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第1話 俺、死んだわ


彼の名前は石上いしがみ 章介しょうすけ。日本の大学2年生だが21歳で東京にある大学のキャンパスに通っている。章介は高校3年生の時、希望の大学にはうからなかったので一年浪人した。彼は三軒茶屋の実家暮らしだ。


章介は172cmでやや痩せ気味の体格。日本人特有の黒髪、茶色の目。見た目はごく普通の日本人。

特別彼はモテてているわけではないが、同い年の彼女がいる。タバコは1日2本あたり吸う。


彼女は藤田ふじた あかね。身長は154cmで体重は44Kg。章介曰く胸は少し大きめのCカップらしい。地毛は黒だが明るい茶色に染めている。


二人は同じ大学に通う学生で章介が大学に入学した頃に入ったサークルで出会った。


今日は二人が付き合ってちょうど1年の記念日だった。サプライズで章介はあかねの家に内緒で行く予定をしていた。


季節は春を終え、梅雨の時期の6月18日。


章介はオフィス街付近にある喫茶店でアルバイトをしている。普段は17:00までシフトをいれているがこの日は色々と予定があったため15:00にバイトを終わらせた。


ちょうどこの日車検にだしていた父親の車の引き取りに行き、父の車に乗る。


「よし、バイトも終わったし車検クリアしたから引き取りにいくかあ。車を家まで運転するかそれともそのままあかね家いこうか.. 」


「いや、万が一だ。もし父さんの車を寄り道して傷つけたらさすがにやばいよな。やっぱ一回家帰ってからあかねに会うか」


章介は独り言を車内でぶつぶついいながら家に向かう。


家に車をおいてすぐさまあかねの家に向かう。あかねが住んでいるのは川崎市とはいっても目黒区から近い武蔵小杉のアパートに一人で住んでいる。ちなみに章介があかねに会いに行く時はよく多摩川周辺でよくデートする。


正直章介にとっては大学方面とは逆方向なので交通費がかかるのであまりあかねの家に行くことは多くはない。


キャロットタワーが見えて来た途中雨がつよく降り出して来た。雨でせっかくワックスで整えた髪が台無しになってしまう。付近のコンビニでビニール傘を買ってからいつもどうり章介は三軒茶屋から渋谷経由で武蔵小杉までいく。


中目黒駅についたころには雨はさらに激しく降る。


「(おいおい、なんでこんな大事な日に限って雨がふるんだよ。)」


彼は心の中で愚痴をこぼす。


駅につき北口からでて徒歩10分ほどにとこに小学校近くにあかねのアパートがある。ここの地域の道路はよく渋滞はするが土砂降りの雨だったためいつも以上に車が渋滞していた。


信号が赤になり、傘をさしながらイヤホンをつけスマホをいじり始めた。


「(車渋滞してんなあ.. 交通事故とか起きなきゃいいけど。) 」


そう思いながら信号を待っていると、


  キーーーーン!! 急ブレーキの高音が鳴り響いた。


なにごとかと皆すぐさま反応し、他の信号を待っていた人たちは一斉に横断歩道から離れた。さすがに章介も音にはきずいたがすぐに離れることはできなかった。


突然近くにいた女の子が


「お兄さんあぶなーい。」


と大声で叫ぶ。


気付くと猛スピードで章介にいる歩道に車が突っ込んでくる。


生き物を思いっきりはねた音が響く。


(俺、このまま死んじゃうのかな.. あかり、父さん、母さん.. )


意識が朦朧としていく..


===============================================


朦朧としていた意識が徐々に回復していく。


「あれ、俺死んだのか? すごい軽く感じる。」


「あれ、俺の体は。何も見えないいやここが暗闇の中なのか.. 」


自分の意識だけがふわふわと空間に浮いている感じだ。


すると、優しい女性の声が聞こえて来た。


「今からあなたの今世での体を復元します。」


暗闇の中に急な眩しい光があらわれる。眩しいといっても体がないので目を瞑ることはできない。


眩しい光が現れるとそこには長い茶髪の美しい女性が立っていた。目の色は透き通った空色をしている。


「はじめまして。石上章介さん。」


いきなり現れた女性、そして彼女は章介の名前をしっている。しかも体も急に元に戻った。


するとその女性は


「急に説明をはじめても訳わからないですよね。とりあえずそちらの椅子に座っていただけませんか? 」


そう彼女が問いただすと、木製でできたような椅子が現れた。


彼女はまず自己紹介をはじめた。まず彼女の名前はミクマリという女神らしい。日本神話にでてくるあの神様とはまた別人という。彼女の主な仕事は死者を異世界に勇者として転生させることだそうだ。勇者としての素質をみとめられた死者の魂はここに送られてくる。


