表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/47

サリー

サリーは帰宅したデボラの様子を不審に思った。


不用意な言葉をかけないように留意して、デボラの寝支度を整える。

デボラの髪にブラシをかけている間、様子を窺った彼女はその虚ろな目に気付いたがそっとしておくことにした。


ベッドに上がったデボラに上掛けを掛けると、彼女は重大な何かを受け入れるかのような厳かな面持ちで目を閉じる。


夜会に参加していないサリーには今夜の事情まではわからない。


夜会でデボラに何があったかのか、それを知ることができたのならこの時のサリーなら何物でも差し出しただろう。

いや、何を差し出してもは言い過ぎだが。

それに語ってくれる相手もいない。

すべてはデボラの心の中。


サリーは眉を寄せてデボラの静謐に満ちた寝顔を眺めていたが、瞬きを一つして溜め息を吐き、この国の言葉ではない言葉で呟く。




『良き夢を――』




言葉が空気に溶け込んでいくのを見届けてからサリーは部屋を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