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②章[うつつトゥルー☆冷血吸血鬼ギャンブルジャンキーの鉄仮面を撃ちぬけ! 戦慄の豪運キングとインディアンポーカー対決!? 僕はここまでだ…… ――――№3黒色ブラッド]   其の二

②章


☆うつつトゥルー☆


[冷血吸血鬼ギャンブルジャンキーの鉄仮面を撃ちぬけ! 戦慄の豪運キングとインディアンポーカー対決!? 僕はここまでだ…… ――№3黒色ブラッド] 其の二







「今日でかい勝負があるの……羽屋里君。一緒にカジノに来てくれないかしら?」

 人がいない場所で話したい、と言う現先輩の要望により僕がカギを持つ屋上に移動した屋先での彼女の発言だった。

「現先輩それって……例のキングって言う人とやりあうってことですかねぇ……」

「あら、羽屋里君、話が早いわね。そう……私が唯一負けた人、裏カジノのキングとの再戦があるの、そこにぜひ、羽屋里君に立ち会ってほしいのよ。そうすれば私を裏切った事をチャラにしてあげるわ、キングという男はただ者じゃないわ、何か妙な感じがするのよ……」

「妙ですか……わかりました。行きましょう! ただし――その人と先に僕が戦わせてください。僕のカジノ狩りの集大成にしたいので……いいでしょうか?」

「羽屋里君……バカね、やっぱりあなたカジノ狩りなんて……下らない事していたのね……まぁいいわ、あなたとキングの勝負を観察して、私も戦い方を考えるから……それじゃあ放課後に六本木の駅の大きな喫茶店で待ち合わせね、いいかしら?」

「本当ですよね……下らないことだ。ありがとうございます! では放課後! あ、そうだ先輩、最後に一つ言っておきたい事があるんですが――」

 僕は神妙な顔をして、無表情で首を傾げる彼女に言った。

「――必ず今回は現先輩を僕は救いますから……必ず! 君の抱える闇から救ってみせる」

 と、僕は言い残して屋上を後にし、放課後を待った――現先輩は無表情のまま固まっていた。







 放課後になり、喫茶店に向かうと、そこには現アヤの真後ろに浮かぶ№3の姿があった。

「やぁ少年、なんとなくだが、久しぶりの気がするねぇ……なにか呪文を使っただろう? そこの悪魔かなぁ……ケロベロス君といったかな……それともそのネックレス姿の哀れなお嬢さんかなぁ……ハテャッハッツ!! まぁ、お前らが何したかなんてどうでもいい……もうすぐこの子は完全に私と一体化する――今日お前らはその養分として呼ばれたのだ……あの不思議な男を……キングを名乗る男を喰らう前の養分としてなぁ! さぁカーニバルの始まりだ……」

「待て! もう僕に彼女のトラウマを見せてくれなくて結構だ……黒色ブラッド! お前の好きにはさせない、もうすぐケリをつけてやる……」

 僕が喫茶店に来た事に現先輩も気がつき僕の方を振り向いた。

「羽屋里君? 今、誰かと話していた? 気のせいかしら……まぁいいわ、行きましょうか」

「気のせいですよ! それじゃあ向かいましょう……って、嘘だろ」

ズルズルスゥー! と№3が持っていたストローを吸った――すると、前と同様に僕の目前がいきなり真っ暗になった。そして暗闇の中№3の声のみが聞こえた。








「お、成功、成功。ハテャッハッツ!! そう驚くなよ、少年……って!? 全く驚いてないねぇ! これは予想外……魔力で作りあげたこの空間を知っているってことか、ここに吸い寄せられた事があるってことか……ハテャッハッツ!! いったいどんな魔術をお前らは使ったんだ? 相当の対価が必要な魔術だと言う事はなんとなく推理できるが……それなら俺は恐らくもう、お前に見せたのだろうな、現アヤのトラウマを……なら、それもまたよかろう。今度は彼女が唯一、母親を助けられた……ハテャッハッツ!! チープな過去を見せてやろう」

