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理不尽な世界の恋愛模様  作者: 鵺織深尋
《第一章》前途多難な学校生活
7/18

久しぶりのメンツ

自宅に戻り、リビングに入ると窓ガラスはキレイに直っていた。そしてなぜだか部屋が荒れている…気がする。は!?やべぇ…真璃の纏ってるオーラがドス黒いんですが。

「ただいま…ごめん、ファーストキスをこいつに奪われた。」

「なんで謝るの?ちなみに、ファーストキスは私が貰いました。」

「へ?マジっすか…いつっすか?」

「中学の時」

あ…覚えてないやつだ。これ。

「へ、へぇー。そーなんだー。」

いかん、テンパって声が裏がえってしまった。

「あ、そうだ。雪見!俺を連れ去って、何がしたかったんだ?」

「結婚」

「そうじゃなくて…目的は?」

「スズの恋人になること」

「…………………もういいや」

で、えーっと…今何時かと思い、時計を見ると針は七時を指していた…飯だな。

俺は、腕の裾の捲って台所へ。

「なぁ、お前ら何食べたい?」

「「スズ」」

「…………コメントしづらいから、他のやつで」

「じゃあ…逆に、何が作れそう?」

「あぁー…、オムライスとかなら作れるぞ」

「あ、私はそれで」

「さやかもー」

「りょーかい」

さっそく、作り始める。


「よし…ケチャップライスは出来た、っと玉子はどうする?」

「さやかは、半熟で」

「私も、半熟で」

みんな、半熟好きだな…俺も好きだけどさ。


「ほら…出来たぞ!」

「おぉ~、ちょうどいい半熟ぐあい……」

パクッ

「ん~!!おいしい!スズ、このオムライスおいしいよ!」

「当たり前だ。俺が作ったんだからな。」

「へぇー…はむ……おいしい」

「お口に合って何よりです。おかわりもあるぞ」

「わーい!やったやった」

見た目どうり、子供っぽく喜んでいる雪見。

それに対して、真璃は小さくガッツポーズ。よほど気に入ったんだな…オムライス。


「ふぅ…食べた食べた」

「当たり前だ。なんで俺の分まで食ってんだよ!?」

そんな、哀れな俺に

「じゃあ…はい、あーん」

真璃がオムライスを食べさせてくれた。間接キス的なことになってんのは気づいてワザとやってるんでしょうか?

「やっぱり、うまいな…オムライス」

最後まで、食べきった少女に目をやると…寝てた。スースー寝息をたてて寝ていた。

「こんなとこで寝たら、風邪ひくぞ!ほら…」

揺すってもなかなか起きない。仕方がないので、来客用の布団を持ってきてその上に寝かせてやる。子供か。

「あー、真璃。もう、帰ったらどうだ?すっごい眠そうな顔してる…っていうか、船こいでるからな」

布団ひいてる間に寝かけてるって、そうとう眠かったんだな…

「ほら…まじで起きて」

パンッ!!

「え!?なに?」

「寝てたから、寝るなら帰って寝ろ」

「はーい…そういや、さやちゃんはどうするの?」

「今日に関しては、ウチで預かる。明日にでも家に帰すさ」

「ふーん…わかった。おやすみ~スズ」

「ああ、おやすみ真璃」

「んじゃ、俺も寝よう」

自室のベッドに横になる。今日もまた、いろいろあったなぁ…まぁ、久しぶりにあいつらに会えただけでもよかった…かもな…

そこで、意識は途切れ…深い深い夢の世界へと入っていく…。


…………………。

「あっ…んっ…」

なんか、自分の熱…ではないなにかの熱を感じる。気のせい…ではないな…。

「ん……!?」

うっすら目を開けて、熱源を確認しようとしたら…雪見の寝顔がすぐそばに…!?いつからそこにいたんだよ………。

「………ったく」

運ぶ気にはならないので、そのまま俺のベッドに放置して、リビングのソファーで寝たかった。…今動けないんですけど。だって雪見の頭の下に右腕、足で体をがっちりホールド。うん、詰んだ。どれだけ抵抗してもビクともしない…。あ……今気づいたんだけど、こいつ身長のわりに胸があるからちょっと動くだけで、結構ヤバいっす。

