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③章[モコバッド★悲しい運命を変えろ! 僕と契約した銃と骨と株式会社オリハルコン! 悪魔集団№とデーモン登場! 最悪でキキなモコの1年間 ――――№2マミーがるる] 其の五

③章


★モコバッド★


[悲しい運命を変えろ! 僕と契約した銃と骨と株式会社オリハルコン! 悪魔集団№とデーモン登場! 最悪でキキなモコの1年間 ――――№2マミーがるる] 其の五






 最初に天元達が天国から帰還してから――丁度、1年ほどの時日が経過していた――。

 この一年間僕は、日本各地を周り悪魔狩りに没頭していた。今日はその成果を見せるべく1年ぶりに、ディスコネクトさんと連絡をとり、天国まで連れて来てもらった。

「ディスコネクトさんありがとう! やぁー悪魔が大量、大量! 頑張ってこんなに捕まえたよ! 対価が楽しみだ! スカルがドクロのネックレスにされて喋れなくなってからもう1年たったか、神様に頼めばこれだけ悪魔を捕まえたんだ、なんとかなるだろうか?」

 3分間の上昇を続け、天国に着くとディスコネクトが僕の顔を見て、不思議そうに言った。

「なんか、僕が知っている天元さんじゃない気がするけど、気のせいかな……まぁいいや、そうだ! オリハルコンによる前に良いところに連れて行ってあげるよ、もちろん僕の奢りでね! 今、天国でブームの占い師ヘブンスの占いの館に! なにか占ってもらいなよ!」

「いいんじゃないか、天元! 面白そうだ、最近はハデスとかいう奴の一味を相手にしていて働き過ぎだったからな、ここらで息抜きもいいんじゃないか?」

 ケロベロスもそんな事を言うもんだから、僕はディスコネクトさんに連れられ占いの館に入って、ヘブンスと言う綺麗なお姉さん天使に占いをして貰う事になった。

「初めまして……おっ、人間か、早速見ていくわね――あなた……妹さんがいらっしゃるわね?」

「いや、いませんけど……。羽屋里家は僕だけの一人っ子ですが……ははは」

 いきなり的外れの事をヘブンスが言ったものだから、僕は天国の占い師もたいした事がないのかなと、思い笑うと――ヘブンスは顔を険しくして言った。

「そうなの? ……だったら、怖いわね――私にはハッキリとあなたの妹の姿がみえるのよ、なんなのかしらね……なんの暗示でしょうか……その子がね、すごく悲しんでいるのよ……あなたに見つけて欲しがっているの……そして、彼女はもう全てを忘れて……ごめんなさい。やめにするわ……あまりに酷い映像が見えて少し気分が悪くなっちゃた……失礼するわね……」

 そう言うと、ヘブンスは店の奥に逃げるように下がってしまった。何だったのだろうか? だったら怖いわねとか、僕をからかっていたのだろうか……真相は謎のままである。

 気お取り直して、オリハルコンに向かい忍足さんに会いに行った、会うのは実に1年振りだ。

「お前ら! 1年も何処いっとたんじゃ! いったい……1年も何をしとったんじゃ……」

 僕達を見ると早々に忍足さんは怒鳴りつけ、鬼の形相を浮かべていた。

「何って……悪魔退治をしていたんですけど、ほら……こんなに捕まえてきました!」

 僕がそう言って封じ込めた悪魔達をみせようとすると、忍足さんが悲しそうに言った。

「それは№達なのか? ちゃうやろうな……しもうた……やられたわ……」

「いや、違いますけど……『ハデスと愉快な悪魔達』とか言う連中ですけど……忍足さん――№達って何ですか? 僕、初耳なんですけど、その名前……いったいどうしたんですか?」

 僕が忍足さんの意味不明な怒りに混乱すると、忍足さんが困った様子を見せた。

「天元君……気づけんかったわしのミスや……勘忍な……№2マミーがるるに恐らく君らの記憶を喰われたんや……。妹を探してくれや、そしたら全て思い出すやろ……天元君! どんな絶望が待ち構えていても……強くなるんや、また骨オリでやり直すんや……妹も、スカルも待っているで……お前さんが№達から救い出しに来てくれるのを……ずっと、ずっとな」

 忍足さんまで、妹というワードを出してきた。いったい何なのだろう……悪魔を引き渡すと、これでどうにか妹を君の家に帰ってくるよう、神様に頼んでみるから家で待っていてくれと、忍足さんに言われ――僕達はまた、ディスコネクトさんに連れられ家へと帰還した。