「現先輩がお母さんを助けた話し! そんな物語があるのか! 僕は初耳だぞ……」

「おっ、ようやく喰いついたね……いいよ、君にはカジノに着くまで彼女と会話して欲しくないからねぇ、見せてやるよ……時間稼ぎにしか使えないつまらない家族の物語を見せてやろう」

 僕の視界の中に現先輩の過去が映し出された――唯一の救いが、映し出された。








 母――私の人間観察の対象1号である――私が助けてあげたいと思う負けっぱなしの人。

 家族でトランプのババ抜きをすると、決って母は炸裂する癖があった。ジョーカーを母が持つ時に、相手にジョーカーが引かれる瞬間、母は大きくパチパチと、瞬きをする癖があった。その癖をいつも父に利用され、母はいつもジョーカーを持っていた。

 ある日、私は思い切って母がジョーカーを抱えた時、その癖で判別し、ジョーカーを引いたのだった。父は青ざめ唖然とし、私は父との読み合いに必ず勝ち、母の所にジョーカーがきた時には必ず回収し、父を打ち負かしていた――あまりに父が負ける事に母が気づき、母は自分の癖に気づいた。

 そして、母はそれからというもの、トランプをする時は、私を――私の冷たく強い鉄仮面を頼ってくれた。あえて癖を直さず私に救いを求めたのである。私は答えなくてはいけなかった……そして、それが嬉しかったのだ。頼られて、助けられたことが嬉しくて堪らなかった。負けられなかった。このゲームは本当に素晴らしいと、私は初めて感謝した。

それからというものあまりに父ばかり負けるのでトランプを家族でやる事はなくなったが、私にとってこの思い出は――ゲームは素晴らしく救いのある、きっと忘れられないモノになった。

「ありがとうね、アヤ」

 と、言ってくれた。母が唯一、救われた顔を見せたその表情だけは忘れられない。願わくは私もこんな表情を1度でいいからしてみたいモノだった――……。






「羽屋里君……? ねぇ? 羽屋里君ってば! 聞いているの?――」

「ハッン! あ……戻ってきた……ごめんなさい……現先輩、聞いていませんでした」

「もう……どうしたの? 疲れているの? 疲れている場合じゃないわよ。ここよ、着いたわ」

 僕が現実世界に戻ると、そこは僕が知っている――現先輩に完膚なきまでに、カニバリられたいつかのカジノが入っている雑居ビルの前だった。

 現先輩がギャンブルジャンキーになぜ選ばれたのか、今の過去を見て、やっと分かった。依存というモノは好きなものにするのである――従ってこの過去のトランプゲームは唯一の彼女と母親の救いだったモノであった、それにつけ込んで彼女をジャンキーに変えた№3と僕は決着をつける時がきた……そして今の過去を見てその鍵も見つけた、覚悟を決めて中に入る。

「行きましょうか! 現先輩! さぁ、最終決戦の始まりですよ!」








「君が天元か、そこに掛けたまえ! ふん? 緊張しているのかな? 物珍しそうにキョロキョロ人の顔を見ているねぇ~! 違法カジノを取り仕切るキングはもっと怖そうなオジサンとでも思ったかい? ハハハ、こんな物騒な施設を取り仕切れるのは勢いが売りの命知らずの若人だけだよ! 君の噂は聞いているよ、すごいねぇ~! これからギャンブルするのが楽しみだ……さぁ、早速始めようか、えっーと勝負は5回戦で『権利』を使うには3億、レートは1億~10億でどうかい? それに先に3本勝つか、相手の資金を全て絞り取れば勝ちでいかがだろうかねぇ? 敗者は勝者に当然、何らかのトロフィを差し出そう、自分のケジメとしてね」

