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カヌレ
滑るようなベールをまとったのは
拒絶なんかじゃなかったの
私はいつだってぐるぐると
いくつもの感情をかき混ぜながら
あなたにだけは失望されないように
何事にも動じない強さがあるって
そう思って欲しくて
仕上がった生地がなかなか固まらなくて
こんな柔いと印象が悪いんじゃないかって
きちんと立ち上がれるように
あなたの隣に立ち続けられるように
蜜蝋で覆ってじっくり焼いた
だからねお願い
焼けたベールの色はちょっと暗くても
あなただけには知って欲しい
いつも大丈夫で居たいと思うのも
時々苦みを与えてしまうのも
我慢してるのを見抜かれたいのも
全部私の身勝手だけど
中にあるのは柔くてしっとり甘い気持ち
どうしようもなくふくらんでしまう
愛しいって気持ち
カヌレ食べる時に、かじるのにちょっと手間取ります笑