学校…
お父様は部屋を準備してくれたが正直あまり疲れていない。そこで、本を読んで勉強することにした。私もうすぐ学校行くからね!やっと王宮以外の場所に行ける。楽しみすぎ!
イルサーマでは8歳になった次の春から学校に行かなければならない。学校では魔法についてや地理、歴史、数学などを学ぶ。
私が本を読んでいると、側近がやって来て本を取り上げた。
「ローザ様!お休みにならなければなりませんよ。陛下にも言われていらしたでしょう?もう少しご自愛ください!」
いや、だから疲れてないんだって。
「大丈夫よ。私の調子は私が1番分かっています。だから本を返してください。」
側近はキッパリといいえダメですと言って私を抱き上げベッドに運んだ。
私はとぼとぼ布団を被った。もう、せっかく頑張ろうと思ったのに…
そんなことを考えながらゴロゴロしていると、急に側近たちは悲鳴をあげた。慌てて布団を剥いでみると、怯えた様子でこちらを見ていた。
「ローザ様!どうかお許しを!」
側近たちが訳の分からない許しを乞ってきた。何事だろうか?
「どうしたのですか?私、何かしましたか?」
側近たちは顔を見合わせて、1人部屋から出ていった。
「え、えっと、ローザ様の魔力が溢れていらっしゃるので怒らせてしまったのかと…」
魔力が溢れると、周囲の人への危害が少なからずあるので側近たちは恐れていたのだ。
なんと!全然気づかなかった。確かに本持っていかれてちょっと悲しかったけど、前までこんなことで魔力溢れてたっけ?
私はもう少し小さかった時に何度も魔力が溢れていたことがあった。その現象は我儘が通らなかったときや、すごく悲しい出来事があったときなど感情が大きく動いたときしか起こらなかったのだが・・・
「あの、私、怒ってないですよ。逆になんでこんなことになったのか不思議でなりません。」
そうでございましたか。と、側近たちはほっとしていた。
「今ランドール様にこちらへいらっしゃるようにと面会の許可を取っていますので少々お待ちください。」
側近のその言葉通りすぐにお父様がやってきたようだ。
私は未だ絶賛魔力ダダ漏れ中だ。
「ローザ!大丈夫か!」
お父様は、大きな声で叫び慌てて部屋に入ってきた。
「私は大丈夫ですけど、そんな大きな声を出されたら皆びっくりしてしまいますよ。」
「ああ、すまなかった。それより其方の身体のほうが気になる。はやく診せろ。」
そう言ってお父様は私の方に駆け寄ってきた。
「ぐっ!」
「お父様!」
私の魔力のせいで、お父様が吐血してしまった。すごく苦しそうだ。だが、お父様はこんなの慣れているとでも言うように、淡々と話を進めていった。
「大丈夫だ。ローザ、今回は何に怒ってこうなった?」
お決まりの言葉がとんできた。私より自分の心配をして欲しいが、ここは答えなければお父様は一生私の近くにいるだろう。
早く終わらせなければ…
「今日は何も怒っていないのですが、気がついたらこうなってました。自分では止められないのです。どうすれば止まりますか?」
するとお父様がため息をついた。
「これだけの量が溢れているのに気が付かなかったのか?とりあえず魔力を使わせるしかないか…」とぶつぶつ呟いてこちらを見た。
「よし、これからありったけの魔力を其方に使ってもらう。ついでに国王の仕事を把握しておいてもらおう。」
あれ?私が国王になる前提で話進めてるよね?まぁ、でも魔力抑えないとやばいし、学校の勉強にもなるからいいか…
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お父様の部屋に着いてすぐ、王家の者しか入れない部屋に連れていかれた。この部屋は、お父様の部屋と繋がっているらしい。頻繁に出入りしている私でもその存在を知らなかった。
「ローザ、今までこの部屋に気がつかなかっただろう。私が魔法で隠していたのだ。其方にも出来るようにしてもらう。大事な仕事だからな。」
へー、こんなこともお仕事なんだ。もしかして…
「まずはこれからやって貰おう。意外と魔力が減るからな…」
やっぱり!これなら簡単そうだし私にも出来るかも…
ほかの仕事は国絡みだから失敗したらお父様に迷惑かけるし嫌だったんだよねー
「では、この扉に手を当てて魔力を込めなさい。魔力を入れすぎても弾かれるし、入れなさ過ぎても見えなくはならない。それに注意してやるんだ」
私は説明通りにやってみた。魔力を入れすぎたのか、バチッといって私の手が弾かれた。今度は少なすぎ…次は多すぎ…これを永遠と繰り返した。もっと簡単に出来ると思ったのに…
かれこれ2時間、お父様がそろそろ止めていいと言ってきた。
せっかくコツ掴んできたのに…
そういえば、いつの間にか魔力の漏れが止まっていた。
お父様が私に話があると言って人払いをした。また、2人きりだ…
「ローザ、残念ながら普通に学校に行くことは難しそうだ。」
……なんで、めちゃくちゃ楽しみにしてたのに…
明らかに落ち込む私を見て、お父様は口を開いた。
「たが、学校に行けないわけじゃない。そんなに落ち込むな。」
えっ?やったー!!!
「お父様、では私はどのようにして学校に行くのですか?」
目を輝かせて聞いてみた。
「まだ詳しいことは決めていないが、入学前にテストを行い、成績上位の何名かでSクラスを作ろうと思っている。上位の者であれば、多少はローザと釣り合うだろう。」
あれ?なんか嫌な予感がするぞ…
「お父様、あの…テストって…」
「あぁ、テストのことなら心配いらない。恐らく其方が首席であろう。」
いやいや、お父様?私そこまで頭良くないですよ?何よりそのプレッシャーが…
「前にも言ったように其方は優秀だ。自信を持て。」
そんなこと言ったって…
はぁー 私は自室に戻ると深いため息をついた。
いつも読んでくれている方!本当にありがとうございます!
今更なんですけど、誤字がある場合や文章おかしくね?ってなった場合はどんどんお知らせください!
私も気をつけているつもりですが、たまにやらかしている場合があるので知らせてくれるととても嬉しいです。