思い出した記憶の周辺
翌日、竜成、雫、そしてなぜか早稲田を交えて昨日の一件について、相談なう。
「んで、どう思う?雫くん。」
「その呼び方やめて。私は、いいと思うって何度も言ってるけど?むしろ、それに対してこっちが聞きたいっての。」
「なんか選択ミスった気がする…から相談してるんすけど。」
「まぁ…でも、その話が外に漏れたらスズに対する嫌がらせが激化すると思うぞ、俺は。」
「たーつーなーりー、それはいいんだけどさぁ。はぁ…。」
「いいのかよ…。」
だって、休み時間のたびに、入り口の近くでうろちょろしてるんだもん。そのうちバレちゃう
「っていうか早稲田がいる時点でアウトだろ…。」
「いいから、いいから。続きを聞かせてよ。」
「じゃあ早稲田は無視するとして…大前提として聞かせてくれ。恋愛ってなんだ?」
「あのなぁ、恋っていうのはだな…うわっ、ちょえあぁぁぁぁ。」
「あ!そう言えば…」
あ、竜成死んだな…。だって、雫に引きずられて連れて行かれた。雫いわく『昨日の約束ほったらかして何してたの!!白状しなさい。じゃなきゃ、別れるわよ!』だとさ。そして、竜成は帰って来ることはなかった…。隣のクラスだし。
さてと、昼飯と早稲田を片付けて帰ろっと。
何でも、この学校では恋人がいるだけで午後の授業は受けなくてもよいのだ!受けたい奴は残るしな…んで、俺は帰る。
「あ、私も…一緒にいいかな?」
誰かと思い、振り返ると…女装男子!とりあえず、デコピンを食らわす。真璃を迎えにB組にいくと、竜成の上に雫…
「プロレスごっこは、家でしなさい。」
「な!?違うし!一方的なやつで…。」
「へぇー、SMプれ…っいてぇ!蹴るなよ!」
パンツ見えちゃうだろうが…。
「パンツ…みたでしょ。」
「いや…見てない。」
「そう…。」
なんかめんどいので真璃を呼んで、帰ることにする。
「小花衣さん、ちょっといいかな?」
「あ、はい!行きます。」
「俺、もう帰るけど…どうする?」
「一緒に帰ります。」
真璃と一緒に…他に二名(竜成と雫)もいるが、スルーで。あと、思った事を一つ…なんか変な感じがする。ようするに、青春しちゃってる気がしてる。いいのかな?こんなことしちゃって、死なないかな…。死にそう。
「そういやさ、真璃。なんで、俺みたいな奴を好きになったんだ?」
「理由…は、ないです。気づいたらもっと一緒に居たいと思ったんだもん。それ以上はないです。」
「そっか。告白されたときが初対面だからさ。」
「え………。」
……………………は?
「あれが、初対面じゃなかったの?」
「違いますよ!初めて会ったのは、中学生の時ですよ!」
怒ってる真璃もかわいい。
「え?そうだっけ…ごめん中学より前の記憶がかなり曖昧なんだ…。」
「そうですか。ふんっ。忘れるだなんてひどいです。」
「ごめん。」
「いいですよ。今、一緒に居られるので。では、家に来てください。」
「え。早すぎない?」
「いいえ。今日がいいんです。今日が。」
「わかった。わかったから、じゃあ俺の家の方に来て。」
なんかノリで、家に呼ぶことになってしまったため速攻で片付けて、真璃を呼ぶ。
「おじゃましまーす。」
「いらっしゃい。適当に座って。」
そう言って、リビングにとおす。俺はお茶を煎れに、キッチンへ。なんかリビングから、物音がするけど気のせいだと思う。
その頃、リビングでは…ソファーの上に寝転がり真璃はクッションを抱いて、顔に押し付け想い人の匂いを一心不乱に嗅いでいた。
「すうぅぅぅ、はぁぁぁぁ。んふふ、いい匂いです…。?あ…」
視線を感じて、キッチンの方を見ると…スズと目があってしまった。
やっぱり気になるので、覗いて見ると…その、なんというか…クッションの匂いを嗅いでいました。見なかった事にしようと思った時、真璃と目があってしまった。お茶を持っていって
