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ヴィシソワーズ

くちびるに残った乳白色を

舌でなぞって最後まで

ほのかに野菜の甘みが漂う

クリーム仕立てのヴィシソワーズ

滑り落ちる温度が心地よくて


抱きしめられるのは怖いの

包み込まれるのも苦手だわ

ドラマに出てくる台詞なんかより

ただの「ありがと」があれば充分


あんまり熱いと火傷しちゃうから

胸の奥がビックリしちゃうから

これくらいにしておいて


ふとした瞬間 指が重なって

パッと弾けて 視線が交わる

それくらいにしておいて


今の私にはちょうどいいの

熱くなったら溶けちゃうわ

淡白と呼ばれてきたせいで

こい味に免疫がないみたい


そうね 明日もこの舌は

ヴィシソワーズの冷たさを求める

膨らんだ思いが熱を含んで

余計な肩書きを融かすまで

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― 新着の感想 ―
[良い点] (構成に関するネタバレ?あります……。) やはり秀逸ですね。料理の話と恋愛の話が上手にまざっていきます。最初、一段落目はそのまま「料理」で、二段落目で「恋愛」のみと一気に持っていったな、…
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