そのまま俺は眠れない夜を過ごす…こともなく、再び眠りにつくことができた。だって、眠いし…。ぐぅ…………。


翌朝…午前五時過ぎ。外で、小鳥が鳴いている。朝チュンか…。

「んっ…ふぅ…おはよー、スズ」

「ああ…おはよう。じゃなくて、なんでベッドに潜り込んでいるんすか?」

危なかった…何事もなかったようにあいさつを交わしてしまった。気づいてよかった。

「えーっとね…トイレに起きて寒かったから?」

「疑問に疑問で返すなって習わなかった?っていうか、雪見も女の子なんだからもうちょっと気をつけようよ。ほら…俺は男、わかる?」

それに対し、雪見は屈託のない笑顔で

「スズなら、いいよ。むしろ襲っていいんだよ?」

「いや…ないからな!絶対に」

「そうだね。スズ、ヘタレだし」

「ヘタレで悪かったな」

「まぁ、そこがかわいくて好きなんだけどね」

「……俺からひとつ、提案がある」

ん~?と間延びしたような返事をする。

「とりあえず、ベッドから出たい?」

「えー…まだぬくぬくしたい」

「だめだ」

さすがに、もう拘束を解いてくれていたようで、簡単にベッドから出れた。

「おい…お前も起きろよ」

「いやだー。名前で呼んでくんなきゃいやだ」

「はぁ?……名前、な。…………………さやか」

「なぁに?」

ニヤニヤしやがって…恥ずかしいじゃねぇか。ちくしょう。

「一回自分の家に帰れ。黙って外泊したこと、親に説明しろよ」

「えー…外泊することになったのは、スズのせいじゃん。だから、スズも一緒に来てよ~!!」

「うっ…そこをつかれるとな…。わかったよ…俺も行くから…」

「わぁい!」

オーバーリアクション気味な感じで反応する。

「おっと…忘れるとこだった。真璃にメール打っとこ」

ちょっと用ができたから、学校行くの遅くなる。一緒に行けなくてごめん。っと、送信。

ブブッ

!?びっくりした…返信早すぎ。なになに?

『わかった。先に行ってます。学校で待ってます。





             あとで、きかせてね。』

うん…こわい…。

「おーい!ゆ…さやか、準備しとけよー」

「はーい」

さてと、シャワー浴びるか…。


さっとシャワーを浴びて、出てくるとさやかが目の前に…なんでおるん?

「ふむ…」

「ふむ…、じゃねぇよ」

何もなかったことにして、制服を着る。おし、準備OK。

「んじゃ、行くか」

さやかが頷いたので、家を出発する。

昨日通った道を引き返し、さやかの家へ…。


「で?一晩帰ってこなかったことについて、説明してもおうか」

俺たちは和室に通され、さやかの親父さんに尋問されている。その尋問にさやかが答える。

「えっとね、パパ。スズの家にお泊まりしてたの」

「そうか…何かされなかったか?」

「いや…何にも」

「どういうことだ?キスしたんだろ?なら、その先のことまでしたんじゃないのか?」

「してませんしてません。俺…僕には、そんな度胸はありません」

「そうか…では、さやかの処罰を発表する。………勘当だ」

「そんな…そこまでしなくても、いいんじゃないんでしょうか?」

「いや…ダメだ。そもそも部外者のお前は黙ってろ」

「ぐっ…」

「わかったよ…パパ。今までお世話になりました」

………一個聞いていいかな?この親子、真面目な話してるはずなのに、ニヤニヤしながらやりとりしてるんだけど…。

「ああ…出ていけ」

「はい…」

……ほんと何これ。言われたとうり、出て行く。

「なんか、ごめんな…」

「いいよ、別に。ってことで、今日からスズの家に住むことにしまぁす」

「なんで!?」

「責任…とってよ」

「…わかったよ…部屋余ってるから、一部屋やるよ」

「やったね!」

喜ぶな!!…とも言えない。俺のせいだし…。

「帰って飯にするか?」

「食べる!何作るの?」

抱きついてくる。歩きづらいからやめろ。

「目玉焼きと食パン、あとソーセージ」

「スズのソーセージ?」

「違うからな!?」

「そーなんだー…残念」

「残念がるな」

「えへへ」

笑い声が朝から響く。

今回はさやかに焦点を当てて書きました。さぁ、スズはこのあと真璃にみっちりしごかれるのでしょうか?まぁ、私のさじ加減ひとつなんですけどね(←メタ発言?)

えー…あとがきまでちゃんと読んでいる人にだけ、次回予告を…

次回!!なんと、スズがなぜモテるのか、スズの持つウイルスについて、書く予定です。

ではでは、次回をお楽しみに~。


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