「丸の内魔法少女ミラクリーナ」 2024/10/24
著◆村田沙耶香先生
短編集です。
「丸の内魔法少女ミラクリーナ」めちゃくちゃ面白かったです!
現代の魔法少女としてかなりアリだと思います。魔法少女ものから遠ざかって生きてるので、魔法少女の正義を気にしたことがなかったのですが、物語の結末が魔法少女の正義によって導き出されたもので、正義っていいなみんなのための正義だよなと再確認させられました。
OLが魔法少女だったころの記憶を大事に持って、コンパクトを所持していることも、日常の辛さを忘れられる可愛い幻想のエッセンスがありました。また心が疲弊していくにつれてマスコットキャラクターに元気がなくなっていくところに、くすりと笑わせられるブラックユーモアも感じます。
「無性教室」はジェンダーレスが推し進められた日本での話で、いずれ世界がこうなっていくのかなあと思わせられました。村田沙耶香さんらしいSFですね。
「変容」が魔法少女の次に面白かったです。時代が変容して、その時流行の人格も変わり、使われる言葉も変わっていくという話でした。
セックスが流行らなくなってもう何十年いうのは、さすが「生命式」を書いた村田沙耶香だなと。
セックスも怒るという感情も時代遅れになって、若い人はなもんで、なもむことに癒しを感じる。
そしてラストスパートで新たな言葉「まみまぬんでら」が生じて、主人公もそれに感動してしまう。
異常で面白かったです。
私は村田沙耶香さんの本が好きです。