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終章「ハヤリキスメット✪流行病にかかったなぁ~と、思ったらすぐに強靭な銃と中二病な少年のコンビを頼ってください、必ずあなたを救ってみせるでしょう ――悪魔魔神ケロベロス]

今回で一区切りつきましたので最終回となります! 書いていて楽しかったです。

終章


✪ハヤリキスメット✪


[流行病にかかったなぁ~と、思ったらすぐに強靭な銃と中二病な少年のコンビを頼ってください、必ずあなたを救ってみせるでしょう ――悪魔魔神ケロベロス]












 僕は、この特別な日常を捨てない。








「いやぁ~、暑さ寒さも彼岸までって言うけれども、この前までの暑さが嘘のように過ごしやすい陽気になったな! 今年の夏は楽しかったな、秋はどんな事があるかな、キスメット!」

 僕は相変わらず№達がいなくなった後も、キスメットが働くオリハルコンでの仕事を手伝っていた。

 相棒のケロベロスがいなくなって心細いが、石榑さんや、忍足さん、キングさんなんかにアドバイスを貰いながら何とか頑張っている――そして、休日の今日も僕は現世で悪さをしている悪魔をキスメットと捕まえにきた。

「まぁ、秋も充実したものになればいいな。そうだ、天元……こんなに頻繁に私の仕事に付き合わなくても大丈夫だぞ、助かるのだが天元にもう私を助ける義務はない、好きに生活してもらってかまわないのだぞ? 仕事は捗るし本当にありがたいのだけど、無理はしないでくれな」

「いやいや、無理なんてしてないよ。それに義務だとも思ってない――モコちゃんの葬式で僕と君とケロベロスが出会ったあの瞬間から、神様が僕に与えてくれた最高の権利だと考えているんだ! だから、僕は自らキスメットに付いていたいと思っているんだよ、それだけさ!」

「そうか……ありがとう、天元。よし! 早く仕事を終わらせて美味いものでも食べに行こう! 今日は私の奢りだ! 現も氷見も形良もモコちゃんも石榑もディスコネクトもキングもマテリアルウーマンも忍足もみんな呼ぼう、今日は土曜日だし盛り上がろう! 店は石榑に押さえさせよう」

 そうニコニコとキスメットが笑いながら言った――この笑顔を守るため、ケロベロスは頑張ったのだろう! それでも彼の罪は消えないのだろう。

 だが、ケロベロスお前のおかげで今、僕は生きている。お前が背負う友の命を殺めた罪は僕も背負うべきだ。だって僕はそのおかげで生きているんだから……この骨で生きているんだから。

 僕はこれからもキスメットを守り償いつづけるよ、それが僕の運命だ。この罪はもうお前だけのものじゃないんだ! ケロベロス……僕達2人のものだ……だから、もう一度戻って来て僕に力を貸してくれ、ケロベロス……。









「地獄トーナメントヘビー級の優勝賞品はレア装備アイテム『魔神でもどこでも行ける変身セット』だ! 注目選手はリハビリを終え復活したケロベロス選手だ。果して優勝は誰の手に!?」

 地獄スタジアムにそう実況の声が木霊した。

 トーナメント決勝戦――ケロベロスVSデーモン。 

「またせたな! 天元、キスメット。俺にはもう地獄は暗すぎる! 誰が相手でも必ず勝つ!」

 地獄ではその時、こんな中二病なセリフがトーナメント会場中に響き渡っていた。







 僕とキスメットが仕事を片付け、みんなに連絡し集まってもらった店へと向かう道中――僕達の背後から『正義は遅れて登場するもんだぜ! さぁ、行こう!』と、僕達がよく聞きなれた強靭な銃の声がした。

 僕達がまさか……と、振り返ると、そこには相棒の姿があった。

 かっけぇ――流行り病にかかった。







✪ハヤリキスメット✪  完。





        


       「借り骨折りの少年と流行ジャンキーな少女達」



                おしまい。




現代の流行り病をメインに物語を進めてきました。

まだまだ、流行っている中毒症状は色々あると思いますので、いつか続きもしくは、新たな流行りジャンキーを書きたいです。


読んでいただきありがとうございました^^


天元君のように私も『困っている人』の『困る』に気づき――


自分が『助ける』事でコミットし、期待にこたえて

救っていきたいものですねっ!(⊃´へ`⊂)

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