不思議な世界の裏側
私はランドール・マナリート、ここイルサーマの国王だ。
私には、子供が2人いる。男と女1人ずつだ。
本当は兄のヴィスルに国王を継いで欲しいのだが、条件を満たしていないし、頭が悪いので妹のローザに継いでもらうことにした。
だが、ローザは国王になりたくない。と言ってきた。そろそろ決めないとあの頑固オヤジにお小言を聞かされる。さて、どうしたものか…
「陛下失礼いたします。急ぎのお話があるのですが、お時間よろしいでしょうか?」
ローザの側近が血相をかいてやってきた。よほど大変なことなのだろう。
「いいだろう。申してみよ」
「大変申し訳ございません、ローザ様を王宮の庭で見失ってしまいました。私どもで必死に探しているのですが一向に見つかりません」
私は目を見開いた。まずい…このままでは…
怒りを抑えて出来るだけ動揺を見せないように側近に尋ねた。
「いなくなってからどれほど時間が経つ?」
「1日でございます。」
どこかで倒れてはいないよな?
「もう一度探してこい、それでも見つからなければ私が行こう」
私がそう言うと、側近は急いでローザを探しに行った。
さてどうしたものか…とりあえずナイリーンに伝えよう。
私は妻であるナイリーンに相談することにした。あちらも忙しいのですぐには会えないと思っていたが、意外とすんなりことが進みその日のうちに会うことが出来た。
一緒に昼食を食べながら相談することにしたので、昼食に誘ってみた。
「どうしたのですか?貴方が御飯を一緒にたべようなんて…」
私はいつも1人で食べているので、と嫌味を含み私を見つめて微笑んできた。私はナイリーンを1人にさせたい訳じゃないのだが…
「実はローザが1日中見つからないそうだ。今側近たちが必死に探しているそうだが、其方は心当たりの場所はないか?」
やはりとても驚いたのかナイリーンは目を見開いて、一瞬動きが止まった。
「私は存じ上げません。けれど心配ですね…ローザが無事であると良いのですが…そうだわ、私は今日の仕事を終えたので今から探しに行こうかしら」
ナイリーンは、思いついたらすぐに行動してしまう。それ自体はいいのだが、行動する度に面倒なことになってしまう。それを阻止できる人はとても少ないため説得を試みた。
「それは有難いが其方には休息が必要であろう?やっと休みが取れたんだ。今日はゆっくり休め」
「でも…」
ナイリーンは完全にやる気だ。せめて私がいるところならばいいのだが、受け入れてくれるだろうか?
「私は仕事が終われば探しに行く予定だ。その時に其方も来ればよかろう」
「分かりました。それならば貴方の仕事を手伝いましょう。そしたら早くローザをさがしにいけるでしょう?」
おっとぉー 変なスイッチが入ってしまった。まぁ良しとしよう…仕事減るし
「分かった。では昼食後に私の部屋に来てくれ」
「はいっ!かしこまりました!」
ナイリーンはとても威勢のいい声で返事をした。
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「さあ終わりましたよ!早くローザを探しにいきますよ!」
よ、予想以上に早く終わった…
まだあれから2日しか経っていないのに
私が仕事が遅いのか、それともナイリーンが速いのか…
まあいい ローザを早く探しに行けるのだ。そんなことは気にしないようにしよう。
私たちはローザが居なくなったという庭に行ってみた。
そこには側近たちもいた。やはりまだ見つかっていないようで私たちを見るなり飛ぶようにしてやってきた。
「本当に申し訳ありませんでした。」
「やめてくれ、揃いも揃って頭を下げるな。別に其方等を責めている訳では無い。それにこんな事をしている間にローザを探してはくれぬか?」
すると側近たちは、はっ!と顔を上げて畏まりました。と言って去っていった。さてそろそろ私たちも探すとしよう。
しかしこれだけ探しても見つからないとは…
不安になってきた。カワイイ娘がいなくなってしまったら、私は生きていけるのか?それに、このまま見つからなければヴィルスに国王を継がせなければならない。
急いで探すとしよう。
「ナイリーン、其方は西の方を探してくれ。私は東の方を探す。もし、ローザか手がかりを見つけたら魔法弾を空にはなて。」
「分かりました」
そして私たちは魔力で動く乗り物に乗って探しに行った。
どんどん先に進んでついに東の果てまで来てしまった。そろそろあちらも西の果てまで着いているだろう。しかし、まだ魔法弾は上がらない。
ローザどこへ行ってしまったんだ…くそっ!
とりあえず元の場所に戻ることにした。
元の場所にはナイリーンが先に戻ってきていた。
「貴方、ローザは見つかりませんでした。」
「私もだ…」
悔しい表情を浮かべているとナイリーンが口を開いた。
「あまり大きな声で言えないのですが…心当たりが…」
「何っ!なんだ?早く言え!」
私は驚いて思わずナイリーンに飛びついた。
「貴方、あまり大きな声では言えないと言っていますよね?」
やばい…ナイリーンを怒らせてしまった。私がこの世で1番恐れていることだ。これ以上怒らせないようにしよう。
「すまない、ならば私の部屋に行くぞ」
「はい」
部屋に入ると椅子に座り早速話を聞いた。
「それで、心当たりとは何だ?」
「貴方は、ダルタナ様を知っておられますよね?私も昔は一応国王候補だったので知っているのですけど…」
「あぁ。知っている。まさか…あそこに行ったのか?でも何故?あそこへは行き方を知らないと行くことが出来ないのに…」
「でもそれが1番可能性が高いと思います。あそこはこの世の空間ではないですし、1分が1日でしょう?」
「確かに可能性は高いな。それならばあの場所へ繋がる所で待つとしよう。ローザがいなくなってからどれほどたつ?」
「確か5日です。」
ならばもう少しで帰ってくるな。
「では出発するぞ」
決して誰にも知られてはならないため、私とナイリーンの2人で行くことにした。
2日待つと目の前が急に光った。ビンゴだ!
ローザが光の中から出てくると私は思わずローザに抱きついた
するとローザは不思議そうに尋ねてきた
「どうしたのですか?急に抱きついてくるなんて…」
私は思わず目を見開いた。分かってはいたがやはり驚いてしまう。
「其方は1週間も姿が見られなかったのだぞ?心配して当然じゃないか!すでに死んでしまったのではないかと気が気でなかったのだぞ?」
ローザはあんな短時間しか経ってないのに…って顔をしている
するとローザが口を開いた
「ダルタナ様のところへ行っていたのです」
やはりか…
「その話は私以外にはするな、分かったか?」
ローザは怒られている時の顔になった 別に怒っていないのだが
「はい、分かりました」
よし、ローザには休息が必要だろう。恐らく大量の魔力を使っだろうからな。
私はローザの側近たちに食事とベッドの準備を頼んだ。きっとすぐに終わるだろう。
「出来るだけ早く其方と話がしたいのだが、3日先まで予定が埋まっているのだ。それまで少し待っていてくれるか?」
本当に申し訳ない。仕事が減れば良いのだが…
するとローザは微笑んで言った
「分かりました。お仕事頑張ってください」
ぬぉーーカワイイ 可愛すぎる我が愛しの娘
やはりローザと離れるのは嫌だな〜
更新遅れてすいません!
なんだかんだで2週間も過ぎてました。
さてローザはそろそろ学校に行く年になりました。次はそれ関連です。