「あのー…真璃さん?何をしてらっしゃったんですか?」
真璃は、ハッ!?っとした顔になって固まってしまった。フリーズが解けるまで、数分後。復活したので、何事もなかったように、話しかける。
「なぁ、真璃。」
「ななななな、なんでしゅか!?何もしてにゃいです!何も!!」
「わかったから…落ち着けって。」
「はい…えっと、なんで来たんでしたっけ?」
「ほら、初めて会った…うんたらかんたら、とか?」
「そうそう、初めて会ったのは、中学の時でした…」
なんでも、中学二年生の時に俺が部活を変えて運動部から文化部に入った。そのときに、俺と真璃は出会ったらしい。まだ、〈死〉なんて考えてもいないときだった。能天気に、友達作ってバカみたいにはしゃいで、笑顔が絶えない少年だったという…あ、いや…これは、真璃が言ったんじゃなくて、俺の解釈だから!…んで、そんな俺に恋をしたらしい。告白もした…は!?え、いつ!三ヶ月前…なんで覚えてへんの?あ…ちょっと方言でちゃった。
「で今に至るわけです!」
「ほぇー。あ、ちょっと思い出した。なんか、真璃といっつも一緒にいた子…なんだっけ?ゆ…ゆき…」
「雪見澄、忘れてたんですか?」
「あぁ…忘れてた………雪見な…ごめん、雪見」
「とうっ!」
パリンッ!ガシャン…
「やっはー!呼ばれたから来たよ?おひさ~、村上くん…っと、真璃ちゃん」
「おぉ、久しぶり…じゃなくて!不法侵入だから!?窓ガラスどうすんだよ…ってか、どこにいたんだ?」
ビシッと、ベランダを指す。
「ベランダ」
「見ればわかるよ!?」
「よし…じゃあ、行こっか?」
「どこへ?って答えろぉぉぉ…」
雪見に引っ張られ、ベランダへ。からの大ジャンプ。ここ十八階。
「いぎゃぁぁぁあああああぁぁぁぁあ!?」
と…そのまま連れ去られ、なんと雪見の家へ…。
「で説明してくれるかな?」
俺は口角をひきつらせながら問う。えぇ、ほんの一週間前に表情筋は無事に生き返りました。何だったんだろ?あれ。
「ん?あ~…えっとすきですけっこんをぜんていにつきあってください。」
「棒読みで言うなよ!?あと、断る。なんだかんだで今は真璃と付き合ってんの。だからム……」
雪見がキスしてきた。
しかも、なかなかやめない。抱きついたまま離れない。甘い香りが漂ってきて、頭がクラクラする…。
なんという怪力…。たしか、こいつ身長140ちょっとしかなかったはず…なのに身長170の俺にキスってなぁ…!?
「っぷはぁ…離れろーっ!」
「どうして?さやかは、こんなにも好きなのに…ねぇ?」
「俺は、そうでもない」
「それに、ウチの家訓に[キスしたら結婚、じゃなきゃ殺せ]っていうのがあるの」
「知らねぇよ!!なんで俺なんだよ…はぁ……ほら」
俺は腕を広げて、待つ。
「へ?」
雪見は、近づき抱きついてきた…。意味が違います、はい。
「殺せよ」
「え!?そっち!?うーん…やだ」
「は?」
「さやかは、村上くん…いや、スズ。あなたの婚約者になりたいのです」
「知らんがな……んじゃ、俺は帰る」
「えー…。家には帰さない。両親に挨拶してくのー!」
また、抱きつかれる。はぁ…しゃあない。実力行使するか。
「えい」
雪見の脇腹をくすぐる。
「ひっ、くっくく、あはははは!こしょ、こしょばいっ、こしょばすぎるからっ…やっ、やめ、やめて…壊れりゅぅうぅう!!」
ふはははは。くすぐり攻撃によって、グロッキー状態の雪見。マジ優越感。
さて、連れて帰るか…事情は聞かせて貰わないとな。真璃も、待ってることだし…。
「よっと…」
雪見に、道案内させること…数十分。なんとか家に着いた。
眠いです。書き終わった直後に投稿するタイプなので、めっちゃ眠いです。
話の展開的には、まだまだ始まったばかりだと、思っているので第一章は結構長めになりそうです。
あからさまな誤字脱字がありましたら、ご報告よろしくお願いします。