大丈夫です。寛解、ほぼ完治していますし、実家に戻りました
まあうちは癌家系なんで、いちど発症したら死へのカウントダウンが始まったと親戚から囁かれておりますけど……病気のお話はあんまり好きじゃないですね。やめましょう
ねえ、先生
人生っていろいろあって面白いですね
上手くいっているように見えても、人それぞれ悲哀を抱えているんですね
私は幼く未熟で、いろいろな想像力が足りていませんでした
いまもコミュニケーション能力は低いですけど、
これからの人生は、人に優しく接したいです。
もっとよく人のことを考えるというのをしていきたいです。
先生のことを考えるとより強くそう思えます。
先生を見ていると、人間が愛おしくなります
先生にはどうかそのままで生きていてほしいなと思います。先生と出会えたことが私の人生の幸運でした。人は変わってしまうもので、私もかなり変わり、これからも変わり続けていきますが、先生は私の大好きな先生のままでいてほしいです。わがままな望みですよね。
十数年前に先生に初めてお会いしたときに「結婚しよ!」って言ったことを思い出しました。
謎のマイブーム、いま思い出しても恥ずかしいです。あのときの先生の返し、今思い出しても酷いと思います(笑)
愛している人に愛を直球で伝えてもいいじゃないですか。男性が付き合っていない女性に言うとそういう意味になるかもしれませんが、女性が男性に言っているのならロマンチックに受け取っていただきたいです。ほんとうに、もう……。
大好きです、先生
おやすみなさい