 僕は日本中を周っていたので、久しぶりの家への帰宅となった。自分の部屋で待っていると玄関から物音が聞こえた――玄関に出て見ると子犬が何かを置いて去っていったのが見えた。

「ん? なんだ、これ……うげぇー……死体だ……それも、カラカラに干からびたミイラになっている――ケロベロスこれはいったい……なんなんだ!?」

「天元! 俺にもわからん……なんなのだ、このミイラは……女のようだが……」

 困惑する天元達を外の物陰から見ている者がいた――№2マミーがるるである。

「がるるるるる! イイネ! イイネ! じゃあ、折角の兄妹の再会なんだ……この最高のミイラに見合った絶望をこの少年に味わってもらうとするか! リビングデッド・リバースメモリー! がるるるる! 興奮するねぇ……」

 なんで――なんで、僕達は……こんな大事な事を忘れていたのだろうか。

 スカルを天使に戻す為、№達を捕まえる……目的。それを僕は忘れていた……この一年、何もしていない……そして、今僕の目の前に……何で、何でだ! なんで――僕の救った筈の最愛の妹のミイラがあるんだ! 何で僕は妹の存在を今まで忘れていたんだ……。

「ケ……うゔ……ケロベロスぅ……。なんだ! これは……僕達はどうなっちゃてるんだ! この一年間もの間、何をしていたんだ……分からないんだ! どうしよう、ケロベロスぅ……」

「天元……俺だって同じだ……ちくしょう! 恐らくモコは№2にとり憑かれていたんだ! そして、俺達も知らぬ間に、奴に攻撃を仕掛けられていたんだ……こんなのってありかよ……ひどい、あまりにもひどい……惨過ぎるぞぅ……」

 泣き叫ぶ僕らを尻目に、陰から涎を垂らしながらそれを見る№2がいた。

「痛快! 1年かけて作りあげた甲斐があったぜ……良いミイラだ! 本当に……さて、そろそろ、あいつ等を殺して、あのミイラを喰うとするか、熟しているから美味そうで楽しみだぜ!」

 そう言い、牙をむき出しにしたマミーがるるが、モコのミイラに近づこうとした瞬間――辺りを眩い光が包みこんだ。そして、天元とケロベロスは絶望には呑みこまれていなかった。

「ケロベロス……やり直そう。全てをはじめっから……うゔ……モコちゃん本当にごめん! こんな悲しい未来あってたまるか! 許さないぞ№2……僕は必ず! 皆を救うんだ! 行くぞ、ケロベロス! こんな苦しい未来を知るのは、僕とお前だけで十分だ!」

「おう……うゔ……俺は、怒ったぞ! №2マミーがるる! よくも、俺達の思いを喰いやがったな……許せない……リベンジだ……リベンジしなければ、気が済まない!」

 必ず君を救ってみせる――そう覚悟を決め天元はドクロのネックレスへと、呪文を口にした。

「待っていろ! モコちゃん……今、お兄ちゃんが行くからな――骨オリ!」

 ボキベキバリメキ! バキボキベニメキ! ――骨の折れる音が響き渡った。










 恐山、山頂――1年前、モコちゃんが入学してから4日過ぎた日、2人はここにいた。そして今、その時に舞い戻ってきたのである。骨を対価に運命に抗う為タイムリープしてきたのだ。

「ケロベロス! 1日で帰るぞ! こんな所には用はない! あ、イタコのおばさん達気にしないでね! これは僕の独り言だから! さぁ、モコちゃんを早く探しに行こう!」

「おう! 俺達はその為に戻ってきた! 覚悟しろよ№2! 必ず捕獲してやる!」

 大事な事を全て忘れ、どうでもいい事をしていたそんな、あやまちが僕にはあった――中二設定の主人公になれた事に浮かれ、まんまと敵の罠にはまったことにも気づけず、1番大切な者達を失う、そんな忘れてしまいたいと、思う地獄の様な1年が僕には確かにあったのである。

 モコちゃんの入学式から5日目経ったこの日、僕はケロベロスと共に学校中を洗いざらいにしてモコちゃんを捜していると、ドクロネックレスから、回復してきた少ない魔力を振り絞って僕に話しかける声が聞こえた――『頑張れ、一番きれいなトイレが怪しい、トイレは女子の憩いの場だからな』と、確かに優しい声が聞こえたのであった。

 ありがとう、スカル。










★モコバッド★――完。



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