テスト②
ちょっと短いです。
どんどん生徒が実技の試験を行っていった。私は自分以外の魔法ををあまり見た事がない。見たことがあるのは、せいぜい私に魔法を教えてくれた王宮の魔法団の人とお父様くらいだ。だからとても興味があった。このテストでいろんな魔法を見れてとても楽しかった。
的に魔法が当たらない者や魔力が弱い者様々で大体の人が10回ほどで的を壊していた。8回で壊れれば上出来と言ったところだろう。
「では、次1295番」
番号が呼ばれるとカタルが返事をして席を立った。彼はどんな魔法を見せてくれるかな?
彼の魔法は雷だった。放たれた光は的を的確に撃ち抜きそれはそれは綺麗なものだった。
彼は5回ほどで的を壊してしまった。
周囲からは驚きの声があがり、恥ずかしそうにしながら彼は戻ってきた。
「凄いねカタル君!雷すっごく綺麗だったよ!」
するとカタルは顔を真っ赤にした。
「そんな褒めんじゃねー!恥ずかしいだろ?それにまだ全然足りてねーし…」
そうかな?十分足りてると思うけど?
「次、1300番」
話している間にいつの間にか私の番だ。
返事をして先生の方に向かった。
あっ!待って!結局なんの魔法で受けるのか決めてなかった!どうしよう…
風でもいいし火でもいいし水でも…あーもう!決められない!こうなったら…
「では、始めてください。」
「あのー…ごめんなさい!使う魔法まだ決められなくて…先生決めてくださいませんか?」
この言葉を聞いた人達はザワザワし始めた。そんなに変なこといったかな?
「…わ、分かりました。では、風でお願いします。」
先生がそう言うとまた周囲がザワザワした。
「では、改めて始めてください。」
私はカタルに的は壊れにくいと聞いていたから多少多めの魔力を込めて的に当てた。
すると1発で的は綺麗になくなった。正確には辺りの土地もだけど…
一瞬静かになりまたザワザワし始めた。
「貴方が最後で良かったです…」
まぁこの後にテストはできないよね…
色んな意味で
先程の場所に戻るとカタルが口をあんぐり開けてこっちを見てきた。
「お前、すごいな…あれどうやったんだ?風って1番的を壊しにくいはずなのに…」
あぁ、だからやけに周りの人達がうるさかったのか。
「どうやってって別に普通に魔法使っただけだよ?カタル君から的は強いって聞いたから少し多めに魔力込めたけど…」
「はぁ、お前の感覚がよく分からねぇよ…」
カタルははぁーっと深いため息をつき肩を落とした。
なんだかんだあったけどテストはこれで滞りなく終了した。
無事に終わって良かったです。
朝来た魔法陣から帰るらしいので、お父様が魔力を注ぐのを魔法陣の真ん中で待っていた。その場にいる誰よりも早く帰れたのは言うまでもない。
読んでくれている方ありがとうございます!
次はお父様と話し合い&試験結果です。