章介はいまいち異世界転生については理解はできなかったが自分が交通事故で死んだ事実は理解できた。


「ミクマリさん、やっぱり俺死んじゃったんですね..」


「はい、残念ながら.. 」


「でも俺あかりと付き合い始めて今日でちょうど1年だったんです。これからだってのに.. それに父さんと母さんにも迷惑かけちゃったし.. 俺、親不孝させた上に彼女まで悲しませて.. 」


涙をこぼしながら、章介はどんどんネガティブになっていく


「章介さんのお気持ちはよく分かります。でもそのまま落ち込んでも今と向き合わなければだめですよ。」


沈黙の時間はしばらくつづいた。


ミクマリは泣いている章介をただただ静かに見守ることしかできなかった。


そんな状況の中、歳を取った男性の声が聞こえて来た。


「ミクマリ様、大変です。ミクマリ様の担当の異世界が大変でございます。」


暗闇の中から黒のスーツを身にまとった銀髪の男性が現れた。


「モルテム、少し場を弁えなさい。」


「ですが、ミクマリ様これは一刻もあらそう自体なのです。」


「その前に章介さんに自己紹介をしなさい。」


「はっ。はじめまして章介様 わたくしは死神のモルテムと申します。死神を400年ほどやらせていただいております。」


章介は急に現れた死神に何かをさっとた。


「モルテムさん。俺を連れていくんですね。いつまでも落ち込んでいるから早く俺を成仏させないといけないよな。」


モルテムは眉を顰める。


「章介様、大変申し訳ないのですが私はこちらのミクマリ様に用がありこちらに参りました。ですので、章介様を浄化しに来たのではございません。」


話が少しそれたのでミクマリが問う、


「それで、モルテム。用件の続きは何? 」


「はい、本題に移るのですが、ミクマリ様自ら転生した勇者様たち全員が行方不明なのです。他の世界からきた勇者を名のる者が勇者狩りをしているそうで。彼らがいなくなると異世界同士の次元に影響が..」


「勇者が全員行方不明..  勇者狩り.. それに次元の影響.. 」


ミクマリが困惑してきた。


世界にはあるすべき形として存在し、そのあるべき姿が変化してしまうと世界が空間すらなくなり存在がきえる。


例えば、章介のいた現代社会は科学が発展した。


異世界では科学の代わりに魔法が発展した世界、人類が滅んだ世界など多数存在する。


逆に世界同士の並行を保つために異世界から別の人間を転移や転生させることもある。それは時と場合で異なる。


どうやらミクマリの管理する異世界ではよくある魔物が世界を政略していることだった。だが魔物を倒すためにパワという力が必要だがこの世界にはパワを多くもつ者は多く存在しない。このままだと魔物が支配しこの世界のある形がくずれて世界が崩壊さらに次元に影響することによって他の世界にも崩壊を招く事態になるそうだ。


異世界転生者たちには体内にパワというものを多く体内に含まれている。さらに章介のように勇者の資格があるものにはパワの数値が異常に多く体内に含まれている。


ミクマリが転生あるいは転移させた勇者たちが行方不明になり魔物を倒すどころか世界の存在危機に直面しているのだ。


ミクマリと章介はこの状況を把握するのに時間はかかったが、二人はようやく理解できた。


話を続けるモルテム、


「要するにそこにいる章介様には勇者狩りをした何者を捕らえ、行方不明の勇者様たちを助け、魔物を退治してもらうことです。」


ミクマリは


「最初にそれだけ説明してくれればよかったのに。」


とため息をつく。


「ですが、ミクマリ様これだけ説明をしても結局また一から説明しないとご理解いただけないかと.. 」


焦りながら章介は、


「ちょっと待ってお二人さん! 俺が転生される意味は100歩譲って分かったけどちょっとハードル高くない!? いやいや俺一人だけ無理ゲーなんだけど。」


「ですのでわたくしモルテムが章介様と今回の件について付き添いさせていただきます。」


「えっつ、モルテムさんも来てくれんの? それはすごい助かるけどモルテムさんって強いの? 」


モルテムの強さを疑う章介にミクマリは助言する。


「モルテムは戦闘能力の高い数少ない死神よ。彼がついていれば大丈夫。」


「へえー数少ない戦闘能力の高い死神かあー って、死神!? そういえば最初に死神って言ってたけど死神さんがなんでこんなことすんの?死神って普通死者をあの世に連れていくのが仕事なんじゃないの? 」


ミクマリは説明を続ける、


「たしかに普通の死神はあなたの言ったとおり死者をあの世に連れていくのが仕事よ。でもモルテム位のベテラン位になってくるとそれ以外のこともするのよ。それだけじゃなくてモルテムはちょっとだけ特別な死神なの。」


ちょっとだけの意味は理解できなかったが、こうして章介は勇者狩りをする者を見つけ、他の勇者たちを救うべく異世界へモルテムと共に旅立つことになった。


「その話ちょっと待ったー! 」


また別の誰かが叫んだ。


章介は、


「今度はなんなんだよー! 」


叫んだ。



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