表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

ファーブルトン

もっとちょうだい と言えなかった

唇を噛むだけの 大人ぶった私が

指でなぞる白鳥の十字

視線を滑らせる天の川に沿って


足りない 足りないよ

どんな形容詞も

私の気持ちと違うんだよ

きれいなのにかなしい星たちみたい


これは何

どうすれば伝わるの

伝える価値があるのかもわからずに


へたっぴなまま

気まぐれに手を重ねてみる

ねぇたとえば

この温もりがことばになればいいのに


あなたの心が痛いとき

その頬が冷たくなってくれたら

私はきっと きっと両手で包むのに


どうしてことばにしなくちゃいけないの


その声をあげるのにどれほどの時間を

その文をしぼるのにどれほどの知識を

その涙をながすのにどれほどの見聞を

混ぜて まぜて 交えて


すべてを読み取るころにはたぶん

私はあの日の私じゃないんだ

ごめん ごめんね


いつかまたこの味に出会えるなら

その時も同じ気持ちになれたなら

伝えられる気がするのに

共感も共鳴も同調も、求めすぎじゃないの

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