 僕らがカジノ内に入ると、僕に気軽に声をかけ、軽快に話始める金髪の線の細い感じの20代前半だろうと推測できる若い男がいた――この今時の細身白シャツに黒のスキニーを着て高そうな小物を身にまとう若者が、六本木の全裏カジノを仕切るキングの異名を持つ男だと言う。

「わかりました、キングさん。って! やばい……今、僕お金がないじゃないか! しまった……石榑さんを呼んでおくのをすっかり忘れていた……すみません、少し待って下さい」

 勝負のテーブルに腰を掛けていた僕だったが、石榑さんを電話で呼ぶ為に立とうとしたところをキングがニコニコとして、引きとめ僕の顔に近づいて、言った。

「ああ、言い忘れていたが、君からの挑戦を雪の女王から聞いた時に、もう僕は張り切ってしまってねぇ! 鬼旗とは元々友人でね! 君の資金を預かって来たよ、30億ほどね……もっとも……そこにいる雪の女王はこの金で僕とギャンブルをするつもりだったのだろうけどね! だって、雪の女王はこの前僕に負けたので全部お金を溶かしたハズだからねぇ!」

 石榑さんとキングが知り合いなのは、意外に思えたが翌々考えると、年も近そうだし、石榑さんがこれだけカジノを僕に紹介できていたのも、これでさらに納得がいく。

 僕の席の後ろで立つ現先輩が、冷たく無表情で僕を見つめ僕を利用しようとしている事を明かした。キングは僕の様子を終始伺っていたが、僕は何一つ動揺しなかった。

「ええ、その通りだわ……ごめんなさいね、羽屋里君……私は冷たいのよ、ギャンブルができるならどんな人も利用するし、どんなお金でも構わないのよ!」

「そんな事どうでもいいですよ、キングさん。現先輩は今おかしくなっているだけなんです。これが本当の彼女ではないんですよ、だから僕は利用されようが、彼女を救うために最善を尽くします。お金があるならよかったですよ! 早く始めましょう……悪いですが直ぐに終わりますよ、この勝負――頼むぞ、ケロベロス……。最後のカジノ狩りだ!」

「うん。いい顔をしているね、天元! じゃあ始めようか、先行は君で結構だ。ちなみに僕の今回の資金は10億だ! 君の3分の1だ、頑張りたまえ! さぁ、カードを引こうか」

 カジノ狩り最終局面――天元VSキング開戦である。第一戦お互いにカードをドロー。






「天元お前のカードは6、相手のカードは5だ! 勝ってはいるが……微妙な数字だな」

 今回僕は3連勝を狙っているが、話を聞く限り僕が資金的には有利であり、ゲームをコントロールできそうだ。そして今日はカジノのギャラリー達も沢山いる、下手にヘビを使って毎回降ろさせる思考にするのも、不自然だ。まだ1戦目、ここは普通に戦う事がベストだ。それなら……ケロベロスが教えてくれた数字を活用して、ブラフ偽装のレートアップで様子を見よう。

「じゃあ、僕は10億までレートを上げます。さぁ、キングさんのターンですよ」

 僕が不敵に微笑みながら、ターン終了を告げると、キングは頭を抱えて一言。

「降り」

 と、呟いた。1戦目は僕が勝ち1億が流れてきた――この時、僕は事もあろうか、この男を「ぬるい」と、思ってしまった。今思えば、それが僕のミスであり、驕りであった。どこに『6』相手に降りるキングがいるのだろうかと、考えなかった思考停止が招いた――破滅であった。







