だい7わ 『米の味』
「ふう、お昼になったな」
もしかすると これはアレなのかもしれない。
「さあ、昼食をとろうか……タケルッ!」
となりのせきになった フソウさんをみて……みつづけながら おれはおもっていた。
(な、なんだかんだ……ラブコメですかこりぁ~?)
まあ、そうでしょう。
そうなのでしょう だって そういう ようそしか なかったもん(←本当にそうか?)
「おいどうしたタケル、返事をしろ!」
ガシガシッ かたをゆすられてかた ようやく 僕はきづいた。
「あ、ごめん……ひ、昼飯だよね?食べよ食べよ」
コンビニでかった ハンバーガーと サンドイッチ たんさんジュースを ぼくはつくえにならべ。
「ははっ、なんだその殺伐としたメニューは、今度私が作ってやろうか?」
トンッ!
フソウさんは つくえを くっつけてきた!
ちかい!ちかいちかいちかい! あーこれ かんぜんに アレですわ。
「ふへへ……そういうフソウさんは、どんな料理なのさ?」
なんだかんだラブコメですわ。
「私のはこれだ……」
ピンクいろの はなのがらのつつみをほどき。
ぎんいろの きんぞくべんとうばこを かのじょはあけていく――
パカッ。
「パッパカパッパーパーッパッパー!日の丸弁当ゥー!(旧ドラボイス)」
声似てるッ!? って! そこじゃない!
米!
日本米ッ!に……… 梅干しが一個ッ!
「……だけ?」
まあ よそうできた ネタではあるが。
「馬鹿な、さすがにおかずは別箱だ」
まったく おなじがらの べんとうばこを フソウさんがあける。
なあんだ ふつうに タマゴをやいてかためたものとか ハンバーグとか ブロッコリーとか あるじゃん。
「少し食べてみるか?」
ふふっとわらいながら ややじまんげに フソウさんがいう。
「えっ……いいの!?」
それ やっちゃっていいパターンなんですか?
ぼくたち 今日 であったなか じゃない?
「そんな西洋かぶれの飯では強くなれぬ、タケルにはその名にふさわしい大和男児になってもらわねばな……ほれ」
ちょっとてんかい はやすぎひん?
と おもっていたら かのじょは ぼくのくちに ごはんを つっこんできた。
「あむっ……これは――」
はしで きように! つっこんできた!
こ これは――
「…………う、美味い」
なぜだろう。
ぼくは 日本のコメを たべたことがないのに。
それなのに どうしてこんなに なつかしく。
なみだが でてくるんだろう……
「フフッ、日本人……なのだな、タケルも」
そして フソウさんも もくもくと ごはんを たべはじめた。
きょうの ひるめしは いつもより しおからい あじがした。