「かぁああ……強いね……天元、簡単に1敗してしまったよ! いやいや、ギャラリーの皆さま申し訳ありませんね、もう少し頑張りますね! よっと!」

 お互いにカードをドローし、額にあてた。第2回戦が始まった。

「次は天元が8で相手はKだ……ここはレートアップを上手く使って、ヘビで降ろしたいところだな、そうすればもう奴の負けは目前だ……ここは是非とも降ろしたい場面だ!」

「そうだな、ケロベロス。ここだと言う時に打ち込む、頼んだぞ」

「うん? 天元、今……何か言ったかい? もう一度頼むよ」

 一瞬、ドキン! とした。小さく呟く感じだった僕とケロベロスの会話がキングに聞こえたみたいだった。僕は薄ら笑いをし、その場を誤魔化した。

「すみません、キングさんのカードを見て動揺しただけです……発声お願いします」

「ははは、なんだそうか、ならレート上げちゃおうかな! 5億円で行ってみようか!」

 かかった――ここで僕がさらにレートを上げて、『ヘビ』を撃ち込んでこの戦いを降ろさせれば後は勝つのは容易い。3戦目からは疑心暗鬼になった人間を資金の圧力で押す、僕が続けた苦痛のカジノ狩りで磨いた戦い方でいける。この2戦目を取れれば確実に僕の勝ちだ――石榑さんの友達だから、ここでイカサマをするのは心が痛いが、お金を後で返せばそう問題はないだろう……僕はそういうやり方でここまできたんだ――ケロベロスをキングに向けてかまえた。

「それなら、僕もレートアップ10億で……あれ、そうだ! キングさんは残り資金9億でしたね、なら9億で――これで終わりです。ヘ……――」

 僕が『ヘビ』と言いかけた瞬間、キングが僕を鋭く睨んでいる事に気づいた……そして、妙な気分になった。僕が言葉を止めると、それに被せるようにキングが話し始めた。

「いいよ、天元10億で! 僕はこの命で1億払おう、うん? どうした? 喋れないのか? まあいい、そりゃあびっくりして声がでないよな! 俺の後ろの幸運の女神が見えるんだろ?」

 僕は目を疑っていた。陽気にそう言うキングが僕を睨んでいたのではなく、睨んでいたのはそのキングの後ろにぴったりと憑く、白い羽を持つ、僕が見た事もない天使だったからだ。

 硬直する僕と、ケロベロスに、キングがニッコリと言った。

「よし、じゃあ10億で勝負だ、天元! と、その前にまずはそのかまえている銃の悪魔をどけてもらおうか……よし、決めた! 僕は君に勝ったらトロフィとしてその悪魔と、君の付けているネックレスを貰う事にするよ! 見えていたよ……最初から、僕も天国の会社で雇われているからね。嫌なら指5本でも置いていってくれるなら帰っていいよ。こっちだって建前があるのだ! 悪いね、お客さんが君に沢山養分にされたからね、キングとして君にケジメをつけさせないといけないんだ。分かってくれ……むしろそれだけで手を打ってやると言っているんだ感謝してほしいね、事情はどうあれ、君が僕の居場所を荒らした責任は取って貰うよ!」

「な……なんで、どうして……じゃあ1戦目はわざと落したんですか……マジかよ……」

 第二戦目勝者キング残り資産19億、成績1勝1敗――天元資産残り21億、成績1勝1敗

「さぁ、皆さん! 待たせたなぁ! カジノ狩りで有名なこの少年に我々の居場所を守るため反撃を開始します――キングのスーパ博打にヴァイブス震えてアゲアゲだぜ! チェケラ!!」








 六本木の裏カジノを仕切るキングを名乗る若者――どうしてこの街の違法カジノは警察に摘発されないのだろうか? そんな疑問は誰でも浮かぶ、そして安易な考えをみつけ納得するのだった。「警察もグルで経営している」「ヤクザが手をまわしている」「大物政治家達に贔屓にされている」など、とてもチープな回答ばかり。真実はそんな単純なものではない――ギャンブラー達のここでしか見いだせない自分達の居場所を作る為、天国の会社に所属し、悪魔と日々戦い捕獲し、天使に協力した対価として、この居場所を彼は守って貰っている――神様に。

 天元が不利になった事は、ケロベロスによるイカサマが封じられた事だけではない。彼のパートナー天使『マテリアルウーマン』の力、『鉄の豪運』をこれから相手にしなければいけないと言う事だ――ギャラリーの状況も好ましくない。みんなキング側の人間であり完全アウェイである。だと、言っても逃げだす事はできない……。本来は同じ天使側の人間同士である為、戦いたくはない! だが、僕は怒らせてしまったのだ……現先輩を救おうとカジノ狩りを始め、彼の居場所を――キングの城を荒らし続けた事に彼は激怒した……。

 指5本はとてもじゃないが無理だ、僕には戦う事しか選択できない。キングVS天元、第三戦目が始まった。







 神々しい光がキングの手に天使マテリアルウーマンによって、宿されカードを引いた。僕にはもうケロベロスを使ったイカサマは使えない。相手のカードを見て発声するだけだ……。

「天元、ヤバい状況になってしまったな……まさかキングが天使と契約しているとは……」

「ああ、ケロベロスこれは厄介なことになった。僕には相手の天使の能力が分からない、ここには石榑さんも忍足さんもいない……それにお前には天使の頃の記憶がない、だからあの天使の情報は分からない、あいつから見たら僕はただの悪魔使いだ……前の石榑さんと同じな……」

 キングの額のカードは『K』である。僕のカードは分からない……発声は僕のターン。

「僕はカードをチェンジします。そして、僕はそのカードを確認して勝負させてもらいます!『権利』を使います……3億払いましょう」

「ふーん、どうぞお好きに、抗ってくれ……そして、これから始まるのは一方的な理不尽だ、耐えてくれよ……少年、君がどう思考を凝らしても覆らない運命の残酷さに!」

 キングはテーブルに足を掛け、椅子の背もたれをふんだんに使い、まるで王様座りと、言わんばかりの態度に一変した。バニーガールにジュースを飲ませて、もらって偉そうな男だ。

 僕が『権利』で引いてきたカードは『Q』だ。いいカードだ! 僕はそのカードを選択した。

「僕はQで戦います。レートアップ10億だ! さぁ、あなたのターンですよ、キング」

 僕は渾身のブラフをうった。降りてくれても、最悪相手がカード交換でもしてくれたら、僕にもチャンスが十分にある。さて、キングはどう動くって……おい……。奴は椅子から立ち上がりギャラリーに向かって、ミュージカルの様に動きまわりながら喋り始めた。

「天元は今始めて、自分の力だけでこの勝負に臨みました。素晴らしい拍手をしましょう! だからこんな、しょぼいブラフが精一杯だったのでしょう……心細かったでしょう、自信がなかったでしょう……何故なら彼はこの1戦以外は全て、イカサマを使っていましたからねぇ! そのカラクリを皆様に教えられないのは残念ですが、簡単な話です。こいつがやっていた事はただの覗きだ! さぁ勝負しましょう! これでキング様の2勝目だ! ごちそうさん!」

 第3戦……勝者キング残り資金32億――天元残り資産8億、残り2戦。







 そして、すぐに4回戦が始まった。

 形勢はもう完全に逆転していた。

 またしてもキングは、天使に宿された神々しい光を放つ手でカードをドローした。

 その数字は『K』であった。もはや言うまでもない、奴はファーストドローで必ず一番強いカードを引こうと思えば引けるのだ――豪運を天使から授かれるそれが、キングのキングたる所以であった。

「ごめんなさい、現先輩……僕この人に勝てそうにないです……でも、この1戦もし、僕が勝てたら……現先輩を救えるルートを見つけました……だから、僕はこの1戦必ず勝ちたい! 恐怖を捨てろ……鉄仮面を借りろ……理不尽を愛せ……――頼むぞ、ケロベロス……ヘビ!」

 僕は自分の額にケロベロスを向け、呪文を唱えた。弾丸が僕の額に命中した。








其の三に続く――――。


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